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短編フリーゲームRPG『ココロの心~ふたりの心~』 綺麗で切ない物語と“感情”がカギのゲームシステムが特徴

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今回は、切ない物語の短編フリーゲームRPG『ココロの心~ふたりの心~』を紹介します。雨宮かるた氏によって制作された本作は、2013年に制作・公開した『ココロの心』のRPGツクールMV版でのリメイク作品。特徴としては短編ながらまとまった物語と、しっかり描写されたキャラクター、そして“感情”をポイントにした凝った戦闘システムがあげられます。

物語の始まり

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最初に目にするゲームのタイトル画面。綺麗なグラフィックと、少女たちの少し悲しそうな表情が、このゲームの内容を物語っています……。

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強気で明るく、頭脳明晰な少女シリサ。なんとなく意地悪そうな笑顔が似合います。
 
物語の中心となるのは、シリサとココロという二人の少女。シリサはいわゆる天才少女で、世界中の科学者が苦悩して開発しているような技術を、趣味感覚で数か月程度のうちに完成させてしまうほどの頭脳をもっています。しかし性格はおてんばといった感じで、私生活は非常に頼りなく、一人では衣食住もままならないほど……。

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大人しくて儚げな印象の少女ココロ。シリサの友達で、苦労人のようです。
 
そんなシリサの面倒を見ているのが、友達のココロ。シリサとは対照的で、落ち着いたクールな性格をしています。街へ買い出しに行ったり、シリサの実験に付き合わせらせたり。控えめで振り回されながらも、シリサのことを思いやっているいい友達です。

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日ごろから一人でとんでもない発明をしているシリサ。今回も一人でとんでもない技術レベルの機械を作っていました。
 
物語の始まりは、人の心の中に入れる機械を開発したシリサが、ココロの心の中に入ろうと言い出すところです。なんと人の心の中の世界を、別の人も探索できるようになるという機械。ココロは仕方なくいつもどおりに実験に付き合います。

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ココロの心に入ると、辺りは一面雪景色。小さな集落があり、人もいるようです。心なのに寒い景色だと言うココロと、綺麗だと言うシリサ。

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ココロの心の中に住むセラ。シリサとココロのサポートをしてくれます。

見つけたのは雪に覆われた大樹と、その前で出会うセラという人物。大樹は心の持ち主の感情を表し、セラは宿主の心の傷を修復する仕事をしているそうです。そして今の大樹が表しているのは、ココロ本人も気づいていない、悲しみと少しの怒りの感情……。

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実験で振り回しながらも、ココロをとても大事な友達だと思っているシリサ。

友達が悲しんでいるのを見ていられないと言い、心の傷を修復する仕事を引き受けるというシリサ。するとセラは、ココロの記憶の中から、本人も気づいていない傷の原因を見つけ出してほしいと頼みます。こうして二人の冒険が始まります。

一筋縄ではいかない戦闘システム

このゲーム、短編RPGではありますが、戦闘システムがかなり作り込まれています。敵と戦うにあたって、シリサとココロは人間の負の感情を攻撃の力にします。ここで重要になるのが、その「攻撃の属性」と「場の属性」。

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戦闘画面左上の表示が場の属性テーブル。その中の赤いクローバーが現在の場の属性の位置です。

まず属性の種類について。ゲーム内では4つの属性が存在し、「不安」「嫌悪」「孤独」「欲望」を使うことになります。味方は攻撃の属性を自由に決められるので、敵の弱点に合わせて属性を選ぶことができます。しかし問題点もあります。

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「不安」の感情で攻撃していくと、場の属性が上の画面より少し「不安」に近づきます。

場の属性は、味方や敵が使った攻撃の属性に近づきます。場の属性が特定の属性に偏ると、その属性の威力が上がります。これは味方だけでなく敵も同じなので、場の属性が敵に有利な属性に偏ってしまうのは避けたいところです。

