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国と個人とグローバル化

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今回はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。

国と個人とグローバル化

なんか最近、グローバル化にかこつけて、国というのは意味がなくなるんだ、すべては個人なんだ、という主張をする人がいる。まあ個人主義は今に始まったことではないが、グローバル化ブームで、また勢いを増している。

でもねぇ、その考えは間違ってると思うね。個人の能力や思想がそもそも育った地域の文化に大きく依存しているわけで、国や地域の役割を否定し、個人こそがすべてだ、国境なんてそのうちなくなるという主張は、実体と異なる。

例えば日本人は戦争に否定的な思想を持つ人が多いけど、それは戦後の日本に生まれ育ったからであって、他の国に生まれてその国の教育を受けてたら、きっと今と同じ考えは持たなかったはず。すべての人間は生まれ育った地域の文化や歴史を引き継いでいる。そして子供にも引き継がせることになる。良かれ悪かれ。

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ときどき戦争責任について、若い人は戦争は親や祖父母が起こしたのであって、自分たちには責任はないと主張することがある。しかし自分たちは親の世代からさまざまなものを受け継いでいるわけだよね。経済力や高い教育水準など、すべて親の世代が作り上げたものを当たり前のように享受している。

都合のいい物はちゃっかり受け継いでおいて、都合の悪いものは「俺達の世代には関係ない」ってのは通らないだろう(笑)。親が悪徳商売で儲けて、その財産をちゃっかり受け継いでるのに、悪いことをしたのは親だから、自分に責任はない・・・と言い張れるものだろうか。

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古い因習にとらわれた堅苦しい世界がいいとはいわないけど、自分が育って社会の文化や歴史を、何もかも否定するというのは不可能だと思うのだよね。

だいたいどこか未開の国に生まれて「俺は個人主義を貫くぜ」とか言えるのだろうか。個人主義を主張できる時点で、それが可能な国に生まれた幸運を貪っていると思うのだけどね。

世界にはそれぞれの地域や民族ごとに良さがある。科学技術が発達した工業国もあれば、自然豊かな農業国もある。政治体制や歴史的背景もその一部だ。どの地域が優れているとか、平等にするにはどうすべきかとか、考えることがそもそもおかしい。

人の移動や活動を自由にするのは構わないが、それで地域毎の多様性が失われるようでは困る。というか地域の多様性がないなら移動する意味がないだろう。どこ行っても同じなんだから(笑)。

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グローバル化だ、世界は自由だとか舞い上がってる人が多いけど、何を自由にし何を守らなければならないか、頭を冷やして考えるべき。人の交流が盛んになれば、長い目で見れば地域の文化の変化も避けられない。

しかし変化の方法はすべてが均一化する方向ではなく、さらにユニークなものになる方向であるべきだろう。他の地域と同じであることよりも違うことを重視すべき。日本は明治維新以来、多くの文化を他国から取り入れた。開国はある意味日本にとってのグローバル化だった。

しかし単純に取り入れるのではなく、日本流にアレンジして自分のものとして独自に進化させた。それが正しいのだ。ところが最近は何やら「グローバル化」の掛け声で、何もかも他国と同じにしてしまうのが正しいかのような風潮。そんなことをしたら、100年後日本は没落していることだろう。

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我々は好むと好まざると自分の民族の地理、歴史、文化を受け継いでいる。そこから逃れることはできない。自分の子供をどの国で育てたいのだろうか。日本よりも他の国で育てたいと思う人はいるだろう。

でもそうすると子供はその国の文化や教育をネイティブとして吸収していく。大人になってからその国に来た親とは、違う価値観を持つだろう。日本で生まれた平和主義の親がアメリカに移住したら、親は平和主義のままだろうけど、おそらくアメリカで生まれ育った子供は平和主義ではなくなるだろう。

もちろんそれでいいという考えもあるだろう。でもそうすると親子間の価値観の伝承も希薄になる。究極の個人主義というのは国家の否定だけでなく家庭の否定でもある。昭和のSFによく子供の教育を完全に親から分離してしまうユートピア(?)があったように思う。

子供の価値観の形成に親が過度に干渉すべきではないという考えもあるだろう。しかし結局は子供は何らかの価値観を教育され成長していく。どうせ子供は誰かの価値観を押し付けられるなら、それは親の価値観であるべきではなかろうか。

執筆:この記事はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。

寄稿いただいた記事は2013年4月30日時点のものです。

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記者:

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