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金環日食めぐる日米対決に注目! 国立天文台とNASAで「限界線」の予想で食い違い

日本科学未来館のサイエンスミニトークショーの様子

 太陽がドーナツ状になる「金環日食」が、日本でも観察できる日がやってくる。2012年5月21日の月曜日の早朝、天気が良ければ日本列島の広い範囲で観察される見込みだ。東京都江東区の日本科学未来館で日食ミニトークショーの司会を務めている三ツ橋知沙・科学コミュニケーターに、詳しい見どころを伺ってきた。2009年7月の皆既日食は天候不順でご覧になれなかった人も多いと思うが、今回こそ雪辱を晴らせるかも。数十年に一度のビッグチャンスを見逃すな!

・[ニコニコ生放送]関東から『金環日食』中継 – 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv92372778?po=newsgetnews&ref=news
・[ニコニコ生放送]関西から『金環日食』関西から中継 – 会員登録が必要
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■8000万人が観測できる歴史的な天文ショー

 日食とは、月が太陽と重なることで、太陽を隠してしまう現象のことだ。地球と月の距離は時期によって異なるため、地球から見た月の大きさも変動している。月が大きくて、太陽をすっぽりと隠せば「皆既日食」。月が小さくて、太陽の縁がドーナツ状に残るときは「金環日食」だ。月と太陽がズレて重なるときは、太陽の一部分が欠ける「部分日食」となる。

 日食自体は年に数回地球のどこかで見ることができるが、国内で金環日食が観測できるのは25年ぶりだ。たとえば東京では、江戸時代の1839年以来で実に173年ぶり。今回を逃すと300年間待たないといけないと言えば、いかにレアなイベントかお分かり頂けるだろうか。

 その上、今回は東京・名古屋・大阪・高知・鹿児島など日本列島を横断する広い範囲で観測できるのが特徴。金環日食が観測できる地域の人口は、日本人の約3分の2に当たる8000万人にもなる試算が出ている。

 金環日食の時間帯は都市によって違うが、およそ7時半前後の3~5分間。たとえば東京であれば、6時19分に太陽が欠け始め、7時31分59秒に金環日食の始め、7時37分00秒に金環日食の終わり、太陽がドーナツ状に見える金環日食タイムはおよそ5分と予測されている。日本科学未来館の三ツ橋さんは

「午前7時半と早い時間なので、通勤・通学前に是非観測してもらえれば」

と興奮ぎみに話している。

■金環日食が見られる「限界線」が議論の的に

 でも北海道や福岡県など、金環日食を見ることができない地域の人たちは今回のイベント楽しむことはできないのだろうか。そんな疑問を三ツ橋さんにぶつけてみると……。

「いえ、帯にかかっていない地域の人たちでも、(太陽の一部が欠ける)部分日食を楽しむことができます。さらにいえば兵庫県や群馬県などに住んでいる方はラッキーです。ここは、金環日食が見えるかどうかの議論になっている地域なんです!」

と教えてくれた。金環日食には、ちょうど太陽がドーナツ状に見えるか見えないかの境界地域があり、専門用語では「金環日食限界線」と呼ぶのだという。この限界線がどこを通るのかが議論の的になっているのだ。

「これまでの月の計測データを元に『この地域までが金環日食として見える』と予測しているわけですが、実はこのデータが、国立天文台とNASAが使用しているもので違うんです」

 国立天文台ではJAXAが2007年に打ち上げた月探査機「かぐや」による最新の月の地形データを反映させたが、NASAは従来のデータを使用しているとのこと。これにより国立天文台の予想は、NASAに比べて北側の「限界線」が4キロ南東にずれ、例えば兵庫県のJR西明石駅周辺ではNASAの予測だと金環日食として見えるが、国立天文台の予測だとドーナツ状ではない部分日食となるという。ここは、小惑星探査機「はやぶさ」の偉業も記憶に新しいJAXAのデータを利用した国立天文台の予測が勝っていることを期待したいところだ。

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