料理素人がレシピだけで“究極のカレー”を作れるか?

エスビー食品の新入社員が研修で必ず作らなければならない“究極のカレー”というものがあると耳にした。その“究極のカレー”はエスビー食品のウェブサイトでレシピが公開されているのだが、普段パソコンのキーボードかマウスしか使っていない、料理素人の筆者でも究極のカレーを作ることができるのか試してみることにした。

正直言って、カレーを自分で作ったのは、中学校の林間学校以来だろうか。ざっと20年以上は作ったことがない。以前プラモデルやラジコンカーに凝っていた時期もあるので、カッターナイフやペンチ、ドライバーなどの工具は使い慣れたものだが、包丁はここ数か月使った覚えがない。料理といえばインスタントラーメンか電子レンジでチンすればできるようなものしか作らない。そんな筆者がはたして上手にできるのか? ドキドキではあるが、新卒の新入社員にも作れるのに30代半ばの自分に作れない訳がない! と思いレシピ片手に台所に立ってみた。

レシピにはこう書かれている。「本格派欧風カレーのS&Bディナーカレーだからこそ、じっくり炒めた玉ねぎと牛肉だけを使ったカレーで最高級のカレーがとことん堪能できる。」確かにホテルなどのちょっと高いカレーには、人参やジャガイモといった具がゴロゴロ入っているイメージはない。しかし本当に玉ねぎと牛肉だけで最高級のカレーがとことん堪能できるのだろうか? 不安はよぎるがレシピ以外のこともできないので、まずは材料を用意した。

材料(5皿分):牛肉薄切り(200g)、玉ねぎ(中1と1/2個300g)、サラダ油(大さじ3)、水(650ml)、S&Bディナーカレー

手順(1)

フライパンにサラダ油を大さじ2を入れて、みじん切りにした玉ねぎをこがさないようにきつね色になるまでよくいためて、取りだします(玉ねぎは約1/3量になるまで、弱火で約30~1時間じっくりいためます)。

なに!? “みじん切り”だと!? いったいどうやるんだ!? しかし、ここはあせらずグーグル先生に聞いてみよう。素早く『Youtube』の「超速!楽々~玉ねぎのみじん切り」という動画を教えてくれた。さすがはグーグル先生である! 動画を3回ほどじっくり見て、いざチャレンジ! カッターのほうが使いやすいな。などと思いながらもなんとか成功。しかし大きさがバラバラである。みじん切りでいためるし、まぁ、いいだろう。そして“きつね色”になるまで炒める。せっかくだから1時間弱ほど炒めてみた。

はたしてコレがきつね色なのかどうかは、わからないのだが、時間は問題ないはずだ。ただ本を読みながらいためたので、ちょっとコゲてしまった。さて1時間以上かけて、やっと次の段階だ。

手順(2)

フライパンにサラダ油大さじ1を入れ3~4cm幅に切った牛肉を強火で約2分いためます。

これは楽勝だ。台所には立たない筆者ではあるが、バーベキューではもっぱら焼き係なので、強火でサっと焼くのは慣れたものだ。

手順(3)

鍋に(1)の玉ねぎと(2)の牛肉、水を加え、弱~中火で煮込みます(20分間)。

また20分も煮込むのか!? すでに1時間半はすぎているので、結構お腹が空いてきたが、もう少しの我慢だ。鍋に入れる水650mlの量というのが、いまいちわからない。計量カップなどあればいいのかもしれないが、そんな物もないので適当に近くにあったマグカップで2杯ほど水を入れてみた。とりあえず少なめにして必要ならポットのお湯でも後で足すことにしよう。

手順(4)

いったん火を止めてルウを割り入れ、よく溶かし、再び弱火でとろみがつくまで煮込んだら出来上がりです。

やっと最後のルウを入れる段階までやってきた! しかしやはり水が少なかったようだ、ルウを入れる以前に超ドロドロ状態だったので、カップ一杯のお湯を足してからルウを入れることにした。そして少し煮込めばもう、美味そうなトロミが出てきたので完成と判断した。

見た目もかなり美味そうだ! 子どもの頃に親が作ってくれた、ご飯にしみ込むサラサラのカレーでもなく、おばあちゃんが元気だったころに作ってくれた、片栗粉が入ったカレーでもない。ホテルやレストランで出てきそうな感じの出来だ。見た目ももちろんだが、問題は味だ。ドキドキしながらできたてのカレーを口に運んでみる……。

「美味いっ!!」

これはかなり美味しい。レストランで出てきても、別に不思議に思わない味だ。玉ねぎを時間かけていためたおかげか、玉ねぎの甘味とカレーの辛さが見事に共存している! 普通のスーパーで売っているカレールウと素人の料理テクニックでこれほどまでに美味しくできるとは感動である! これからは、カレーだけは自分で作っても良いと思うくらいだ。トータル約2時間ほどかかるが、家でこれだけの味を堪能できるのであれば、やってみる価値は十分だ。パソコンかプラモデルしかさわらない料理素人でも時間と手間さえかければ、究極のカレーが完成するのだ。これは本当におすすめしたい料理だと、心から思った。

画像:エスビー食品サイトより
http://www.sbfoods.co.jp/info/2010/100915_dinner/
その他の画像:筆者による撮影

※この記事はガジェ通ウェブライターの「さきえる」が執筆しました。あなたもウェブライターになって一緒に執筆しませんか?
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