【タベアルキスト】三善豆腐工房~食材のルーツを辿る旅 其の6(前編)~産地を巡る冒険
みなさん、こんにちは! メシ通レポーターのタベアルキストKikutaniです。
「料理」と「生産者」。両者を繋げる魅力ある「食材」。そのルーツを辿る旅も、今回で6回目となりました。
今回は、知る人ぞ知る千葉県の幻の大豆、「小糸在来」を取り上げます!
通常は飲食店のお料理を前編では取り上げるのですが、今回は食材が飲食店にほとんど出回らない幻の食材。
ようやく見つけた取扱店は、なんと下町のお豆腐屋さんでした。
一丁入魂、下町の極上豆腐店
墨田区の向島、京成曳舟駅が最寄りのキラキラ橘商店街にある三善豆腐工房。
昭和の香りが色濃く残る商店街で創業49年のこちらが、今回のテーマ「小糸在来」を使った、お豆腐を取り扱う数少ないお店です。
スタンダードなお豆腐だけでなく、変わり種のお豆腐もいろいろ。
一丁入魂の心意気で、大豆、にがり、水、行程のすべてにこだわり、美味しいお豆腐作りを続けています。
こちらが、今回のテーマ「小糸在来」を使った絹ごし豆腐。
左上の金賞ラベルは「TOFU LOVERS Selection」2連覇の証し。
そう、三善豆腐工房のお豆腐は、日本一ともいえる超ハイクオリティー豆腐なのです。
同じく、「小糸在来」を使った あづま朧。
朧豆腐とは、豆乳をにがりで固めた、そのままの状態のものです。このお豆腐を型にはめたり、水を切ることで様々なタイプのお豆腐に作りこんでいきます。
まさに最も「生」の状態のお豆腐と言えます。
そして今回の一押し、「小糸在来」を使った、みつよしの笊豆腐。
こちらは先日行われた、全国豆腐連合会主催の、「第2回全国豆腐品評会」で銀賞に輝いた一品。
惜しくも金賞は逃しましたが、それでも約300社のお豆腐屋さんの中から選ばれた、確かな商品です。
社長であり、豆腐職人でもある平田さんが、「小糸在来」に出会ったのは10年ほど前。たまたま機会があって、産地を訪れ生産者の方と縁を持てたことが、「小糸在来」を使ったお豆腐作りを始めたきっかけだそうです。
今では、自ら枝豆収穫のイベントも開催されているとか。
いろいろと美味しいお豆腐の食べ方もうかがったので、さっそく家に帰って食べましょう!
お豆腐屋さん直伝! 美味しいお豆腐の食べ方
あづま朧を冷や奴で。まずは、そのまま。続いてポン酢で。お豆腐の味を活かすなら、醤油よりポン酢だそうです。
第一印象は「甘い」、そして、とんでもなく美味しい。
水分をたっぷり含んだ朧豆腐は、ふわっふわでチュルンと口の中で消えていきます。
豆腐を軽くレンジで温め、片栗粉を溶かしてとろみをつけた白だしを張った、銀餡豆腐。温めると香りが一層立ち、甘みが際立ってきます。
出汁との相性も抜群。
これからの寒い時期にはうれしい、「小糸在来」の絹を使った湯豆腐。
絹豆腐を使った湯豆腐は、高温で煮立ててしまうと崩れてしまうので、70度ぐらいの温度でゆったりとお湯で泳がせるのが良いそうです。
こちらもポン酢で。朧以上に断面はなめらか。
水分を少し切っているので一層コクが増し、大豆の香りが立ってきます。
冬の幸せここにあり。
薬味に、柚子胡椒やかんずりをつかっても。どちらも良く合います。
みつよしの笊豆腐を使った、名もなきスイーツ。
作り方を教えた頂いたとき、まさかそんな食べ方があるとは! と驚きを隠せませんでした。
ココットにお豆腐を入れて、バーナーで炙り、仕上げにメイプルシロップ。以上。
暫定的に、トーフ・ド・ブリュレ。とでも呼びましょうか。
これ、とんでもなく美味しいです。
今までいただいたどんなお豆腐スイーツよりイケてます。しかもたったの1分でできてしまう。
焦げの香ばしさとメイプルの香り、お豆腐のクリーミーさ。
これはまさにお豆腐のプリン。
大豆の癖のあるにおいを感じさせない、三善豆腐だからこその味とは思いますが、だまされたと思って一度お試しあれ。
ちなみに、「小糸在来」のお豆腐、年内分はそろそろ終了とのこと。今年の大豆がもうすぐ出来上がるので、年明けからまた再開するそうです。
平田社長によれば、豆腐にも旬があり2月~3月。
新大豆で作るころのものが一番おいしいそうです。
年明けの新物の豆腐が楽しみです。
「小糸在来」への思いを知る!
「農家さんに会ってさ、一生懸命作っているところを見ると、こちらも美味しいもの作らなきゃと思うし、作り甲斐があるんだよね」とは、平田社長の言葉。
それは、食べる側も同じ。「いただきます」の重みが変わりますからね。
知って食べればもっと美味しい!
後編は「小糸在来」の産地へ。幻の枝豆づくりの現場を訪れます。
お店情報
三善豆腐工房
住所:東京都墨田区京島3-22-11
TEL:03-3613-1088
営業時間:11:00~19:00
定休日:日曜日・祝日
書いた人:Kazushi Kikutani
ご当地グルメフリークで、野菜ソムリエの資格をもつタベアルキスト。B級グルメや郷土食、旬や特産品を活用した料理に目がない。食べ歩きに際しては、情報よりも店舗から感じるインスピレーションを重視。「美味しいもイマイチも丸ごとひっくるめて楽しむのが食べ歩きの醍醐味」と語る。 Webサイト:Tabearukist Association facebook:Tabearukist Association
過去記事も読む
関連記事リンク(外部サイト)
『深夜食堂』のマスターが“通”な飲み方を伝授? 俳優・小林薫さんインタビュー
【意外な簡単レシピ】お湯を注いで炒めるだけ! 登山用のアルファ化米でオムライスを作ってみた
【おでん記事まとめ】一年で一番おでんが売れる季節……実は秋! こんなのあったの? 集めました
食を楽しみたいあなたのスキマ時間を、笑顔と感動と知って得する情報で満たす「グルメ情報マガジン」です。平日は休まず更新中。
ウェブサイト: http://www.hotpepper.jp/mesitsu/
TwitterID: mesitsu
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。