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携帯ゲーム機型PC「GPD WIN」で、おすすめ名作フリーゲーム10選を遊んでみた

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携帯可能なゲーム機型PC「GPD WIN」。Newニンテンドー3DS LLと同じくらいコンパクトなサイズとなるこのPCは、フリーゲームやSteamのインディゲームなど、Windows用のゲームがどこでも遊べるようになるアイテムとして、一部で話題となっていた。


 
そこで今回は、多くのフリゲ好きの方々がご存知であろう名作フリーゲーム10作品をGPD WINでプレイし、操作感等をレビュー検証した。スクリーンショット左上の数値は「Fraps」によるFPS値となるので、動作の重さの指標としていただきたい。「推奨操作モード」とは、GPD WINで設定できるゲームパッドの入力モードを指す。詳細は記事後半で記載する。

なお、今回は「フリゲを携帯機で遊びたい!」という多くのプレイヤーが持つであろう思いを実現できるかの初期検証であり、ゲーム内容全ての動作検証が出来ているわけではない点をご了承頂きたい。

また、GPD WINは現在、購入方法としてはクラウドファンディングサイト「Makuake」にて購入したユーザー向けに初期生産分が出荷されている段階であり、それに伴う問題も一部発生している。こちらも後述をお読みいただきたい。

『魔女の家』


 
本作『魔女の家』はプレイ時間は2~3時間のホラー風アドベンチャーゲーム。魔女の家に迷い込んだ13歳の少女ヴィオラを操作し、不気味な仕掛けを操作し謎解きを行いながら物語の核心へと迫っていく。即死する謎解き、そしてゲームを進めていくごとに徐々に明らかになる魔女の家の秘密と「ある違和感」。そして待つエンディングの衝撃はぜひ味わって欲しい。セーブポイントの黒猫が唯一のなごみポイントでもある。

・GPD WINでのプレイ感想:
ホラーゲームの特性上、場面によってはシビアな操作が要求されるため、GPD WINのゲームパッドとの相性は高いと感じた。全画面でプレイすると恐怖感が増すのもポイント。移動やメニュー画面の開閉も快適に行うことができる。

・推奨操作モード: DInput

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『Ruina』


 

 

2008年末にリリースされ、第4回ふりーむ!ゲームコンテストにて最優秀賞を受賞した『Ruina 廃都の物語』。もうすぐリリースから10年近く経つ作品だが、今なお高い人気を誇る文字通りの名作だ。

そんな本作はゲームブックやTRPGを基に作られており、フィールド移動をほぼ排した探索システムは快適でありつつ濃いプレイ体験を可能としている。 また、作者の確かな文章力と広範な知識、重厚な世界観に裏打ちされたテキストとストーリーは大きな魅力がある。ことテキストに関しては、数あるフリーゲームの中でもトップクラスのひとつと言ってもいいくらいだ。

・GPD WINでのプレイ感想:
戦闘画面やUI共に快適に操作可能であることが確認できた。戦闘画面で派手な魔法を使ったときなどの全画面エフェクトも特に処理遅延などは見られなかった。推奨操作モードはDInputだが、XInputモードに切り替えれば、マップ画面等のポインタの操作にアナログスティックが活躍するのもうれしい点だ。

・推奨操作モード: DInput

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『Ib』


 
『Ib』は、kouri氏が2012年に公開したホラーアドベンチャー。両親と美術館を訪れた少女イヴ(Ib)が、開催されていた展覧会「ゲルテナ展」に足を踏み入れると、美術館の様子が変わり、芸術家ゲルテナの絵画が展示されている不気味な美術館に誘われる、というストーリーの作品だ。

主人公のIbを始め、不思議な美術館で出会う登場人物や、いくつも分岐する彼らの運命を劇的に変えるストーリーが非常に魅力的に仕上がっている。決してドッキリな罠で驚かせるような恐怖ではなく、世界観からじわじわと恐怖が首元にこみ上げてくる恐怖も魅力だ。

