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【日曜版】そこには、あなたの記憶が眠っている。東京の「痕跡」【書評】

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散歩をしよう。今日発売のCDを買うためにTSUTAYAに急ぐのではなく、お総菜半額セールに間に合うように近所のスーパーへ猛ダッシュするわけでもなく、いつもとちょっとだけ違う視線を持って、挙動不審な危ない奴に見られない程度にキョロキョロしながらいつもの道を歩いてみよう。

発見は刺激です。知ることは無限で得られるものは宝です。今までの日常とほんの少し異なる角度で世界を見るだけで、いつもの街はテーマパークに変貌します。それは街だけに留まらず、映画も音楽も食事も電車も服も、生活やあなたの回りにある森羅万象全てが対象になります。当たり前だと思っていたことに”好奇心”という名のアクションを加えれば、発見というビヘイビアが生まれるわけです。

本書は、東京に残る様々な痕跡や遺構を巡り、当時のトピックや、それが遺構へと移り変わっていった経緯などを判りやすく完結に説明してくれています。これまでの遺跡痕跡系本はどうしても探検や潜入といった雰囲気が漂い、そのおどろおどろしい写真も含めて一般の人の興味に入ることはなかなか難しいモノがあったと思いますが、『東京の「痕跡」』の”一般の人にも興味を持ってもらえるように”とのコンセプトは成功しており、本片手に東京を回りたくなる魅力が詰まっています。ライトであるが故ハードルは低く、それまであまり興味を持つことが無かった痕跡・遺構の魅力へとあなたを誘ってくれるでしょう。

痕跡には歴史が詰まっています。貝塚のような太古ではなく、ほんの数十年前その何か。もしかしたらあなたが小学生だった頃はまだ現役だったその何かしらが、今は朽ち果て静かに眠っているいるのです。

それを見つけた時、あなたは何を思うのでしょう。あの頃の思い出かもしれません。もう二度と取り戻すことが出来ない時間への後悔かもしれません。今の自分自身を、歴史という鏡で見つめ直すきっかけになるかもしれません。日常ではなかなか思い返すことが出来ない多くのことを知るきっかけになる、そんなトリガーにこの本はなってくれます。

本を読んで外に出よう。
そこには、あなたの思い出が街と共に眠っています。

■ビジュアル図解 東京の「痕跡」
同文館出版 全219ページ
ISBN-10: 4495581112
ISBN-13: 978-4495581114
2008年9月30日
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