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死刑存置の背景にはポピュリズムがある!? 映画監督・森達也が語る”日本人の同調性”

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ドキュメンタリー映画監督・作家の森達也氏

 経済評論家の勝間和代氏が司会を務めるBSジャパン「勝間和代#デキビジ」の収録が、2012年2月10日にあり、ドキュメンタリー映画監督・作家の森達也氏との対談が行われた。

 森氏は2008年に著書『死刑』(朝日出版社)を出版しており、死刑制度について「(存置していく)明確な理由がないのであれば、死刑制度はなくしたほうがいい」との立場をとる。番組では、勝間氏も「私はけっこう強い廃止派なんですよ」と述べ、その理由として、犯罪の原因が必ずしも犯人のみにあるわけではない点と、犯人が死刑になっても何も解決しない点を挙げた。

■死刑制度存置の背景にある「ポピュリズム」

 森氏は、1998年にオウム真理教を題材にしたドキュメンタリー映画『A』を公開。2001年には、続編の『A2』を撮影し、元オウムの死刑囚たちと面会などをする中で、死刑制度に関心を寄せたという。番組の収録で、森氏は「まずは”死刑制度はあるべきではない”という発想ではなくて、ある理由は何かと考えたが、一個ずつ消していったら何も残らない」と語り、死刑制度は廃止した方が良いという立場を改めて示した。

 一方の勝間氏も、

「私はけっこう強い(死刑制度)廃止派なんですよ。もともと犯罪の原因は、必ずしもその人だけではないですから。さらに加えて、その人が死刑になっても何も解決しない。この2点なんですよ」

と語り、死刑廃止を主張する理由を説明した。

 これを受けて森氏はさらに、日本で死刑制度が存置されている背景に「ポピュリズム」があると解説。ある争点について、民衆が多数派に同調しやすく、それに加えて政治・司法・メディアもその論調に従ってしまう傾向が強いと指摘した。森氏によると、日本では、2010年2月に内閣府が発表した世論調査で、死刑制度容認派が85%以上を占めているが、海外の死刑廃止国の多くでは、同様に存置派が過半数を占める状態でも、政治が「ポピュリズムを押し切って」廃止した経緯があるという。

■同調性を打破するために「”ヤギ度”を上げる必要がある」

勝間和代氏(左)と森達也氏

 また森氏は、日本人の高い”同調性”に風穴を開けるために「日本人が”ヤギ度”を上げる必要がある」と持論を展開。羊を遊牧する際に群の中に少数のヤギを放す遊牧民の知恵を紹介した。この知恵とは、同調性が高い気質を持つ羊だけを放牧すると、足元の草を食べ切っても、群全体が移動しない限り同じ牧草地に留まってしまうが、動き回る習性があるヤギを羊の群れに放すと、羊もつられて新しい牧草地を点々とすることが可能になるというもの。

 同調性が強いという意味で「日本人は”ヒツジ度”が強い」と指摘する森氏。「全員がヤギになったら、それはそれで収拾がつかなくなってしまう。じゃあヤギを放せばいいかと言うと、ヤギによっては、どこに連れて行かれるか分からないでしょ」と条件を付け加えつつ、

「もうちょっと皆が”ヤギ度”を上げる必要があると思う。おかしいと思ったら『それはちょっと変じゃないかな』とか。みんなが右を向いているときに、あえて左をチラッと見てみるとか」

と語り、このような意識を持つことが、社会のあり方を変える可能性があると述べた。

◇関連サイト
・[ニコニコ生放送] 「死刑制度に注目した」理由部分から視聴 – 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv80559238?ref=news#0:12:53

丸山紀一朗

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