体験を伝える―『ガジェット通信』の考え方

面白いものを探しにいこう 本物を体験し体感しよう 会いたい人に会いに行こう 見たことのないものを見に行こう そしてそれをやわらかくみんなに伝えよう [→ガジェ通についてもっと詳しく] [→ガジェット通信フロアについて]

JDSoundがまたやった!「パフォーマンスが突き抜けている」フルデジタルなポータブルスピーカー『OVO』の威力

img_8938-1

いい音聴いてますか? 今回はガジェット通信らしく、フルデジタル・ポータブルスピーカー『OVO』(オヴォ)を紹介したいと思います。『OVO』は主にパソコンやスマートフォン、タブレットでの視聴用として開発された小型スピーカーなのですが、とにかく“全ての音域が格段に聴きやすい”のが特徴です。

見た目は横幅24㎝、約6㎝の幅を持ったごく普通のコンパクトなスピーカー。しかし実際に聴いてみると結構な音圧! それでいて高音、低音、そして人の声などの中音域のそれぞれにおいて「どんな音が鳴っているのか」をストレスなく把握できる解像感がとにかく格別です。

例えるなら、よく合うメガネやコンタクトを付けたときのような気持ちよさアナログ放送から地デジに代わった時の快感に匹敵します。カセットテープ世代であればノーマルテープとメタルテープほどの違い、という言い方でもわかっていただけるのでは。PCスピーカーと『OVO』ではその位の違いが感じられました。

ovo

映画であれば効果音やBGMのエッジを際立たせつつも、セリフが全く奥に引っ込まないですし、音楽であればボーカルも含めたそれぞれの楽器が、どの位置で何を奏でているかがとにかくクリアです。これは普通のスピーカーよりもステレオの分離性能が高いことも手伝っているようです。

これまでPCで観ていたYouTube配信やNetFlixなどの映像コンテンツ、しまい込んでいたmp3音源が一皮むけて生き返ると言っても過言ではありません。PC向けに作られたメジャーな高級オーディオメーカーのスピーカーなども明瞭に聞こえるものはありますが、『OVO』のバランスの良さは特筆に値します。

ここまでの音質を実現した『OVO』は一体、どの点が優れているのでしょうか。『OVO』を開発した『JDSound』の代表取締役、宮﨑晃一郎さんにお話を伺いました。

かつてクラウドファンディングで1位の資金を調達した『GODJ Plus』

ポータブルスピーカー『OVO』を開発したJDSoundは宮城県仙台発の音響メーカー。東日本大震災を契機に2012年に創業した従業員8名(うち7名がエンジニア)という小規模な会社です。

JDSoundを一躍有名にしたのが『GODJ』シリーズでした。世界最小にして世界初のバッテリー駆動による完全自律型のDJシステム『GODJ』は全世界で2万台を売り上げ、続くA4サイズDJシステムである『GODJ Plus』は、クラウドファンディング『makuake』で目標金額である2,000万円を大きく上回る5,300万円を調達し、歴代1位を記録しました。

makuake_godj_plus

ほかにも『JDSound』が受諾で製造しているギター用デジタルエフェクターは、L’Arc~en~CielやX Japan、スピッツ、Tube、B’zといった名だたるアーティストが使用しているほど。

JDSoundはまさしく半導体のプロであり回路技術のエリート集団というわけなのです。

そんなJDSoundが手掛ける今回の『OVO』は、『GODJ Plus』で好評だったスピーカー部分を独立させたプロダクトなのです。

「挿せば全て終わり」音質のロスを極限まで減らした

『OVO』には電源ボタンはありません。ついているのはUSBのコネクタのみ。ACアダプタも充電の必要もありません。電源供給も信号の伝達もUSBケーブル1本のみです。Windows10やiOSであれば、挿すだけでそのまま動きます(USB-DACに対応していればOK)。

img_8932-3_

宮﨑さんによれば、『OVO』はデジタル回路からアナログへの変換を行っていないのがポイントの一つとのこと。

通常、PCからスピーカーに音を出す場合「デジタル信号→アナログ信号→増幅→スピーカー出力」という流れを経ます。『OVO』では「デジタル信号→増幅→スピーカー出力」とアナログ変換が行われず、内部的にはフルデジタルロジックを実現しています。

フルデジタル化のために採用されたのがトライジェンス社の『Dnote』というチップ。このチップ自体はチューニングのための技術力が必要で、価格も通常の部品より割高という特徴があるため、導入のハードルが高いパーツなのです。『Dnote』はこれまでヘッドフォンやカーステレオで使われてきましたが、ポータブルスピーカーで使われるのは『OVO』が初。導入難度をクリアしたことにより、『OVO』には多くのメリットが生まれました。

img_8927-1_

まず、フルデジタルにすることで電力効率が通常の3倍まで高まります。つまり電力自体は通常の1/3で済むため、USBのバスパワー5V500mAだけでも十分な音量を稼ぐことが出来るというわけなのです。

事実『OVO』の開発機につないだPCのボリュームは15~30%程度で十分でした。試しに100%出力を行うと、ウーファーの振動で筐体が跳ねるほどです(もちろん、筐体を固定する仕組みも用意されています)。ただ大きい音を出すだけならどんなスピーカーもできますが、『OVO』はそれだけの音量でも音割れは起きず、クリアな音質のままでした。

また、接続にはBluetoothを採用していません。USBの有線接続のみと割り切ることにより、圧縮によるリサンプリングも、500m秒の遅延も生じません。96Hz24bitまで“ネイティブなハイレゾ対応”をしています。

img_8929-2
1 2次のページ
オサダコウジの記事一覧をみる

記者:

「予備校生のような出で立ち」で写真撮影、被写体(スチル・動画)、記者などできる限りなんでも、体張る系。 「防水グッズを持って水をかけられるのが好き」などの特殊な性質がある。 好きなもの: 食べ物の写真、昔ゲーム(の音)、手作りアニメ、昭和、穀物

TwitterID: wosa

  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。