・GPD WINでのプレイ感想:
残念ながら、筆者の持つGPD WINでの起動は不可能だった。下記を試行して見たものの、結果は変わらずとなった。

・CPUをシングルコアのみ指定
・互換モード設定(XPSP3,視覚効果無効,管理者権限)
・ゲームの再ダウンロード/フォルダ再配置

『Elona』


 
“何でもできる”スーパーフリーダムなローグライク『Elona』。あまりにも自由度が高く、それゆえ説明が難しいのが悔やまれる。システムの根幹的な部分(ターン制、未識別アイテム、死んだらアイテムロストetc)はローグライク系ゲームそのものだが、本作が他のローグライクと一線を画すのは驚異的なまでの自由度の高さ。

「じゃあ具体的に何が出来るの?」という点については、具体的な事例は年齢規制に引っ掛かるので、読者のみなさんにはぜひプレイしてその目で確かめていただきたい。

・GPD WINでのプレイ感想:
移動・戦闘・メニュー開閉など良好。デフォルトでXinputに対応しているため、ある程度の操作は可能。ただしチュートリアルで推奨されているテンキー操作はできないため、再割り当てをするか、キーボードを使う必要がある。

・推奨操作モード: XInput

※本作はDirectXの描写モードの関係上、FPS表示が不可となっていた

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『洞窟物語』


 

 
開発室Pixelにより2004年に作られた『洞窟物語』。様々な面において今なお褪せない魅力を持つ、総合力の高い名作だ。国内外を問わず多くのファンに支持され続けていることからも、日本のフリーゲームで随一のタイトルであることは間違いないだろう。見知らぬ洞窟で目覚めた主人公の出自をめぐる大きな陰謀に巻き込まれてゆく……という、「敢えて語らない」ような謎の多いストーリーも人気を博した。

各マップの練られたデザインや難易度のバランスは良好で、100%のピクセルアートによって描かれたマップやキャラクターたちはどれも魅力的。さらにはアクションゲームには欠かせないバラエティ豊かな武器やボスキャラたちなどなど、どれもこれも的を外さない一作。

・GPD WINでのプレイ感想:
常時50FPS以上でサクサクと画面が動くさまはコンソールゲーム機と遜色がない。パーティクルが舞うような場所でも50FPS台をキープしているのは特徴的だ。また、画面全体が綺麗に動く様はSFCソフトを彷彿とさせる。ESCキーダブルクリックで終了も楽にできるのも良かった。

・推奨操作モード: DInput

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『レミュオールの錬金術師』


 
公開後10年以上が経過するものの、未だに色褪せることのない名作フリゲシミュレーション『レミュオールの錬金術師』。本作はいわゆる経営シミュレーションであり、主人公のティコは多額の借金を返済すべく、弟子のルヴェルとともにお店を切り盛りしていく。

ゲームシステム自体は「商品を仕入れて→(場合によっては加工して)→売る」ことを繰り返してお金を稼ぐ、という極めてオーソドックスな店舗経営シミュレーションながら、定期的に起きるイベントや街の住民の訪問・ミニゲーム等で、延々と遊んでもプレイヤーを飽きさせないつくりになっている。お店経営そっちのけで全イベントを見るためにひたすらプレイし続ける人もいるとか……。

・GPD WINでのプレイ感想:
各種操作のレスポンスは快適。FPS値は取れなかったが、ほとんどラグがなくサクサク動いていた。音声なども問題なく再生される。しかし、基本的にマウス操作となるゲーム特性上、GPD WINのゲームパッドを生かすには難しいと感じた。

・推奨操作モード: マウス
※本作はDirectXの描写モードの関係上、FPS表示が不可となっていた

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『ヴァーレントゥーガ』


 

 
『ヴァーレントゥーガ』は、2013年末までのふりーむ!累計ダウンロードランキングにて「ヴァンガードプリンセス」「Ruina 廃都の物語」と並び最上位にランクインし、現在でもランキング7位に位置する名作ストラテジーゲーム。

