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「“記号”と“個性”というテーマで写真を撮り続けてきた」―青山裕企さんインタビュー(2)

 「3・11」からしばらく経ったとき、ある写真がツイッター上を飛び回った。それは、サラリーマンたちがジャンプしている写真。しかも、とても躍動的で、面白い。その写真には、「元気が出た」という声が添えられていた。
 撮影者は、気鋭の写真家・青山裕企さん。跳んでいる人を写す、いわゆる「ジャンプ写真」を1998年から撮影し続けてきた。いわば、写真家としての原点だ。
 そして、青山さんはそういった声に突き動かされ、再びジャンプするサラリーマン=ソラリーマンを撮影しはじめた。
 新作写真集『跳ばずにいられないっ!ソラリーマン ジャパン・ツアー』(青山裕企/著、徳間書店/刊)は、日本各地の“ソラリーマン”たちのカットを収録した躍動感溢れる一冊。青山さんのロングインタビューを行ったので、この写真集にかける想いを3回に分けて配信する。今回はその2回目だ。
(新刊JP編集部/金井元貴)

■ 「個性」と「記号」というテーマの中で磨かれた“ソラリーマン”

―『ソラリーマン』は主にサラリーマンの皆さんがモデルですよね。この写真集の中でも書かれていましたが、お父様の死をきっかけにサラリーマンを撮影し始めたと書かれていますが、サラリーマンを撮影し続けている理由について教えていただけますか?

「自分の父親は典型的なサラリーマンで、自動車販売の営業をしていたんですね。僕の目から見る父親って、朝、スーツを着て出社していって、夜は営業なので飲み会が多くなるじゃないですか。なので酔っ払って帰ってきて、たまに寿司折を買って帰ってくるみたいな、そのくらいしか見えていなかったんです。だからどういう仕事をしているのかも、実はよく分かっていなかったんですよね。
また、僕は就職活動をしていなくて、大学を出たあとはそのままフリーランスの写真家になった…というと聞こえはいいんですが、実際はフリーターですよね(笑)。ただ、サラリーマンに対して興味がないというよりも、すごく身近に父親というサラリーマンがいたのにも関わらず、そういった生き方に反発していた部分もありましたね」

―なるほど。

「でも、亡くなったあとに、働いているときの父親のエピソードを聞く機会がありまして、すごく慕われていたこと、好成績を残し続けていたことを聞いて、あれだけ毎日顔を合わせていたのに、そんな姿が全然見えていなかったことに驚きというかショックが強くて。それで、先ほど身のまわりの人たちを跳ばせていたと言いましたが、よくよく考えてみると父親を跳ばせていなかったんです。亡くなって四十九日が過ぎて、落ち着いたと思った頃にはすでにサラリーマンのジャンプ写真を撮っていました。最初からコンセプトを決めていたのではなくて、気づいたら撮影していた感じですね」

―自然にやりはじめていたんですか。

「そうですね。もう没頭していました。ただ、父親が亡くなったことがきっかけなんですが、撮影中は父親のことをそこまで意識しなかったです。なんか撮りたくて仕方なかった。
今回の『跳ばずにいられないっ!』は前作の『ソラリーマン 働くって何なんだ?!』からかなり制限を外していて、スーツ以外の服もOKですし、世代も幅広く載せています」

―撮影をし始めてから、サラリーマンの方々に対する見方は変わりましたか?

「これは180度変わったと言っていいですね。前作では写真とともにインタビューも掲載しているのですが、もともとは僕がソラリーマンを撮りはじめた頃から聞いていることで、働いて良かったこと、苦しかったこと、将来の夢などを聞くのですが、すごく面白いんですよ。
例えばこの東京の都心を少し歩くだけで、たくさんのサラリーマンを見ますよね。でも、基本的には誰ひとり、顔を覚えていないと思うんですよ。僕も今日もここにくるまでに100人以上はサラリーマンを見ているはずですが、どんな顔をしていたかはほとんど覚えていません。サラリーマンはどうしても群衆として認識されますよね。でも、いざ一人一人にお話をうかがってみるとすごく面白くて、しがない経理部で毎日パソコンと電卓を叩いているだけです、みたいなことを最初は言っていても、少しずつ深く掘っていくと、誇らしげに語り出すんですよね」

―仕事に対してプライドを持ってやっているということですよね。

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