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自民公約,初黒星か「ネット選挙解禁が参院選に間に合わない可能性」

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国会議事堂

ネット選挙運動の全面解禁問題が揺れています。

解禁が2013年夏の参議院選挙までに間に合わない可能性も、という発言の報道もあり、自民党の公約が守られるのか注目です。

ネット選挙運動に関してはこれまで「全面解禁」の方向で話が進んできており、自民党案も野党案もおおむね全面解禁に沿った公職選挙法改正案が出されてきました。

しかしながらそれに異を唱えたのが公明党。一般人のネット選挙運動に制限を加える案を出しました。これにより例えば一般人のメールにも制限がかかります。

さすがにこれに自民党が乗ることはないだろうと思われましたが、結局自民党と公明党との協議により、与党案で全面解禁はなくなってしまいました。

その理由が自民党ホームページに記録されています。
http://www.jimin.jp/activity/news/119992.html

(1)複雑な規制を課すことにより、一般の有権者が処罰され、公民権停止になりうる点
(2)密室性が高く、誹謗中傷やなりすましに悪用されやすい点
(3)悪質なメール(ウィルス等)により、有権者に過度の負担がかかる恐れがある点
を考慮し、解禁を見送ることとし、今後の検討課題としています。

字面を見るともっともらしい気はしますが、ざっくり要約すると

(1)国民は法律を理解できないだろうし説明も大変だからやめよう
(2)政党や候補者が誰に何を言われるかわからないからやめよう
(3)何が起きるかよくわからないしネットは恐ろしいからやめよう

ということであって、一言でまとめると「一般人はネット使ってなにするかわからんし怖いからやめよう」という、ITを理解できない議員達の漠然とした不安のみが浮かびあがってきます。

しかもよく見ると(1)はまったく逆の話になっています。そもそも全面解禁であればシンプルな話であり「複雑」とはいえません。しかし解禁を部分的にしようとするとどうしても規制は複雑になってしまい、理解しづらいものとなってしまいます。「複雑な規制を課」しているのは全面解禁に異を唱える側なのです。
このように「解禁をおこなわない理由」そのものが理解しづらいものであると言わざるを得ません。だとするならば、解禁を拒む流れそのものに一旦ブレーキをかけ、再考をうながす必要があるのではないでしょうか。少なくとも「よくわからない規制」が生まれる可能性を放置していてよいとは思えません。
新聞社説や学者などにも「とりあえず一部でもいいから解禁すればその後はなんとかなる」といった意見がみられますが、確たる理由もなく議論を放棄する姿勢そのものに疑問を感じます。

ここ1カ月の流れ

さくっとここ1カ月の流れを振り返ります。

もともと自民党は全面解禁支持(1月31日)
http://www.jimin.jp/activity/news/119859.html [リンク]
1月31日の時点で、自民党はウェブもメールも全面解禁をとなえていました。

自民党が突如心変わり(2月13日)
http://www.jimin.jp/activity/news/119992.html [リンク]
しかしその後、公明党の反対により突如与党の方針が変更となり、与党としては全面解禁をおこなわないこととなりました。

全面解禁派とそうじゃない派にわかれる(2月15日)
http://www.jimin.jp/activity/news/120006.html [リンク]
全面解禁をとなえる、民主党とみんなの党とそれ以外、という構図が完成

自民党の国対委員長代理が「参院選に間に合わないかも」と発言との報道(2月28日)
「夏の参院選では難しい」自民国対代理(産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130228/stt13022817140002-n1.htm [リンク]
全面解禁見送りどころか、参院選にも間に合わないと言い出す者も。自民は公約を守れるのか。

罰則も強化

さらに今回の改正によりネット選挙運動に対する罰則も強化されるようです。例えばメールアドレス表示を忘れた場合は禁錮1年以下、罰金30万円以下、さらに公民権停止処分などの非常に厳しい罰則が待っているとのこと。

このままだと解禁内容は中途半端なのに罰則は強化というなんとも残念な結果となってしまう可能性があります。

仕方ないとはいえ、やはり国会議員自身に利害が及ぶ法律改正を国会議員自身に任せるという事自体が無理があるといわざるを得ません。

自民党は果たして、政権公約どおり、ネット選挙解禁をおこなうことができるのでしょうか。

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