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OKAMOTO’Sのアドレス帳 Vol.14 杏子 × ハマ・オカモト

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OKAMOTO’Sのメンバーが友人はもちろん、憧れのアーティストなどをゲストに迎える対談企画第14弾は、ハマオカモトが敬愛するミュージシャン杏子が登場。度々コラボレーションしている二人の出会いから、杏子が語るハマのジェントル・エピソードなど話は尽きません。

 

——ハマくんと杏子さんの最初の出会いは?

ハマ「最初は2012年のJAPAN JAMですね」

——OKAMOTO’Sのゲストとしてズットズレテルズが出演した日ですね。

杏子「そうだ、あのイベントのときだね。でも、その前から私のソロデビュー20周年のときに誰かとコラボしたいという話をしていたら、スタッフが『若手でめちゃカッコイイバンドOKAMOTO’Sがいますよ』と教えてくれて。それでCDを聴いたらホントに演奏が上手くてカッコよくて。イベントで会ったときに『あ、どうも』ってクールな感じだったら怖いなと思ってたのね(笑)」

ハマ「いやいやいや(笑)」

杏子「そのイベントで私はTRICERATOPSのゲストとして出演したんです。それで(和田)唱くんがOKAMOTO’Sのみんなを紹介してくれて。あ、そうだ、その前にライターの森田恭子さんが私の楽屋にたどり着けずにバックステージで迷子になっていたところをハマくんが『大丈夫ですか?』って彼女を私の楽屋まで連れて来てくれたんだよね」

ハマ「そうでしたっけ?」

杏子「そうなの」

——ハマくんのこういうジェントルマンエピソードはこの対談企画でもちょいちょい出てくるんですよね(笑)。

杏子「ハマくんは楽屋の前まで彼女をエスコートして、スッといなくなって。 森田さんも『ハマくんに連れて来てもらっちゃった』って恐縮していて。そのあとトライセラを通じてちゃんと挨拶して、林(幸治)くんが『あいつは性格もよくてベースも上手くてホントにイヤなんだよ(笑)』って言ってた」

ハマ「そんなことを言われていたとは(笑)。僕はBARBEE BOYSの大ファンだったので、トライセラのゲストで杏子さんが出演されるということで勝手にソワソワしていたんです。ご挨拶させてもらったときに『今後、何かご一緒できることがあったらぜひ』という話をしたら、そのあとすぐにご連絡いただいて。杏子さんがアルバム(『Sky’s My Limit』)でセルフカバーしたBARBEE BOYSの「タイムリミット」の演奏をOKAMOTO’Sで務めさせていただきました。しかもMVにも呼んでいただいて」

——ハマくんがBARBEE BOYSのファンになったきっかけは?

ハマ「東京事変がライブでBARBEE BOYSの『C’m’on Let’s go!』をカバーしていて。僕はもともと日本のバンドについて全然詳しくなかったんですけど、東京事変はすごく好きでツアーにもよく行っていました。でも、事変の歴史においてもほぼ唯一と言っていい日本のバンドのカバーを自分が行けなかったライブでやっていたので、気になって調べたらBARBEE BOYSの楽曲だとわかって。僕ら世代は事変を通してBARBEE BOYSを知った人が多いと思うんですよね。そこからBARBEE BOYSのアルバムを全部買いそろえて」

——BARBEE BOYSの音楽性において最も惹かれたポイントは?

ハマ「男女ツインボーカルでありながらパート振りがキッチリ分かれていて、会話のように掛け合いつつ、さっきまで歌っていたと思ったら急にサックスを吹いたり(笑)」

杏子「冷静に考えるとおもしろいよね(笑)」

ハマ「そんなバンドは世界中のどこにもいないなと思って。更に、調べたらギターのいまみち(ともたか)さんがほとんどの詞曲を担当していたというのも衝撃的で。少なくとも歌詞は、女性パートは杏子さんが、男性パートはKONTAさんが書いていると思い込んでいたので。異質でものすごくカッコいいバンドだなと思いました」

杏子「イマサ(いまみちのニックネーム)の書く歌詞やメロディは一筋縄ではいかないというか、かなり変わってるもんね」

——杏子さんもボーカリストとしてそこに面白みを感じていたのではないかと思うんですけど。

杏子「いや、難しくてなかなか無邪気に面白いとは思えなかったですね。新曲のデモができると、まずイマサがテストのように私とKONTAに歌わせて振り分けを考えるんですけど。KONTAは飲み込みが早いから、私は余計に焦ってアワアワしちゃって。イマサは厳しくて怖かったなあ。たとえば歌録りでOKテイクが出ても、誰かが『杏子の歌は正確でいいんだけど、テンションがなあ……』とか言い始めるとイマサに「もう1回歌って」って言われるですよ。それがイヤだったからいつもOKテイクが出たらすぐにスタジオから逃げてた(笑)」

ハマ「緊張感がずっとあったんですね」

杏子「めちゃくちゃ緊張感のあるバンドで。だから、『タイムリミット』をセルフカバーしたときもイマサに『やっていい?』って確認したのね。そしたらOKAMOTO’Sのことはさすがに知ってましたね。でも、私がイマサと仲よく話せるようになったのは最近なのよね」

ハマ「そうなんですか」

杏子「いつもピリピリしていて怖かったから。そういえば、『タイムリミット』をセルフカバーしたときにOKAMOTO’Sがアレンジを3パターンも考えてくれて」

ハマ「そうでしたね」

杏子「イマサに『このアレンジで落ち着きました』って報告したら、すごく喜んでた。そこで私も安心して(笑)。で、その翌年に『あなたにアディクション with いまみちともたか & OKAMOTO’S』を制作して。そこでまたちょっと距離が縮まって」