物語の舞台となる大陸にいくつか存在する国家の中から1つ選び、大陸を制覇することが目的となる。ゲーム内容としては外交や人材の雇用、軍団編成などを行う戦略パート、そして編成した軍団で敵の大軍と戦う戦術パートに分かれており、二つのパートを上手く攻略していく。戦術パートでは、大勢のユニットを運用して敵を撃破していく他、強力な必殺技で形成を逆転することも可能となっている。

また本作は、ゲームとしてだけではなく、プレイヤーが新しく派生作品を作ることの出来る「ゲーム制作ツール」としての側面も持っているのも特徴だ。

・GPD WINでのプレイ感想:
マップ/UI画面は特に重くなる場面はないが、戦闘画面で多数のエフェクトが表示される場合は全体的に重くなり、引きの視点で20FPSを下回ってしまう。

だが、フルスクリーン起動でドッドバイドッドで高画質に表示でき、小さくとも高精細な画面で多数のユニットが動き回るさまは圧巻で、一度は体験しておきたいと思わせてくれる。しかしながら、文字の小ささや、UIがマウス操作前提であることを鑑みると、残念ながら携帯ゲーム機としてのプレイは難しいと感じた。

・推奨操作モード: マウス

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『ムラサキ』


 

 
『愛と勇気とかしわもち』や『いりす症候群!』、『魔王物語物語』で知られるゲーム制作サークル「カタテマ」から6年ぶりにリリースされた新作『ムラサキ』。公式サイトで謳われている「シンプルで楽しい爆発パズル物理アクション」という文句の通りの作品で、弾幕シューティングのような面白さも楽しめるゲームシステムが魅力的だ。そして世界を彩る音楽やグラフィックも魅力的で、見逃せないものとなっている。

・GPD WINでのプレイ感想:
背景のシーン切り替え時に若干重くなるものの、通常画面では常時60FPSで快適にゲーム可能。さらに、重めのエフェクトでも60FPSをキープしていた。

・推奨操作モード: XInput

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『シルフェイド幻想譚』


 

 

 
RPGエディタ「WOLF RPGエディター」の製作者であるSmokingWOLF氏によるフリーシナリオRPG。プレイヤーは15日後に訪れる災厄に対処するためその元凶を探っていく。リプレイ性がとても高く、シルフェイドシリーズの特徴である仲間「トーテム」とのやり取りも多岐にわたる。本作独自のサクサクな戦闘システムにより、持ち歩くには最適のRPGとなることは間違いない。

・GPD WINでのプレイ感想:
独自戦闘システムとゲームパッドによりポータブルゲームとして快適にプレイ可能。余談だが、筆者はこのゲームを持ち歩くためにGPD WINを購入した。

・推奨操作モード: DInput

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プレイを終えて

今回は、紹介したフリゲ作品10作のうち『Ib』を除いた9作がプレイ可能という結果となった。そのうちエフェクトの豪華なストラテジーゲームやマウス操作前提のゲームなどはGPD WINとやや相性が悪い印象だったものの、標準的なRPGからシビアな操作が求められるホラーゲームだけでなく、『洞窟物語』や『ムラサキ』といったアクションゲームも動かすことができた。

以下、実際にフリゲをプレイしての細かい感想などをお伝えしたい。

GPD WINを使用してのプレイ感

・適するゲーム/適さないゲーム
RPGやアクション、STGなら常用範囲内、RTS等のマウス操作が前提のUIや、格ゲーなど正確なコマンド入力が必要なゲームは難しいと感じた。

・ゲームパッド標準搭載の強み
標準でモード切替可能なゲームパッドを搭載しているため、ほとんどのゲームにすぐ対応できる。ただし、細かいカスタマイズが必要な場合はゲーム内コンフィグで設定するか、「JoyToKey」等のジョイスティック-キー割り当てソフトを使い、ゲームごとに割り当てを設定したほうが良いだろう。