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属性の攻撃によってはその属性の状態異常がつくことも。

さらに場の属性の効果は威力上昇だけではありません。ゲーム内に存在する4つの状態異常、「不安」「嫌悪」「孤独」「欲望」。そう、属性と同じ状態異常が存在します。そしてこの状態異常の効果は、場の属性の偏りによって強力になります。

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場の属性が不安に偏ると、敵味方全員にダメージが。

さらに、場の属性が極端に偏ると、状態異常を受けていないにも関わらず、戦闘に参加している全員が状態異常を受けているのと同じような効果を受けます。

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戦闘中に場の属性による効果の違いも確認できます。

このように、場の属性はなかなかの曲者。敵の攻撃で偏った属性を戻そうとしても、回復もしなければならないこちらは圧倒的に手が足りなくなることも。いっそのこと無理に属性を戻さず、流れに身を任せる方法も考えたほうがいいかもしれません。

ちなみにこのゲーム、難易度が高めです。難易度は「普通」「易しい」「さらに易しい」の3つから選べますが、レベル上げや戦略を立てるのに時間を使いたくない人は、「さらに易しい」で進めましょう。終盤になると、RPGが苦手な人は普通に進めるだけでも一苦労かもしれません。ゲームの途中からでも難易度変更は可能です。

このゲームのプレイ時間は、配信ページでは1~2時間と表記されています。しかし、難易度によってレベル上げや戦略をじっくり考えていると、3~4時間ほどに達すると思います。

細かいイベント

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ふと見つけた小説の内容で盛り上がる二人。

このゲームはココロの記憶の中を探索していくのですが、道中でさまざまな場所を調べると、それに応じたイベントを見ることができます。本を読んで好きな物語の終わり方について語ったり、カップルを見て好きな異性のタイプについて話したり……。

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同じ「物語の信念」でも、考えていることはそれぞれで違う。

こういったイベントを見ると、エンチャントを獲得することができます。エンチャントはキャラクターに装備することで、さまざまな効果を引き出すことができます。

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中には思わず微笑ましくなるようなイベントも。本編が短いだけに、こういった細かいイベントでキャラクターの個性が見られるのは楽しいです。

物語の行く末は……

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記憶の中のココロがシリサから貰った、人の心がわかるペンダント。そこから入ってきた感情を、つい口に出してしまいます。

ココロの記憶をたどっていく二人。しかしあるとき、不穏な出来事が起こります。いつもどおり街に買い出しに出かけた記憶の中のココロは、怪しげな気配が漂う人に出会ってしまいます。

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しばらくココロの姿を見なくなった記憶の中のシリサは、ココロを心配して探し回ります。

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さらになぜか、記憶の持ち主であるはずのココロもシリサも、このときの出来事をはっきりとは覚えていない様子。

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弱気になっていくシリサを励ますココロ。根が強いのはココロのほうなのかもしれません。
 
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ココロが見せる、数少ない笑顔。これは、二人の少女の切ない物語……。

短くまとまっているストーリーに対して、戦闘を中心としたシステム部分が作り込まれている特徴をもつ本作。それだけに、このゲームを短編RPGとしてだけではなく、長編でも遊びたいと感じさせてくれました。

戦闘システムが複雑なため、使いこなすには時間がかかる人が多いかと思います。しかしそれに対してゲーム自体は短いため、コツをつかむ頃にはもうラストダンジョンだった、ということもあるかもしれません。難易度もやや高めなので、戦略を立てるのが苦手な人は、難易度は低めで遊んだほうがよいと思われます。

[基本情報]
タイトル 『ココロの心~ふたりの心~』
制作者 雨宮 様
クリア時間 2~5時間程度
対応OS Win 7/8/10/Mac OS® X10.10以降 (RPGツクールMVの動作環境に準拠)
価格 無料

ダウンロードはこちらから
http://www.freem.ne.jp/win/game/13549

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