【公務員組合VS大阪市民】大阪市職員メール調査問題:松田公太議員の見解を聞く

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松田公太議員

現在大阪市で起こっている、市職員に対するアンケートやメール調査問題、そして調査をおこなった野村修也弁護士の懲戒請求問題について、松田公太議員にインタビューした。松田氏の所属する『みんなの党』では党役員などが野村弁護士の懲戒請求を反対する嘆願書への署名を行っている。もともと松田氏はコーヒーチェーン店・タリーズコーヒージャパンを創業した人物であり、今回は経営者目線からの見解もうかがうことができた。

松田公太議員インタビュー

ききて:ガジェット通信 深水英一郎

松田公太(まつだこうた)さんプロフィール:
1968年宮城県生まれ。幼少期から青年期をアフリカとアメリカで過ごす。大学卒業後、銀行へ勤める。その後独立しタリーズコーヒーを設立。ナスダック・ジャパンに上場。2007年に代表取締役を退任。2010年、参院選にみんなの党公認候補として東京選挙区より出馬し当選。

深水:いま大阪でどんなことが起きていて、なにが問題になっているのか。簡潔に教えていただけますでしょうか。

松田:二つのことが問題になっています。
ひとつが、“橋下市長からの依頼のもとで、第三者チームとしてさまざまな調査をしていて、その一
環で、メールのチェックもされた”ということです。そのアンケートの中身は、“組合の加入をしてますか”とか、“選挙活動へ関与しましたか”といったもの。もうひとつの問題は、“職員のメールを勝手にチェックした”ということです。職員の方々が仕事に使われているパソコンのメールの中身を見て、違法行為がないか確認した。この二つが問題になってます。

深水:野村修也弁護士に対しては公務員組合サイドから懲戒請求がおこなわれたそうです。それをうけ、懲戒請求にに反対する嘆願書の署名を集める運動も起きています。この署名には松田議員が所属する『みんなの党』の幹部の方も参加されているということですが。

松田:野村修也さんという方は、大阪市の特別顧問として橋下市長が任命された方なんですね。この方は私も以前から存じ上げておりまして、“コンプライアンス(法令遵守)”とか“会社法”といったことに非常に詳しい方なんです。橋下市長からの指示を受けて、実際にメールをチェックされた実働部隊の方なんですが、この方が組合サイドからの怒りを買ってしまって、「弁護士としての免許を剥奪してしまえ」という話が出てきてしまっているんです。しかし、橋下市長のやったこと・野村弁護士のやったことのなにが問題なのかということが明確ではないですし、我々は問題だと思っていません。なので、その申し立て自体がおかしい話ではないかということで我々みんなの党の議員が嘆願書に署名をしまして、第二東京弁護士会のほうに懲戒処分はしないでくれとご依頼しているところです。

野村修也弁護士への懲戒処分に反対する「嘆願書」
http://jikiso.blogspot.com/2012/02/blog-post.html

深水:そのままにしておいたら懲戒処分の話は進んでしまうものなんでしょうか。

松田:懲戒処分が本当にされてしまったらそれこそ法律的におかしい話です。それ以前に、組合に懲戒処分の話をもらったからといってプロセスを進めるほどでもない・進めるべきではないというふうに我々は思っております。

深水:なので反対の意思をはっきり示した、ということですね。

松田:そういうことですね。

深水:今回は大阪市のお役所の中の話ですが、もしそういった活動が、普通の企業内で行われているらしいということになったら、通常どのような対応がとられるものなのでしょうか。

松田:そうですね。元経営者としての経験から言いますと、それは許されないことだと思いますね。普通の民間の会社であっても給与をもらってるわけですから、その勤務時間中に勤務以外の活動を行うということは、当たり前ですが許されないことです。それは公務員であっても私は同じだと思います。ですから(その調査のために)メールをチェックしたという行為に関しては、橋下さんにはなんら落ち度はないと私は思います。あと、ひとつだけ言われてるのが、厚生労働省からの通達でですね、そのようなメールをチェックする場合には事前に教えてあげてくださいという話があるらしいんですけれども、それも通達でしかないですし、法律ではありません。我々のように会社を経営してた人間からすると、そもそも会社のパソコン、会社のLANを使ってメールをやり取りしているのであれば、それは会社は管理するものですので、経営者がそれをチェックするのはなんら間違いのないことだと思います。やはり市長が市の仕事上使いなさいということで職員に貸し出しているパソコンは、チェックしてもなんの問題はないと思いますね。

深水:厚労省の「事前にメールチェックするよと伝えなさい」という話、これをやってしまうと、もし本当に問題が潜んでいた場合、メールを消されちゃうんじゃないかなと。

松田:そのとおりですね。民間の企業でも実際そのような問題がどこでも起こることなんですね。私もタリーズコーヒーをやっていた時代に、不正行為をしている職員がいるんじゃないかということで調べざるを得ないことがありましたが、それは当たり前ですけれども、事前に通達せずに調べさせていただきました。個人のパソコンを勝手に見たとなったら、それはプライバシーの侵害になので問題になりますが、会社のパソコン、もしくは市のパソコンであればそういうチェックをするのはなんら問題はないと思いますね。

深水:もし松田さんの経営する企業で同じようなことがおきたという情報が入ったら、どういった対応をとられますか。

松田:メールチェックは絶対すると思います。やはり社員のうちの、あるグループに属する人たちが不穏な動きをしているなと思いましたら、個別にヒアリングをさせていただく可能性もありますし、アンケートをとらせていただく可能性ももちろんあります。そのアンケートをとったことも問題視しているみたいですけれども、そのなかにははっきりと回答しなければ処分されるというようなプレッシャーを感じて、回答をせざるを得ないと思ったとしても、本当に自分のプライバシーの侵害にかかわることだとすれば、回答しなければいいと私は思います。回答しなかったことに対して、市長もしくは会社の社長がなにか処分をしてきて、それが不当な処分だと思うのであれば、それをベースに戦うべき話なんではないかと。“パワーハラスメントの一環ではないか?”ということで、そのとき初めて戦うべき話だと思うわけですね。アンケートという名のつくものがきた段階で、それ自体が不当だとは私は思わないですね。

深水:なるほど。

松田:あと、この組合サイドの野村弁護士に対する動きというのは、ある意味“警告”みたいなことをしてるんではないかという風にも感じるんですね。

深水:“警告”ですか。

松田:そもそも本気で戦いたいのであれば、現場を指揮した野村弁護士を攻撃するのではなくて、橋下市長に対して訴えを起こせばいいんですよ。ですから私はこれはあくまでも宣戦布告のひとつではないかなと感じていますね。野村弁護士があいだに立ってしまったということによって弁護士資格を剥奪されるというようなことがあったら、それこそとんでもない話だと思います。

深水:橋下市長側と、公務員組合側の戦いが起きてると。

松田:そうですね。

深水:分かりました、ありがとうございます。

関連)
松田公太オフィシャルブログ
http://ameblo.jp/koutamatsuda/ [リンク]

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レイナス

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