なお、キーパッド上部の切り替えスイッチで選べるモードは以下の3種類。

1.DirectInput(DInput)モード = RPGツクール製のゲーム等、XBox360以前のゲームに適している
2.マウスモード = マウス入力のシミュレートモード。十字キーはWASDに割り当てられ、FPS等に最適。
3.XInputモード = XBox360コントローラ準拠の入力モード。最近のゲームでは初期設定でもそこそこ使える。

・ゲームパッドの押し心地
ゲームパッドのボタンは、キーボード側にあるSELECT/START、L3/R3を除きクリック感がない。(キーボード側のキーは全てクリック感がある)
L1/L2、R1/R2ボタンはそれぞれクリック感があり押し心地がとても良い。十字キーおよびABXYキーはニンテンドーDS(初代~Lite)の感触に近い。アナログスティックの感触はPSVitaのものとほぼ同一と言ってよいだろう。

・Newニンテンドー3DSLLサイズでWindows10が動く
フリーゲームは勿論のこと、Steamのゲームなど、標準的なWindowsマシンで動くゲームを持ち歩ける。性能的には、概ね2013年までの3Dゲームでもグラフィック設定を落とせばプレイできるレベルになると思われる。

・入手したゲームをその場でプレイできる
即売会等で入手したゲームを、外付けのCDドライブ経由ですぐにインストールして遊んだり、インターネットにつながる環境であればすぐにダウンロードしてプレイしたり、開発版をUSBメモリに入れて出先ですぐにデモしたりできる。余談だが、実例として「箱庭えくすぷろーら」を作者さんの目の前でダウンロードし、そのまま作者本人にプレイしていただいた。

・容量の少ないフリーゲームは本体メモリに入れたほうが良い
microSDカード側に入れると読み込みが遅く、ロード時にフリーズすることがある。

・大容量バッテリー
常時CPU使用率100%でもフル充電から約2時間は使えることを確認した。

・余談:寒い時期には携帯カイロになる?
例えば、冬のコミックマーケットの待機列でゲームプレイする際、指先が凍えて従来の携帯ゲーム機ではプレイに適した環境とは言えなかったが、GPD WIN本体が暖かくなるため活躍しそうだ。逆に夏コミは放熱に注意が必要かもしれない。

このように携帯でPCゲームが楽しめるGPD WINだが、現在は初期出荷分のため様々な問題もみられる。以下でそれらを説明しよう。

GPD WINで発生している主な問題

 
・初期不良率の多さ

筆者が経験した致命的な初期不良は「スピーカーの音が鳴らない」。接続を確認したところ、スピーカーのケーブルが浮いていた。なお、イヤホンを挿して使用した場合には音声出力は可能だった。

また、2台目はキーボードの刻印が間違っていた。

このほかにもハードウェア的な不具合が国内外含め報告されている。

・Windows10ライセンス認証問題

一時、同梱された一部プロダクトキーが認証ができない問題が発生しており、GPD社による対応が行われるとのこと。日本のクラウドファンディングサイト「Makuake」で購入したユーザーも、実行者へ問い合わせれば個別対応してもらえるようだ。

プロジェクト実行者 緑屋電気株式会社による不具合についての投稿

なお、筆者の手元にある2台は今のところライセンス認証関連の問題は発生していないため、この件での問い合わせは行っていない。

国内展開について

国内の正規代理店は緑屋電気株式会社となり、予定では来春(2017春)国内販売開始、販売価格は55,000円(税込・送料別)となっている。

PCゲーマーへ朗報!コントローラ付ゲーム専用モバイルPC<GPD WIN>上陸!

今のところは正式な国内販売がされていないにもかかわらず一部で話題なこの端末。国内展開において一番の焦点である「技適問題」は解決しているものの、現時点では、ライセンス関連の問題やハードウェア自体の交換が必要な初期不良なども見られる。いったんは今後の動向に注目したいところだ。

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