誰もが「あれは自分の犬だ!」と愛する『フランケンウィニー』“スパーキー”の魅力

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ティム・バートン自身の愛犬との思い出をベースに、少年ヴィクターが科学の力で愛犬スパーキーを生き返らせてしまったことから起こる大騒動を描いた映画『フランケンウィニー』。いよいよ公開が12月15日に迫り、多くの映画ファン、バートン監督ファンが期待を寄せています。

本作のプロデューサーを務めるのは、アリソン・アベイトさん。『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』(93)のアーティスティック・コーディネーターを務めた後、『ティム・バートンのコープスブライド』(05)、『ファンタスティック Mr.FOX』といった、アカデミー賞長編アニメーション部門にノミネートされる作品を手がけています。

今回は、アリソン・アベイトさんに『フランケンウィニー』の制作についてから、日本で好きな“キャラクター”についてなど、色々お話を伺ってきました。

――今、1984年のティム・バートン監督の短編作品「フランケンウィニー」を長編映画化しようと思ったきっかけを教えてください。

アリソン・アベイト:実はこの企画自体が立ち上がったのが『ティム・バートンのコープスブライド』という作品を撮り終った後だったのですが、あの作品は言ってみればリハーサルの様なもので、無事完成させられた事で「パペットを使ったストップモーションアニメでもっとすごいことが出来るんじゃないか」と思ったんですね。

バートン監督の短編映画『フランケンウィニー』の長編映画を作りたいという事は常々考えていましたから、技術的な問題がクリアになった今制作する事が出来たんです。パペット達が繊細な、演技をしている様な動きが出来る所まで技術が来たと。

――“白黒3D”という古き良きアニメの暖かさと、最新の技術の融合も新鮮でした。

アリソン・アベイト:オリジナルから長編を作る時には、ストップ・モーションアニメで作る、白黒で作るということは絶対に決めていました。3Dは結果として制作することになったのですが、その2つの点に関してはバートン監督がとてもこだわっていた部分なんですね。

――だからこそ、オリジナルを活かしたストーリーになっているのですね。

アリソン・アベイト:主人公がスパーキーという犬なので、ストップ・モーションアニメが一番犬の愛らしさを描けるメディアだと思ったので。白黒はオリジナルへのオマージュはもちろん、バートン監督が好きな昔のホラー映画へのオマージュという意味もあります。

オリジナルの短編から話を広げるにあたって、短編では描ききれなかった他のキャラクターも取り込みたいし、後はスパーキーが死んでしまう前のシーンを長く作る事によって、ヴィクターとスパーキーの“ただならぬ絆”を描きたいと思っていたんですね。

――『フランケンウィニー』はもちろん、アリソンさんが手がけた過去の作品は、子供が楽しめるストーリーの愛らしさと、大人が色々な事を考えるきっかけとなるメッセージ性が同居している様に思います。

アリソン・アベイト:『アイアン・ジャイアント』や『ファンタスティック Mr.FOX』など過去の自分が手がけた作品には全て一貫したテーマがあって、私はそれを基準に仕事を選んでいるという部分もあるんですね。この映画もそうなのですが、“自己犠牲”というテーマが描かれているものが多いです。間違いも失敗もたくさんあって、完璧では無いキャラクターであっても、色々な人生経験を通して、最後に自分の価値を発揮し、非常に勇敢さを見せるというストーリーは、大人にとってはもちろん、子供達に特に重要なメッセージだと思います。

――スパーキーの仕草がとても活き活きとしていて、つぎはぎだらけのちょっと不気味な所もさらに魅力的だした。今後日本でも広く愛されるキャラクターになると思います。

アリソン・アベイト:私も犬を飼っているのですが、この映画を観ると皆がスパーキーの事を「自分の犬だ!」と言うんですね。誰でも共感出来る、ユニバーサルなタイプの犬だと思うし、これからずっと長い間愛されるキャラクターなのでは無いでしょうか。

――日本にも色々なキャラクターがいるのですが、アリソンさんが好きなキャラクターはありますか?

アリソン・アベイト:ハローキティがアメリカでブレイクしはじめたのが、私の子供の頃だったんですね。ですから「キティちゃんは私が見つけたのよ!」くらいに思っています(笑)。私は今回が初来日で、街をちょっと歩けば色々なキャラクターがあふれている事に「カワイイ、カワイイ!」と感動していて、しょっちゅう日本に来ているバートン監督に「これは○○というキャラクターだよ」と説明してもらったり、教育を受けました(笑)。

フランケンウィニー
http://www.disney.co.jp/movies/frankenweenie/

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藤本エリ

映画・アニメ・美容が好きなライターです。

ウェブサイト: https://twitter.com/ZOKU_F

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