フジテレビ『ほこ×たて』の『ハッカーVSセキュリティ会社』がひどいとネットで話題に
6月9日の19時よりフジテレビで放映された『ほこ×たて』の『どんなプログラムにも侵入できるハッカーVS絶対に侵入させないセキュリティプログラム』の内容がひどいとネット上で話題になった。
『ほこ×たて』は、”矛盾”の語源となった最強の矛(ほこ)で最強の盾(たて)を突くとどうなるか? といったような勝負―――例えば“絶対に穴の開かない金属”と“どんな金属にも穴を開けられるドリル”を対決させたり、クイズで鉄道マニアVS鉄道職員、ドラゴンボールやワンピースといった作品のマニアVS作品の歴代編集者・アニメ制作者の対決を行ったりして人気を博しているバラエティ番組。今回は最強のハッカー軍団と最強のセキュリティ会社の対決をうたっていたのだが、勝負の内容が視聴者であるネットユーザーの想像の斜め上を行くものであったためにツイッターなどで大いに話題になったようだ。
世界一のハッカー軍団というロシア人3人と、セキュリティ界の救世主というふれこみのネットエージェント・杉浦さんの対決となった今回。
3本勝負で、1本目ネットエージェント側から
3人の人物を撮影した写真を3分割し、A、B、C各パソコンに1枚ずつ隠しています。
1枚目の写真のファイル名は「takahiro.jpg」です。
正解すれば次のステージの情報をお伝えします。
というメールをtakahiro.jpgの入った杉浦さんのノートパソコンからハッカー側に送る。ハッカーチームは30分ですんなりパソコンのハッキングに成功し、杉浦さんのパソコンを自由自在に操れるようになった。ここでハッカーチームの勝利となるかと思いきや、そのパソコンの中には杉浦さんが別途ネット上からダウンロードした画像ファイルが5万枚あり、そのすべてにtakahiro.jpgという名前をつけていた。そして「さて本物の1枚はどれでしょう?当てたら勝ち」という展開に。「オリジナル画像だから容量が大きいはず」と容量で画像をソートしある程度絞り込み、その中から「3人の人物を撮影して3分割した写真だから画像は縦長じゃないのか」ということで、番組の司会であるタカアンドトシのタカが1人で写った縦長の写真を提示し、1本目はハッカーチームの勝ちとなった。
2本目の勝負に進み、今度は別のパソコンの中にある3分割した中の1枚で大島優子の写ったyuko.jpgを探すという勝負となった。そしてそのパソコンも30分であっさりハッキングされたが、今度は杉浦さんが「yuko.jpgを別の名前に変更」という説明があり、結局画像をみつけられずハッカーチームの1人が「このルールで勝てないから諦めます」とギブアップし、3本目に進むことなくネットエージェント・杉浦さんの勝ちとなった。
これに対し、ネット上では「そもそもルールがおかしい」「パソコンをハッキングした時点でハッカーチームの勝ちだろう」「“ハッキング”の勝負じゃなくて“とんち”の勝負」「番組のタイトルじゃないけど勝負の内容が矛盾してる」といった意見が噴出したようだ。
番組後のネットエージェント関係者のツイートでは、わざとセキュリティの甘いPCを用意したことや、「別の名前に変更」は「ドライブを暗号化した」のをテレビが編集でそう表現したことなどが明かされた。パソコンにさほど詳しくない一般的な視聴者を想定して編集したためなのか、技術的な解説などがほとんどなく、また全体的に説明不足のまま進んでおりなんとも不可解な勝負となった。それが今回特にネット上で話題になった要因かとも思われる、
番組上では勝負に勝ったネットエージェント社であるが、上記のような『Twitter』等での説明がなければ視聴者には「30分でパソコンへの侵入を許したセキュリティ会社」という評価しか得られないのではなかろうか。それを想定していなかったとすればある意味「セキュリティが甘い」と言わざるをえないかも?
※画像はネットエージェントのサイトより引用。ちなみに番組終了後、同社のサイトはかなりつながりにくかった……
元インターネット雑誌編集者。 2013年5月よりガジェット通信にて記事を書いております、よろしくです。
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