ノマドワーカーたちは遊牧民らしく、そっと何処かへ消えていった

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ノマドワーカーたちは遊牧民らしく、そっと何処かへ消えていった

今回はYamadaさんのブログ『ホームページを作る人のネタ帳』からご寄稿いただきました。
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ノマドワーカーたちは遊牧民らしく、そっと何処かへ消えていった

ノマドワーカーたちは遊牧民らしく、そっと何処かへ消えていった

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あれほど日本中のネット業界に浸透した言葉の「ノマド」ですが、さすがは遊牧民といったところ。
彼らの多くはまだ、カフェや、無線が通じ、電源のあるところさまよい歩いているわけですが、そんな彼らに憧れを抱いていた人たちの熱も、静かに冷めつつあります。

今回は実際にノマドとなった知り合い4人の、いわゆる生々しい感想等をご紹介したいと思います。

ノマドとはなんだった?

ノマドワーカーたちは遊牧民らしく、そっと何処かへ消えていった

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彼らは現在、3人がノマドをやめ、就職されています。もちろんそれが悪い事など誰も思いません。私も就職したいと思うことがあります。
別にフリーランスになることが悪いとか、そういうことではありません。

今回はこうした経験者から、安易にノマドワーカーとなって、甘く見ていた部分を共有させて頂きます。

「ノマドは遊牧民よりさらに下に飼われている羊かも・・・」

海外の記事でもよく見かけますが、フリーランスにとって、好ましい状態というのは、多くの収入源を持つことであると言われています。これは当然の結果でして、もし仕事自体の収入が大きなクライアントでも、1社や2社程度の元請けでは、その生活はとても遊牧民といえるような自由はなく、会社でいう平社員よりもさらに虐げられる事になるでしょう。

「どんどん羊の毛を刈られているような・・・そんな気分だった」
だからまず、多様化、大きくなくてもいいので、収入源の分散化を最初に考えないといけない。勿論、あの時それを最初に教えてくれる人など誰もいなかった・・・。とのことです。

「会社という小さな組織程度での競争で勝てない奴が、結局日本中、世界中を相手に競争できるわけがなかった」

どれほどの技術、どれほど特化したスキルを持っていても、仕事を引っ張るだけの競争力やネットにおいてプロモーションする力がないと、結局スキルを発揮することすらさせてもらえなかった、という事です。
「正直今の会社にいるほうが、技術を生かしてくれる上司に恵まれていて、自由に仕事をさせてもらえてる」と言います。
「なんでも自由は自由ではなく、その部分だけ自由でやらせてもらう事に感謝しなければならなかった」

「組織の中で大嫌いだった上司も、ノマドを経験してからはとても素晴らしい存在だと気がついた。彼らは監視し、注意し、どなったりもするが、それらをやった上で失敗した場合は、責任は全て上司がもち、守られている」

「大手クライアントはカフェ禁止も」

いやまぁ、考えればわかりますが、後で誰が見ているかも分からないノマドワーカーに、守秘義務の強い仕事をたのむことが出来ない、というわけです。また、案件によっては「クラウドの利用禁止」もあります。これもそれぞれの企業が抱えるコンプライアンスの問題となっています。

また、フリースポットでの無線LANなど信用に値せず、利用が限られてしまいますよね。
張り切ってMacBookAirを買った所で、使う場所なし、または容量に収まりきれなくなるパターンもあるわけですね。

「プライベートという存在が消えた」

これはノマドに限らず自宅や、事務所を抱えて仕事をしているフリーランスの方も同じではないかと思います。
例えば子どもと旅行に言っている最中でも、今月の売上が赤だった場合、とてもじゃないがゆっくりやすらぐ事など出来ないというわけです。

「心のどこかでやばいやばいと感じ、飲みに行ってお金を使うことすらためらうようになり、もし飲んでいても仕事のことばかり考えてしまう」という、危機感からくる精神的理由のプライベートロスト。

「会社がおわり、同僚と気兼ねなく飲みにいけるというのは、組織だから出来る事だったと痛感した」

もう一つが、「夜も、朝も、納期があれば関係ない。仕事がきたら日曜日も関係なくやらないと間に合わない」という、時間的なプライベートロストがあります。

「雑務処理の多さを甘く見ていた」

これはまぁ・・・。私も最初甘く見てましたすみませんすみません。
どんだけ口で説明しても、やれば一瞬でわかり、やるまでわかんないと思います。

もっと先を見るべきだったが後悔はしてないない

みなさんの反省点など共通する部分は上のような感じでした。
たんに、ノマドワーカーが自由で良いというイメージだけが先行していたのも事実ですよね。でも、それぞれにある思いの中で、「やらなきゃ良かった」という人は誰もいませんでした。

オフィスっていう職場がどれくらいありがたいかわかったし、同僚、上司がどういう存在なのかを再確認できたというご意見のほうが多く、ひとかわむけた感じがあります。その上で、再チャレンジを目指している人もいますし、色々軌道修正しながらノマドしている人もおります。

やってみないとわからない事を、やるだけやって満足している人も多いわけですね。
もうノマドという死語に反応する人もいないと思いますが、先駆者の声を共有出来ればと思います。

さて、あなたのノマドワークは遊牧民か、それとも羊か。

それでは、また。

※扉写真は羊ではなくヤギです。

執筆: この記事はYamadaさんのブログ『ホームページを作る人のネタ帳』からご寄稿いただきました。

寄稿いただいた記事は2013年06月19日時点のものです。

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