体験を伝える―『ガジェット通信』の考え方

面白いものを探しにいこう 本物を体験し体感しよう 会いたい人に会いに行こう 見たことのないものを見に行こう そしてそれをやわらかくみんなに伝えよう [→ガジェ通についてもっと詳しく] [→ガジェット通信フロアについて]

狙うのは時代の「半歩先」、1歩先では遠すぎるんです。ーー訪日客に人気「お寺ステイ」の仕掛け人に聞く

1~9月の累計として初めて2,000万人を超えるなど、日本を訪れる外国人の数はいま、過去最高のペースを更新し続けています。滞在地のリアルを体験したい観光客から人気の「民泊」は、空いた設備を有効活用する「シェアリングエコノミー」の一種として世界的に拡大中。さらに国内では、深刻な過疎化に対応する地方創生の仕掛けとしても民泊が注目され始めています。そんなタイミングを見計らったように、日本文化を象徴する寺院に泊まれる「お寺ステイ」のプロジェクトを全国展開するのが、昨年6月設立のベンチャー企業「株式会社シェアウィング」(東京都港区)です。取り組みの狙いを、代表取締役の雲林院奈央子さんに聞きました。f:id:k_kushida:20171110195843j:plain

【プロフィール】

雲林院 奈央子(うんりいん・なおこ)

1980年岩手県生まれ。幼少期をサウジアラビアで過ごす。上智大学文学部卒業後ワコールに入社し、下着の企画・開発・新規事業を担当。2006年に友人と設立した商品企画の会社ではブランディングや女性消費者のコミュニティづくりに携わり、下着やボディケアの専門家としてメディア出演なども行う。16年6月、寺社による滞在の受け入れや文化体験の企画を支援する「株式会社シェアウィング」を設立して代表取締役に。大学時代からの友人である佐藤真衣代表取締役とともに「シェア社長」として経営に携わっている。2歳・4歳の息子を育てる母親。

友人と意気投合した1ヶ月後に会社設立

-まず「お寺ステイ」のプロジェクトを始めた経緯から教えてください。

私はこれまで、女性向けの消費財を中心にマーケティングの仕事をしてきたのですが、ここ2、3年で「今あるものを生かす」というシェアリングの分野にも興味を持ち、何か事業をしたいと思っていました。

「お寺ステイ」を展開するこの会社は、私と、やはり起業経験がある大学時代からの友人(佐藤真衣代表取締シェア社長)とで社長業も「シェア」しています。始まりは昨年のゴールデンウィーク、彼女がFacebookに書き込んだ投稿がきっかけでした。

「友人の実家である広いお寺に親子で泊まり、とてもいい体験になった」という彼女の書き込みを見た私は「お寺での民泊を広めればビジネスが成り立つのでは」とひらめき、すぐに「会おうよ」と連絡。2人の間で話はすぐまとまり、翌月には会社を設立していました。

-すごく早い展開ですね。もともと伝統文化に興味があったのですか。

そうですね。古文の授業に出てくる「方違え」のように、日本には方角の吉凶を占って出かける風習がありますが、私も20歳くらいから、縁起のよい方角を確かめながらさまざまな土地の味覚や温泉などを楽しむ「吉方位旅行」をよくしていたんです。

全国各地を訪れた中で、文化を伝えるかけがえのない存在であるはずのお寺が、檀家の減少や住職のなり手不足によって寂れている様子をたくさん目にしてきました。数百年にわたって火災や地震、津波などを免れてきた建築が残り、今でいう学校や病院として、地域の中心的役割を果たしていた歴史を持つところも多い。そうした場所に、再び人が集まるきっかけを作りたいと考えました。

そこで会社を設立後、まず首都圏のお寺で講話を聞いたり、伝統文化を体験したりといった催しを企画し始めて、これが現在、事業のひとつの柱になっています。さらにもうひとつの柱が宿泊関連で、具体的にはお寺の宿泊施設のプロデュースや運営支援、宿泊客とのマッチング、受け入れるお寺の新規開拓などに取り組んでいます。

私たちが宿泊施設の運営を支援する最初のプロジェクトとなったのが、この9月にオープンした岐阜県高山市の「TEMPLE HOTEL 高山善光寺」です。ご本尊の阿弥陀如来像が安置された本堂はそのまま、参拝客を泊める伝統があったお寺の和室を快適な設備にリニューアルしました。世界的に人気の観光地・高山ということもあって、利用者の95%を占める外国人で連日にぎわっています。

1 2次のページ
リクナビNEXTジャーナルの記事一覧をみる
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。
GetNews girl / GetNews boy

オスカー2018年晴れ着撮影会