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簡単! 高画質!! 『Niconico Live Encoder』について聞いてみた!

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1月15日『ニコニコ動画5周年記念新サービス発表会(β)』にて発表された『Niconico Live Encoder』。 これはPCに詳しくない初心者でも『ニコニコ生放送』を高画質で放送することができるソフトウェアだ。 更に多彩な機能も内蔵されており、かゆい所に手が届くものとなっている。 今回はその開発に携わった株式会社ドワンゴ 杉谷保幸さんにお話を伺い、その性能やベースとなったソフト『XSplit Broadcaster』との違いなどをお聞きした。

※ソフトのキャプチャ画像など全ての画像を見たい方はこちらからご覧下さい。

誕生秘話


-まずは『Niconico Live Encoder』が誕生した経緯をお聞かせ下さい
杉谷(以下、杉):いまってニコ生で高画質な配信をやろうとすると、英語のソフトが必要だったりと大変なので、いいかげん我々でエンコーダ作らないとね、という話はあったんです。 そこにSplitmediaLabs社さんから営業が来まして話を進めました。

-向こうから来たんですか?
杉:向こうから。 サポート窓口に来ました(笑) 『XSplit Broadcaster』(以下、『XSplit』)はニコ生で流行していまして、僕個人も愛用していたので飛びつくことにして、OEMで出して頂けたらラッキーだね、と商談を進めていったんですね。 『XSplit』とは、香港のSplitmediaLabs社さんが開発しているストリーミング放送ツールで、こちらはβテスト中で有料での販売もしています。 もとは画面キャプチャーのライブラリなどリリースしている開発よりの会社だったんですね。画面キャプチャソフトの『VH Screen Capture Driver』は世界的に定番です。

-杉谷さんから見て『XSplit』は如何ですか?
杉:『XSplit』は配信が簡単で綺麗なんですよ、つまり魚沼産コシヒカリなんですよ。 炊きたての。しかも飛騨牛ステーキとかお味噌汁とかお漬け物とか、小さなコンロと土鍋があって着火剤で火を付けるあれもある感じなんですよ。『XSplit Broadcaster』はすっごい旨いフルコース料理なんですよ!

-ちょっと何を言っているのか分からないんですが
杉:『XSplit』以外にも配信ツールは色々とありますが、『XSplit』の良さはまず簡単。 エンコーダ(x264)が優秀で高画質なことはもちろん、画面キャプチャーもできますし、動画も静止画もほいほいと表示させられます。その上拡大縮小回転クロマキーもやりたい放題なんですが、全部簡単わかりやすい。その上、エンコード設定も追い込めたりデインターレス処理も個別にかけられたりと”とても分っている”機能も載っている。 一番大きいのはFlashも使える、つまり拡張性が高い。ニコ生のプレイヤーを中で呼び出したりとかも夢じゃない。これは期待大だ、と。 OEM提供の話を進めるうちに「SDKを作るよ!」という話にまでなりまして、出来たのが『Niconico Live Encoder』なんです。 (『XSplit』の)欠点としてはMac版がないところですね。

気になるリリース時期は? 苦労話など

-いつ頃のリリースを予定しているのでしょうか?
杉:2月上旬にはリリースを予定しています。 Mac版は申し訳ないんですけれども、かなり、……すっごい後日になります。 元々の『XSplit』もMac版は手が付けられてないんですけど、Javaで『XSplit』のようなライブラリを売っていまして、我々は今回それも調達していますので。 それを使ってMac版を作るよう検討しています。 また対応のOSはWindows XP/Vista/7で、それぞれ32bitと64bitの最新サービスパックで動作確認はしています。

-とんとん拍子な感じですね
杉:うーん。 最初の商談から1年くらいかかっています。 モノ自体は『XSplit』なのでガワ(GUI)をもうちょっと分りやすくできないかと。 例えば横幅はすっごく抑えました。 だってニコ生ってプレイヤーを開くじゃないですか。 その時の邪魔にならないようギリギリまで幅を抑えています。

実際に画面を見ながら解説していく


-画面の構成はニコ生の「かんたん配信設定」に近い感じですね
杉:そうですね。 「かんたん配信設定」の初代は僕が作ったものでして、上から順に設定をしつつ……。 ニコ生はビットレートをどうしても色んな都合から抑え気味にしています。 そんな抑えた中でも若干楽しめるようにコマ数重視や解像度など、ちょっとだけチューニングできる余地を残しています。 その上で簡単に、というのが設計思想ですね。


