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経済の勉強 お金を払うと働かされる(第一回)(中部大学教授 武田邦彦)

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今回は武田邦彦さんのブログ『武田邦彦(中部大学)』からご寄稿いただきました。

経済の勉強 お金を払うと働かされる(第一回)(中部大学教授 武田邦彦)

「自分がお金を払うと、払った方が仕事をしなければならない」という奇妙な現象が日本で流行しています。第一に税金、第二に電気代、第三にNHKの受信料、そして第四に銀行の預金です。普通なら「お金を払えば、商品を渡してくれたり、便宜を図ってくれる」のですが、逆に「お金を払った相手から、仕事をするように言われる」ということになります。

まず税金ですが、正常なら税金を払えば、道路は良くなり、学校を建ててくれ、敵が攻めてきたら守ってくれるというように、「払い甲斐がある」ものですが、現代の日本は「税金で食べる人の仕事が無くなる」ということで、ドンドン、要らない仕事が増えています。

その典型的なものに「特定の産業を振興させるため」というのと「環境を守るため」というのがあります。二つとも正しいように思いますが、実は「税金を取るために、正しいような体裁を取っている」ということです。

「環境を守るため」と称して、リサイクルをします。リサイクルが「環境を汚す(余計に資源を使い、ゴミが増える)というのは学問的にも立証されているのですが、役人とリサイクル業者が収益をあげるためにはこれほど都合の良い物はありません。

「環境を大切にする」というグループと一緒なって、「リサイクルは資源を回収できる」というキャンペーンを張ります。もともと「ゴミから資源」が可能なら、民間がゴミを収集してそれから資源を取れば良いので、ビジネスとして成立します。

でも、最初から「ウソ」なので、税金を取ってリサイクルします。そればかりか、市民に「分別」を強います。つまり市民としては「税金を払ったうえに分別という仕事はする」という奇妙な事になるのです。

この詐欺まがいの条例が成立し、市民は税金を払って分別という仕事をし、役所は分別された物を余計な税金(名古屋市の場合は3倍だった)を使って(=業者に渡して)リサイクルをします。そのために「廃棄物課」の他に「リサイクル課」ができ人員も確保できます。

トリックは比較的、簡単で、リサイクルをする前は、

1)ゴミを収集する、
2)それを焼却する

ということでしたが、その代わり、

1)分別されたゴミを収集する、
2)それを資源として販売する、
3)前より少ないゴミを焼却する、

ということに変わります。

そうすると、リサイクルする前に比較して、

1)資源として販売した利益、
2)ゴミが少なくなっただけ仕事が減る、

ということになるので、「税金は還付される」ということになるはずです。

ところがリサイクルでは逆に年間5000億円ほどのお金を国民から集め、国民は税金を払い、分別の労力を払っているということです。「労力を払って余計な仕事をする」ということになるのは、決まり切っていますが「分別しても資源にならず(販売できず)、ゴミを少なくしても役人の数は減らない」と言うことになっているからです。

家電リサイクルを始める時、当時の通産省の役人が「こんなシステムは世界でも日本しかできないだろう」と言っていましたが、まさにダマされやすい日本人の素直さにつけ込んだ制度で、かなりリサイクルを止める自治体が増えては来ましたが、まだ残っていますし、愛知県でも新たに分別数を増やすところまであります。

こんな不能率な事を続けていたら、日本は衰退し、私たちの子どもは中国に押さえつけられる生活をすることになるでしょう。私がこのような事を止めた方が良いと思うのは納税者が馬鹿を見るだけではなく、日本が衰退するので子どもたちが可哀想に思うからです。

執筆: この記事は武田邦彦さんのブログ『武田邦彦(中部大学)』からご寄稿いただきました。

寄稿いただいた記事は2013年03月05日時点のものです。

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