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自分の価値を高めたいのなら“美人薄命”を見抜かなければいけないーーマンガ『エンゼルバンク』に学ぶビジネス

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自分の価値を高めたいのなら“美人薄命”を見抜かなければいけないーーマンガ『エンゼルバンク』に学ぶビジネス

『プロフェッショナルサラリーマン(プレジデント社、小学館文庫)』『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」(日本経済新聞出版社)』等のベストセラー著者である俣野成敏さんに、ビジネスの視点で名作マンガを解説いただく>コーナー。今回は、三田紀房先生の『エンゼルバンク ドラゴン桜外伝』の第8回目です。

『エンゼルバンク』から学ぶ!【本日の一言】

こんにちは。俣野成敏です。

名作マンガは、ビジネス書に勝るとも劣らない、多くの示唆に富んでいます。ストーリーの面白さもさることながら、何気ないセリフの中にも、人生やビジネスについて深く考えさせられるものが少なくありません。そうした名作マンガの中から、私が特にオススメしたい一言をピックアップして解説することによって、その深い意味を味わっていただけたら幸いです。

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©三田紀房/コルク

【本日の一言】

「“美人薄命”。それが転職先の企業を選択するときの法則」(『エンゼルバンク ドラゴン桜外伝』第2巻 キャリア10より)

龍山高校の英語教師だった井野真々子(いのままこ)は、10年目にして仕事に飽きてしまい、転職を決意します。井野は、かつて一緒に働いていた弁護士の桜木建二(さくらぎけんじ)に相談。桜木は以前、経営破綻の危機にあった龍山高校で教鞭を取っていた時期があり、東大合格者を排出することによって当校を救った救世主でした。

井野から話を聞いた桜木は、転職エージェント会社の転職代理人・海老沢康生(えびさわやすお)を紹介。井野は海老沢の下でキャリアパートナーとして働くことになりますが・・・。

「人気企業ランキング」に入る会社が良い会社なのか?

井野は、転職希望者・山口のために、有名企業ばかりを選んでエントリーしますが、ことごとく不合格になってしまいます。そこへ海老沢が現れ、「井野のつくったリストは、“美人薄命”の法則に則っていない」と言い出します。

山口から「担当替えも考える」と言われてしまう井野。美人薄命の意味がわからない井野は、営業担当の田口にその意味を尋ねます。それは「就職先人気ランキングトップ20の会社を、転職希望者に紹介する時は注意しろ」というものでした。

実は以前、海老沢はこれに関するレポートを社内で発表していました。そのレポートによると、人気上位企業の中で、10年後もトップ20に残っている確率はわずか28%。残れなかった72%の企業はたいてい業績が低迷し、凋落していると結論づけられていたのです。

「世間で知られている企業」はほんの一握りしかない

この話は、「過去の人気企業ランキングは当てにならない」ということを物語っています。もともと、このランキングの投票者は学生ですが、彼らが知っている企業といえば、ほとんどがBtoCのビジネスを行っているところだけです。BtoCとは、Business(法人)to Customer(消費者)の略。つまり個人消費者向けのサービスを提供している企業、という意味になります。

中小企業庁のホームページによると、2014年7月時点での日本の企業数は、小規模事業者を含めて382.0万者とあり、そのうちの99.7%は中小企業と小規模事業者が占めています。これだけたくさんある企業が行なっている事業のほとんどはBtoB(Business to Business:法人対法人)です。

※編集部参考資料:中小企業・小規模事業者の数

http://www.chusho.meti.go.jp/koukai/chousa/chu_kigyocnt/2016/160129chukigyocnt.html

BtoBを事業にしている企業の多くは、下請けやOEM供給、委託業などを生業としています。そうした企業の中には、たとえ一般には知られていなくても、業界人の間では「知る人ぞ知る」存在であるところがたくさんあります。

私たちは、日本にある382万者もある企業の多くを知りません。普通に生活しているだけでは、BtoBの企業を知る機会というのは、ほぼないのが実情です。

どんな会社にもメリットとデメリットがある

人気企業は、自社の認知度を上げるために多額の広告費をかけています。その影響もあって、知名度の高い企業には就職希望者が殺到します。それに対して、隠れた名企業が人気ランキングに名前が連なることはまずありません。しかし逆を言うと、そういう企業のほうが「労働市場における競争相手は少ない」ということが言えます。

確かに、有名企業のほうが条件などはいいのかもしれません。しかし、大事なのは「自分は何に価値を置いて働いているのか?」ということです。たとえば自分の希望が「大企業で働く安心感」なのか、それとも「仕事でチャンスを得ること」なのかで、選ぶ会社も変わってきます。すべてが自分の希望通りになる会社などありません。どのような企業にも、必ずメリットとデメリットが存在しています。

たとえば、有名企業で働けば「環境がいい」とか「住宅ローンが通りやすい」などのメリットが考えられます。けれど優秀な人も多いため、「なかなか管理職になれない」「チャンスが回ってこない」などのデメリットがあるでしょう。一方、ベンチャー企業に就職した場合は「自分のアイデアが採用されやすい」「いろいろな経験ができる」といったメリットに対して、「会社自体が安定していない」「人手が足りず忙しい」などのデメリットが考えられます。

世の中に完璧な企業などない以上、「あっちの会社のほうがよさそうだから」という理由で転職を考えてもあまり意味はありません。それよりは、自分の会社をもっとよく知ることです。外からの情報は取り入れつつも、今ある環境の中で、いかに「現状を自分の希望に近づけていくか?」ということが大切なのです。

この話を通じて作者からの問いかけとは

今回の話の中で、『エンゼルバンク』の作者・三田先生からの問いかけとは「他人から刷り込まれたランキングを、自分の希望よりも優先させていいのか?」ということなのではないでしょうか。

『エンゼルバンク』の特徴として、自分を見つめ直すような問いがとても多いことが挙げられます。よかったら、あなたもぜひこの名作をご自分なりに味わってみていただければと思います。

俣野成敏(またの・なるとし)

大学卒業後、シチズン時計(株)入社。リストラと同時に公募された社内ベンチャー制度で一念発起。31歳でアウトレット流通を社内起業。年商14億円企業に育てる。33歳でグループ約130社の現役最年少の役員に抜擢され、さらに40歳で本社召還、史上最年少の上級顧問に就任。『プロフェッショナルサラリーマン』(プレジデント社)と『一流の人はなぜそこまで、◯◯にこだわるのか?』(クロスメディア・パブリッシング)のシリーズが共に12万部を超えるベストセラーに。近著では『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』が12刷となっている。著作累計は35万部超。2012年に独立後は、ビジネスオーナーや投資家としての活動の傍ら、私塾『プロ研』を創設。マネースクール等を主宰する。メディア掲載実績多数。『ZUU online』『MONEY VOICE』『リクナビNEXTジャーナル』等のオンラインメディアにも寄稿している。『まぐまぐ大賞2016』で1位(MONEY VOICE賞)を受賞。一般社団法人日本IFP協会金融教育顧問。

俣野成敏 公式サイト

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