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つながりのジャーナリズム 寺島英弥さんとの対話 第3回「地方紙の記者は新聞盆地の住人だった」

つながりのジャーナリズム第3回

この記事は藤代裕之さんのブログ『ガ島通信』からご寄稿いただきました。

つながりのジャーナリズム 寺島英弥さんとの対話 第3回「地方紙の記者は新聞盆地の住人だった」

河北新報の編集委員寺島英弥さんは、被災地を丁重に取材する中で引き裂かれていく当事者を目撃し、厳しい状況の沿岸部から仙台に戻ることができる立場に罪悪感を感じたことをブログにつづります(三陸の被災地へ ・2日目/綾里*1)。

*1:「余震の中で新聞を作る7~三陸の被災地へ ・2日目/綾里」2011年3月28日『Cafe Vita』
http://flat.kahoku.co.jp/u/blog-seibun/rtguJKYUWxX1NOV87PQM/

東日本大震災の被害者として「お互い様」な立場のはずの被災者と記者、被災者同士が同じではないという現実。アメリカで学んだシビックジャーナリズムであれば、多様な声をとにかく集めるフォーラムをつくる、となるところがとても言い出せない。報じる立場としてのジレンマをどう消化するのか。

つながりのジャーナリズム 寺島英弥さんとの対話 第3回「地方紙の記者は新聞盆地の住人だった」

第1回「暗闇の中でブログがつながった」*2
第2回「新聞原稿でもルポでもない文章と引き裂かれる当事者」*3

*2:「つながりのジャーナリズム 寺島英弥さんとの対話 第1回「暗闇の中でブログがつながった」」2012年5月12日『ガ島通信』
http://d.hatena.ne.jp/gatonews/20120512/1336846906
*3:「つながりのジャーナリズム 寺島英弥さんとの対話 第2回「新聞原稿でもルポでもない文章と引き裂かれる当事者」」2012年5月13日『ガ島通信』
http://d.hatena.ne.jp/gatonews/20120513/1336920611

寺島:いろんな現場が多すぎて突き詰めることができなかった。現場に行かなくてはならないっていう生活。それもまた引き裂かれた自分ですよね。その中を往復しなければならないっていう。
藤代:そうですね。

■できることは外の世界とつなぐこと

寺島:これは自分の中でも解決できない。だからこそ自分のできること他の世界とつなぐ… 例えばジャズ喫茶の店主の話(ジャズ喫茶、みたびの夢/その1*4)もそうでした。被災地と外の世界というのが繋がったことで5千枚というレコードが大船渡にある。

*4:「余震の中で新聞を作る60~ジャズ喫茶、みたびの夢/その1」2012年3月20日『Cafe Vita』
http://flat.kahoku.co.jp/u/blog-seibun/QtdoYOXGWFcEfuiK5VTj

藤代:そんなことになってるんですか。
寺島:3月11日に
藤代:再開したんですか。
寺島:ええ。だから、外の世界に繋ぐのはできる。「ふんばる」(河北新報の連載)という記事自体が東北への応援ということでやってきた。それをさらに首都圏まで繋いでということをブログの役割に自分なりにしたんですよね。例えば、福島県の新地町っていう宮城県境にある街にりんご農家があって(リンゴ畑に吹く風*5)。

*5:「余震の中で新聞を作る45~リンゴ畑に吹く風」2011年11月7日『Cafe Vita』
http://flat.kahoku.co.jp/u/blog-seibun/4MQ5IugRrGSemLiUv7hw/

藤代:ああ、はい。風評被害で注文が来なくなったりんご農家のお話ですね。
寺島:筑波の研究機関に毎月のようにりんごを検査で送って、やっと合格が出て、ブログやツイッターも始めて。「福島の農家は人殺し」という言葉もあるような中で勇気をもってネットに入っていって。それでもやっぱり注文が来なくて、というのをふんばるの中でもブログでも書きました。
藤代:読みました。
寺島:ブログがですねツイッターで繋がって、江川紹子さんがりんごを買ってくれたというようなことがあったり。なんていうんですかね。外と繋ぐ。外の世界と被災地のただ中との間にいる人間にできることっていうのはそれがあるのかも知れないというのがだんだんと思いましたね。
藤代:これって地方紙の今までの役割的にいうと、かなり逸脱があるんじゃないかと思うんですよね。地域の外と繋がっていくというのは、今まで全国紙がやってきたわけですよね。
寺島:でしょうね。その通りだと思います。
藤代:ですよね。でも、インターネットとソーシャルメディアの登場で地方の記者もついに全国の人とつながる事ができるようになったってことを僕はずっと言い続けてきたけれども、寺島さんがついにそれをやってくれたんだなって、すごく嬉しく思っていたんですよね。
寺島:藤代さんにそういって頂くと俺も目が覚めるような気持ちでですね、
藤代:でも実は難しいじゃないですか。寺島さん以外の人が、じゃあこれ外の世界と繋がるっていうと、実はどっぷりこう記者自身も
寺島:会社の中に?
藤代:会社の中もあるし、その東北っていう枠組みとか、宮城っていう枠組みであったり、の中にいてしまう。新聞記者って以外と交遊関係少ないじゃないですか。どうやったら、外とこういう、繋がれる活動ができるようになるんですかね。
寺島:あの、盆地の中の住人ですよね。ひとつのね。

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