映画レビュー:ひとつの憎しみが何を生み出し何を破壊するのか? 実在の暴動事件を描く『デトロイト』
アメリカだけの問題ではない。今観るべき映画。
けして爽快な話ではありません。しかしビグロー監督はそんな題材を、緊迫感あふれる超一流のサスペンス映画として作りあげました。監督が得意とするリアルなアクションシーンも満載で、文句無しに見ごたえのある作品です。誠実な警備員を演じたジョン・ボイエガ(『スター・ウォーズ 最後のジェダイ』)、差別主義者の警官クラウス役のウィル・ポールター(『レヴェナント:蘇りし者』)、祖国のために尽くした帰還兵のアンソニー・マッキー(『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』)など、俳優陣の鬼気迫る演技も見逃せません。
ひとつの憎しみが何を生み出し、何を破壊するのか。これはアメリカだけの問題ではないのではないでしょうか。監督のファンだから、デトロイトという街に興味があるから、出演者が好きだから……どんな理由でもいいのでぜひ観て下さい。観終わったあとはきっと誰かと語り合いたくなるでしょう。もう一度言います。まさに今、必見です。
【書いた人】♪akira
翻訳ミステリー・映画ライター。ウェブマガジン「柳下毅一郎の皆殺し映画通信」、翻訳ミステリー大賞シンジケートHP、月刊誌「本の雑誌」、「映画秘宝」等で執筆しています。
映画『デトロイト』公開中
http://www.longride.jp/detroit/
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