【警察庁】最悪のタイミングな直前通知

【警察庁】最悪のタイミングな直前通知

今回はk.k.さんのブログ『地方公務員拾遺物語 別館』からご寄稿いただきました。

【警察庁】最悪のタイミングな直前通知

6月25日に、警察庁が行ったという通達が、現在、各自治体・特に教育委員会を中心とする部署に激震を与えています。

プール監視は警備業 警察庁通知「委託、認定業者に」
朝日新聞:2012年7月17日
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK201207170025.html

警察庁は、プールの監視業務を警備業法上の警備業とみなし、認定業者以外に委託できないとする見解をまとめ、警視庁や道府県警本部に文書で伝えた。発注者の自治体などへの周知を初めて求めており、安全対策の強化を促す狙いだ。

文書は6月25日付(中略)

遅すぎます。
6月25日なんて、すでに、大半の自治体で、プールの委託契約が完了しています。

しかも、かなりの末端市町村自治体には、いまだにこの文書は届いていないようです。

警察庁 → 都道府県警察本部 → 都道府県・市町村
・・・と、通知が来るはずですが・・・何やってんでしょうか。

実際、通知ではなく、新聞報道でこの事態を知った市町村も存在していますし、もしかしたら、まだ、気づいていない市町村も存在するかもしれません。

現在、警備業者以外と管理契約を結んだ一部の自治体などでは、契約の途中破棄を含む、契約事務と、警備資格を持つ事業者との再契約・場合によっては委託から直営へ移行するためのアルバイト緊急募集が進められているようで、大混乱の現場もあるようです。

「認定がない業者がプール監視を行った場合は、警備業法違反にあたる」などと明記。問い合わせがあれば、自治体のほか民間のプール運営会社にも同様の回答をするよう求めている。

そんな厳しい通達なら、もっと早く出してください。
別の報道では、去年の夏の大阪府泉南市でのプール事故を受けての通達ともありますが、そういう事情なら、1年もかけてというのは遅すぎます。

また、前述のとおり、プールシーズン開幕前のこの時期というのは、タイミングとして、最悪です。

もちろん、契約破棄による損害賠償や、受託可能事業者の確保にかかる、事務経費など、警察庁が肩代わりしてくれるはずもありません。

正直に言って、迷惑極まりない通達です。

また、この通達は、警察にとっても、あらぬ疑惑を招くものです。

警備会社を営むには、一定数の「警備員指導教育責任者」が、必要です。
これは、都道府県の公安委員会が行う警備員指導教育責任者講習を受講し、試験に合格した者がなれるのですが、基本、警察のOBは試験なしで、この資格を得られます。

このことから、警察と警備業界には、密接な人脈があり、警備業界は警察の天下り業界であると批判もされるわけですが、その資格と業務の関連性は非常に高く、密接かつ合理的なものです。
ですので、それを悪用しない限りは、非難されるべきものではありません。

しかし、こんな最悪の時期に、こんな通知を送り付けて、自治体を混乱に陥れるようなことをしていると、警察と警備業界の密接な関連性を捉えて、悪意的な評価・認識をする者が、それなりの数、いないとも限りません。
実際、残念なことに、この通知を知って、そう評価した自治体職員にも出会いました。

そして、私も警察を擁護することができませんでした。

ええ。
この件では、思いっきり被害を受けてしまいましたので、なんか、警察を擁護するのが、馬鹿らしくなったので。

まぁ、何にせよ、プールを楽しみにしている一般市民に、迷惑が及ばないようにすることが、末端の自治体職員の使命です。
そのあたり、第一に考えて、今を乗り切るしかないわけですが。

執筆: この記事はk.k.さんのブログ『地方公務員拾遺物語 別館』からご寄稿いただきました。

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