ダルビッシュ投手の驚異の三振動画

今季初登板のゲームで、後一人のところで完全試合を逃した“事件”が記憶に新しいテキサス・レンジャーズのダルビッシュ有投手(26)だが、そのダルビッシュ投手の脅威の投球技術をあらわにしたGIF動画が今、米メディアで話題になっている。

 

 

 

このGIF動画は25日、NBCスポーツ電子版に掲載されたもので、24日のエンゼル戦でダルビッシュ投手がエンゼルスのホームラン打者、アルバート・プホルス(33)を三振に仕留めた場面に投じた、5種類の球種を投げる姿を重ねて作成された動画である。

普通の投手なら、球種が違う毎に腕の振りやボールを離すリリースポイントも微妙に異なるので、打者はそのわずかな差異を察してバッティングを調整することもできるのだが、5種類の球種の腕の振りとリリースポイントが全く同じでは、そういった対応が不可能になってしまう。過去には『大魔神』こと、シアトル・マリナーズの佐々木主浩投手も、フォークボールとストレートの腕の振りが全く同じで、打者に同様の対応をさせなかったことで有名だったが、ダルビッシュは2種類の球種どころではなく、5つの球種でそれを可能にしているのが、驚異の投球技術と言っていいだろう。

掲載されたGIF動画を見ると、ダルビッシュの投球は本当に同じ腕の振りで同じリリースポイントからインコース、アウトコース、そしてキャッチャーミットに達するまでの時間差が、実に見事に投げ分けられているのが解る。もう少しマニアックな見方をしてみると、その中に1球、真ん中高めのストレートが混じっているのだが、このストレートの伸びの良さは、投げられた他の球種がキャッチャーミットに届くまでの時間と比べてかなり短いことで解ると思うのだが、こんなボールが打者に残像として頭に残っていれば、打者はこのボールに振り遅れまいという意識で、他の球種にはタイミングが合わなくなってしまうことは、容易に想像ができるのではないだろうか。しかもそれを他の変化球と同じ腕の振りとリリースポイントで投げられては、バッターからしてみれば本当に「手の施しようがない」ピッチャーになってしまうのだろう。

この日のダルビッシュはエンゼルス打線から11個の三振を奪い、今季通算で49奪三振になり、奪三振数でメジャートップに立った。今の調子が維持されれば、今シーズン中にももう一度でも、完全試合やノーヒットノーランのような偉業の達成されるチャンスが訪れることを期待するしかないだろう。野球ファンにとっては、もちろんいつだって楽しみなダルビッシュ投手ではあるのだが、今シーズンはとりわけ楽しみなのである。

 

 

※この記事はガジェ通ウェブライターの「あらい」が執筆しました。あなたもウェブライターになって一緒に執筆しませんか?

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