-自分で固定のビットレートを指定することはできるんでしょうか?
杉:出来るだけ初心者の方でも知識なく触れるように、指定は出来ないようにしています。 その代わりに3つの設定(映像重視は映像336kbps&音声はモノラルで48kbps、音声重視は映像が288kbps&音声はステレオで96kbps、モバイルは映像が128kbps&音声が48kbps)が出来るようになっています。 エンコードは映像がh.264、音声はAAC-LCです。 AACは高圧縮なので、音質は今までのままで画質はちょっと上、という感じですね。モバイルからでも快適に見えるような味付けもしています。

-処理の重さに関しては?
杉:『XSplit』とほぼ変わらないです。

-AACやh.264はドワンゴさん負担ですか、(ライセンス料は)高くないですか?
杉:たっかいですよ、これで生主さんが増えなかったら俺死ぬ、みたいな(笑)


-『Niconico Live Encoder』の機能面について教えて下さい
杉:追加できるものは『XSplit』に準拠しています。 画像などはドラッグ&ドロップ可能ですし、カメラも追加できます。 テキスト(title機能)は早めにいれたいなぁと思いながら、開発の都合で一旦落としています。 (代替案として)例えばメモ帳やフラッシュで作って頂いてクロマキー背景を抜いて使う等で対応して頂きたいです。

-スライドショーなどのプラグインは?
杉:未定ですね、将来対応するのかも検討中です。 例えばマクロ、スクリーンの切り替えは落としています。 これは(初心者のユーザーが)パッと見た時に「なんじゃこりゃ」と思うからで、そしてそれを解消する良いインターフェイスが思いつかないから。 どう隠しても謎のボタンになってしまうので、難しいものは落としています。 逆に『XSplit』との違いとして、映像・音声設定は配信中でも切り替えが出来るようにしています。 (雑談や演奏など)小まめに切り替えたい、ということに対応出来ます。 ただ内部的には強引に一度切断しているので瞬断はしますが。

-プラグインは一切ないんですか?
杉:大体のFlashは動きますので、直接ドロップすれば動くと思いますけどね。 値を入力する感じのものは駄目だと思います。 スライドショーはアプリをスクリーンキャプチャするなどで対応して貰えればと思います。


-高機能性を維持しつつ、ハードルを下げている感じですね
杉:『XSplit』のやや初心者向け+ニコ生向けに特化、というパッケージになっています。 機能自体は画像も入れられる・カメラも入れられる・動画も入れられるようになっています。 動画はコーデックが入っていれば何でも再生OKです。 画面キャプチャーとDirectXキャプチャー(XSplitでいうゲームキャプチャー)も入っています。

-ゲームキャプチャーは『XSplit』の有償版の機能じゃないですか?
杉:はい、DirectXの直接取り込みですね、つかえます。 ここら辺も日本語でなるべく分りやすいようにしています。 クロマキーなんかも『XSplit』同様、自由に変えられます。(※ゲームキャプチャーは、ゲームメーカーの正式許諾が出ている作品において、各メーカーの規約に基づきお楽しみください。)


-他に何かありますか?
杉:一番の目玉は内蔵ステミキ(ステレオミキサー)ですね。 何が嬉しいってステミキを使いたい場合、どうしても音が回ってしまうじゃないですか。 それが自分の声が返ってこないようにできるのは最高ですね。

-上級者向けのプリセットファイルはあるのでしょうか?
杉:申し訳ないですけども落とさせて頂きます。 これはインストールする時に「プリセットってのをがんばらなくちゃいけないの?なにそれこわい」とはしたくなかったんですね。……とか言いつつも、スーパーハカーなら似たようなことはできるようにしてあります!そのまま使ってもらっても『FMLE』に比べてはちょっと良いくらいにはなるので、リリースされたら色々とお試し下さい。

-フレームレートの設定は? またソフト上で番組も作成出来るのでしょうか?
杉:可能です。 1から30フレームに設定できます。 1フレームはちょっと怪しい気配がしているので本番では落としてしまうかもしれませんけれど。 番組作成は申し訳ないですけど『XSplit』と同様、Webのままです。


