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「やりたいことに気付けたら、“3年待たず”に石から下りろ」という言葉に背中を押されたーー28歳女性社長、「社会課題」を“花”で解く

セレクトショップが点在する東京・原宿の閑静なエリアに5月8日、1軒の花屋がオープンして大きなニュースとなりました。併設するカフェのメニューに花を採り入れるなどしたユニークな店舗ですが、最も注目されたのは、スタッフとして多くの障害者を雇用している点。これが3店舗目となった花屋の運営会社「株式会社LORANS.(ローランズ)」を率いるのは、創業5年目にして28歳という若さの福寿満希社長です。原宿出店までのいきさつや、起業家としてのビジョンを福寿社長に聞きました。f:id:k_kushida:20170612122333j:plain

福寿 満希(ふくじゅ みづき)

1989年石川県生まれ。大学卒業後、プロスポーツ選手のマネジメント企業での勤務を経て、2013年に株式会社LORANS.を設立し、花のビジネスを開始。ホテルロビーの装飾やイベント向けのフラワーデザインなどを担当してきたほか、「生花店のスタッフに迎える」という新たなアプローチで障害者雇用の拡大に取り組んでいる。

学生時代の経験で起業後のビジョンが見えた

―まず、新店舗と会社の概要を教えてください。

この原宿店(東京都渋谷区)は、昨年オープンした神奈川県の「チッタデッラ川崎店」と「駒込店」(東京都豊島区)に続く生花店で、花束やフラワーアレンジメント、観葉植物、開店祝いの胡蝶蘭などを扱っています。立地環境からニーズを考え、今回初めてカフェを併設しました。食べられる花を彩りに添えたオープンサンドイッチや、バラのパウダーが入ったスムージーなどを提供しています。f:id:k_kushida:20170612122453j:plain

原宿の新店舗にはカフェを併設。「食べられる花」で彩りを添えたオープンサンドイッチなどが楽しめる

会社の設立は2013年2月で、本格的に障害者雇用を始めたのは昨年からです。本社オフィスと3店舗にいる従業員約45人のうち、7割が障害のある方。また各店ごとに花業界のベテランがついていて、責任者として日々の店舗運営をまとめてくれています。

―もともと花のビジネスや障害者雇用に興味があったのですか。

実はそうでもないんです。幼いころに花を少し触ったくらいで、中学からはひたすらテニスに熱中。その延長で、大学卒業後の就職先にはプロスポーツ選手のマネジメント会社を選びました。

その後、「手に職を持とう」と“花”を選び会社を辞め、知り合いの方がいる企業からお仕事をいただくようになりました。自宅を作業場にしてスタートし、それほど規模を広げるつもりもなかったのですが、独立3年目にアレンジメントの講師として障害者施設に招いていただいたことが転機になりました。実際の作業を参加者の方に行ってもらったところ、とても意欲的に取り組んでもらえるばかりか、技術的な面でも職業にできる可能性が十分あると分かったのです。

学生のころ、特別支援学校の教員免状を取ったとき、教員の方に「障害者への教育環境は少しずつ充実してきたが、卒業後の雇用に課題が残っている」と聞いたこともそのとき思い出し、私がそれまで別々にやってきたことが、実はつながっていたと気づいたんです。「花のビジネスが障害者雇用の課題解決につながる。それこそ自分の取り組むべき仕事ではないか」というビジョンが、このとき初めて見えました。

―障害者雇用の課題とは、具体的にどのようなものですか。

絶対数として障害者の就労機会が限られている上、これまでは「障害者向けの施設に通って作業量に応じた工賃を受け取る」といったものが多く、例えば「花屋さんで働きたい」という夢を持つことや、ひとり立ちできるだけの収入を得ることは現実的ではありませんでした。

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