第30回東京国際映画祭のラインアップが発表 コンペ部門に2本の日本映画が出品 原恵一監督の特集上映も

access_time create
dsc_0228

10月25日(水)から11月3日(金・祝)にかけて開催される第30回東京国際映画祭に先駆け、都内の会場にてラインアップ発表会が行われた。

コンペティション部門『最低。』より瀬々敬久監督、森口彩乃、佐々木心音、山田愛奈、同部門『勝手にふるえてろ』より大九明子監督、さらにアニメーション特集『映画監督 原恵一の世界』より原恵一監督が登壇し、映画祭にかける思いを語った。

dsc_0159

88の国と地域から1538本もの応募があった今年のコンペティション部門。紗倉まなによる文芸小説を『64-ロクヨン-』などの瀬々監督が映画化した『最低。』は、アダルトビデオ業界を背景に、どうにもならない現実と、それでも自分らしく生きようとする女性たちの姿を描く。

「業界の裏話ではなく、個人を取り巻く日常や人間関係が緻密に描かれた小説」と原作の印象を語った瀬々監督。「アダルトビデオというものが日本の社会でどんな位置付けなのか、日常の断面として世界の人たちにも感じてもらえれば」と心境を明かすと、森口は「覚悟がいる作品でした。撮影に入る前くらいに、“なんで引き受けちゃったんだろう”と思いました」と口にして会場から笑いを誘っていた。

dsc_0068

綿矢りさの同名小説を映画化した『勝手にふるえてろ』は、映画初主演となる松岡茉優が、2つの恋の間で揺れる主人公を演じたラブコメディ。

発表会に参加できなかった松岡からはビデオメッセージが届き、「全国のこじらせ女子や、ちょっと背中を押して欲しい女の子たちに届けばいいなと思いながら撮影しました。ぜひたくさんの女の子たちの背中をツンツンと押してあげられるような作品になっていることを願います」とコメントを寄せた。

大九監督は、「撮影前に(松岡と)2人で話す時間を作り、私が20代の時に置いてきた自分の像をお話しました。非常に集中力が高く、独特な性格の主人公ヨシカをリアルに演じてくれました」と、松岡との撮影を振り返った。

dsc_0101

アニメーション特集『映画監督 原恵一の世界』では、『クレヨンしんちゃん』シリーズ、『百日紅 ~Miss HOKUSAI~』などのアニメーション作品に加え、実写映画『はじまりのみち』など、アニメの枠に囚われない幅広い映像作家として活躍する原恵一監督の特集上映を実施。

「『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ! オトナ帝国の逆襲』は自分にとっても凄く大きいターニングポイントになった作品です」という原監督は、「それを含めて、海外のお客さんやメディアの人たちに自分の作品を見てもらえる機会として、どういう感想をもつのか、非常に楽しみです」と、映画祭への期待を語った。

今年のオープニング作品は、荒川弘の人気漫画を実写映画化した『鋼の錬金術師』。クロージング作品は、地球温暖化問題に警鐘を鳴らすドキュメンタリー映画『不都合な真実2:放置された地球』。映画祭初日のオープニングイベントでは、各作品の監督・出演者らがレッドカーペットに登場する予定だ。

特別招待作品は以下の通り。

『エンドレス・ポエトリー』/アレハンドロ・ホドロフスキー監督
『オトトキ』/松永大司監督
『牙狼<GARO>神ノ牙-KAMINOKIBA-』/雨宮慶太監督
『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』/トラヴィス・ナイト監督
『The Shape of Water(原題)』/ギレルモ・デル・トロ監督
『写真甲子園 0.5秒の夏』/菅原浩志監督
『Three Billboards Outside Ebbing, Missouri(原題)』/マーティン・マクドナー監督
『泥棒役者』/西田征史監督監督
『パンとバスと2度目のハツコイ』/今泉力哉
『巫女っちゃけん。』/グ・スーヨン監督
『Mr Long/ミスター・ロン』/SABU監督
『ミッドナイト・バス』/竹下昌男監督
『MUTAFUKAZ』/ギヨーム・ルナール監督
『Ryuichi Sakamoto::CODA』/スティーブン・ノムラ・シブル監督
『ローガン・ラッキー』/スティーヴン・ソダーバーグ監督

第30回東京国際映画祭公式サイト:
http://2017.tiff-jp.net/

  1. HOME
  2. 映画
  3. 第30回東京国際映画祭のラインアップが発表 コンペ部門に2本の日本映画が出品 原恵一監督の特集上映も
access_time create
よしだたつき

よしだたつき

PR会社出身のゆとり第一世代。 目標は「象を一撃で倒す文章の書き方」を習得することです。

TwitterID: stamina_taro

  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。