-『XSplit』はログインが必要でしたが、ログインサーバーはニコ生独自ですか?
杉:ドワンゴがサーバーを用意します。

-画角に関しては?
杉:デフォルトは16:9にしています。 テスト中の新プレイヤーはそのうちデフォルトになる予定なので、できるだけ16:9に慣れて頂きたいなぁと思っています。 配信中は旧プレイヤーになっちゃうんですが、新プレイヤーで配信できるよう近々なんとかしますんで。

-公式チャンネルなどは如何でしょう?
杉:公式チャンネル放送は現時点では公式サポートはありませんので、基本的には ユーザー生放送専用としてご利用ください。

-『XSplit』も随時アップデート中ですが、その同期などは取るのでしょうか?
杉:良い機能が出たらじゃんじゃん取り込みます。 ニコ生独自のアップデートもあります。 エンジンは『XSplit』さんですが、UIの開発にはボーカロイドやニコニコムービーメーカーの株式会社インターネットさんにご協力戴いていますので将来的には既存ソフトとの連携なんかも出来れば嬉しいなぁと思っています。

-リリースに合わせて特設ページなどは?
杉:配信時に簡単な使い方とヘルプページの整備などはやります。 奇をてらわず簡単にシンプルに、まるで習字の時に使う文鎮のような。 しっかり仕事しまっせー、みたいな。(この後文鎮を使ったボケを延々と続ける) また現在も絶賛デバック中で、もしかしたら0.95βリリースという形になるかもしれませんが、その時は察して下さい。 どうしてもデバイスが絡むと(試験)パターンが増えてしまうので。

-メイン画面真ん中の”でんぱくん”の部分には何かあるのですか?
杉:いつか何か増えた場合の予約スペースですね。 ……イースターエッグを仕込むのもいいですね。

-エラーログやドロップフレームなんかの表示はあるのでしょうか?
杉:今の所はしないですが、今後は対応するかもしれません。

配信の変化やその他に関して、そして最後に一言

-話はそれるのですが、384kbpsの上限値は変わらないのでしょうか?
杉:今のビットレートのままになるとは思っていません。 いつかはビットレートは上がると思いますがそのタイミングを伺っている状態です。

-アンドロイド版の生放送配信アプリはリリースしないんですか?
杉:実は研究もモックも終わっているんですが出さない理由があります。 『ニコ生モバイルエンコーダー』っていう超良く出来ているアプリが既にあるので。 今から後追いで同じモノを出してもしょうがない。 ですので我々しか出せないものを模索中なんです。


-最後に一言お願いします
杉:どんどん色んな方に生放送をしてもらいたいですね。 なんか前提知識が増え過ぎちゃっている感じもあるので『Niconico Live Encoder』が出たから気兼ねなく初心者でも生放送をやってみて、沢山のユーザーさんに「ニコ生が簡単になったよ!」と感じて欲しいです。 今までだったら、ただ写真を出すだけでも大変だったと思いますが、今回はドラッグ&ドロップだけで良いので。 このソフトでは、デスクトップキャプチャなど他のソフトは必要ないんです! ……『コメ読みちゃん』はまだいりますけどね。 こういうのが出て、今までやってみたかったことが簡単にできることで、こういう放送をしてみよう・面白い放送ができた! みたいな化学反応が楽しみですね。

-ありがとうございました!

『Niconico Live Encoder』は「とにかく誰にでも使って欲しい」という点に非常に好感が持てた。 確かに色々と勉強をするのも大事ではあるが、そういった事が時にストレスになるのも確かだ。 またどれだけアイデア豊富で面白い企画が思いついても、それをソフトウェアがハードルになり阻害する環境も反対だ。 これをきっかけに多様な番組が行われ、よりインターネット配信が面白くなって欲しい。 今回を機に『ニコニコ生放送』で是非番組を”制作”してみよう。

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記者:

インターネットの賑わっているところに大概参加をしながら約20年。 ここ最近はニコニコなどの動画サイトを根城にしつつ、何だかよく分からない生活を送る。 生放送においては過去に、日本全国を生放送をしつつ巡ったり、ヨハネスブルグ、ジンバブエ、カザフスタンなど「そもそも回線は大丈夫なの?」といった場所から生放送を行ったことも。 しかし、一番好きな場所は『自分の部屋』とのたまう、自称「世界で一番忙しいニート」・「世界で一番仕事をしない自宅警備員」。

ウェブサイト: http://com.nicovideo.jp/community/co7201

TwitterID: higeoyaji

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