——バンドのメンバー同士というよりプロデューサーと歌い手のような関係性だったんですね。

杏子「そうそう。イマサは衣装のチェックとかも厳しくて。私はバンドに入る前はOLをやっていたし、当初はプロ意識も希薄だったんですよ。イマサはよく私のことを『バービーのころからお姫様でさ』って言うけど、それはプロデューサー的なサービストークというか。実際は全然そんなことなくて」

ハマ「それは全然知らなかったです。再結成は2008年ですよね。その時点ではメンバー間の関係性はフラットなんだと勝手に思っていました」

杏子「再結成後も唯一、ステージ上だけがやり逃げできる場所だった(笑)」

ハマ「やり逃げ(笑)」

杏子「再結成をしてからライブ後に初めてメンバーみんなとハグをしたのね。昔は『お疲れ!』って言うくらいで。私はライブが終わるとすぐに楽屋に戻っちゃうし、打ち上げもワイワイやる感じじゃなかったから。でも、再結成ツアーを大阪でやったときの終演後にKONTAがいきなりハグをしてきて。私はそこで『えっ!』ってビックリしちゃって。そのあと男子メンバーの楽屋に行ったらみんなでハグしていて。『なんだ、この光景は!?』って驚いたなあ(笑)」

——KONTAさんとのコンビネーションにおいてもずっと緊張感があったんですか?

杏子「KONTAは私より2週間お誕生日の早いお兄ちゃんみたいな存在で。プロモーションもよく2人で動いているなかで、いつも何気なく私をフォローしてくれていた。性格は江戸っ子気質なところがあって。でも、ステージ上では目を合わせなかった。目が合ったのは2回だけですね。パフォーマンスでもKONTAが右に行ったら、私は左に行くみたいな。2人ともお客さんのほうに向かって歌っているから、お客さんの中では世界観が完成されているんだけど、私とKONTAの絡みは一切なくて。でも、彼は音楽的な基礎もしっかりしているし、歌も上手いし、サックスも吹けちゃうから、どこかで彼にコンプレックスを感じていたところもありましたね」

ハマ「なるほど。そういう関係性も含めて、まさに唯一無二のバンドだと思いますね。過去のエピソードを聞いてもものすごく仲がよかったという感じがしないのが逆にファンとしてはうれしいというか。いちファンであってもこうしてお仕事をご一緒したら、もうその人のことは呼び捨てにできないんですよ。ファンって実際に会う前は呼び捨てにしがちじゃないですか。学生時代は『(奥田)民生』って呼んでいたけど、今やもちろん民生さんと呼んでいますし、杏子さんだし、イマサさんなんですよ。でも、バンドとしての憧れが強すぎて普通に『イマサ、カッコいいな!』と言いそうになるときがあって(笑)」

——当然のように海外のアーティストを呼び捨てにしてる感じに近いのかもね(笑)。

ハマ「そうです。まだENRIQUEさんとKONTAさんにはお会い出来ていませんが、BARBEE BOYSはその感覚が唯一抜けない日本のバンドなんです。先日もイマサさんプロデュースの杏子さんのニューシングル(「イカサマ美男子 feat.リンダ」)のレコーディングにレイジと参加させてもらいまして。イマサさんとスタジオでやり取りしているときもトークバックで『OKっす!』と答えているのですが、冷静に考えると『今僕にディレクションしてるのっていまみちともたかなんだよな』と思ったときに『OKですじゃねえわ!』と思ったり(笑)。その感覚はもちろん杏子さんに対してもあるんですけど」

——杏子さんは、BARBEE BOYSは80年代のあの時代だからこそ生まれ得たバンドだと思いますか?

杏子「どうだろう? ホントに偶然と必然が重なったというか。1983年に四谷にあったライブハウス、FOURVALLEYで私がバービーの前にやっていたアマチュアバンドと私が加入する前のバービーが対バンして。そのときバービーの曲にゲストボーカルで参加したんだけど、それがなかったら私はずっとOLをやっていたと思うし。けっこう優秀なOLだったから(笑)、会社の営業部の人たちにチケットを売って、たくさんの人がライブに来てくれてたんです。バービーに入らなかったらOLを続けてそのままお嫁にいってたと思う。バービーは男子メンバーだけでもデビューできたとは思うんだけど」

——でも、杏子さんが加入しなければBARBEE BOYSの完全独自のスタイルは生まれなかったわけで。

ハマ「そうですよね。たとえばOKAMOTO’Sの様にメンバー全員同級生で、その中に1人女子がいたという話でもないですしね。そういう偶然はなかなか起こり得ないと思います。解散後は再結成するとは思ってもみなかったですか?」

杏子「うん。最初は再結成自体をみんな嫌がっていたし。一度ケジメをつけたわけだから。でも、2008年に『SMAP×SMAP』で一夜限りの復活をして。そのときにやっぱり番組の中のたった3分間という時間に物足りなさを感じたんですよ」

——不完全燃焼だったけど、火が点いたというか。

杏子「そうそう。その流れでRISING SUN ROCK FESTIVALでライブをしたときにお客さんの歓声が今まで聞いたことのない地鳴りみたいにゴ―――ッ!って響いて。やっぱりかつては年間200本近くライブをやっていたバンドだから、その後ライブをやる度によくなっていったんですよ。そして、2010年にやった武道館ライブは過去のどのライブよりも最高の内容になったの」

ハマ「僕はまだ再結成後のライブを映像でしか観られていないので。本当にまたライブをやってほしいです」

杏子「私もすごくやりたくて。あっちこっちで言ってるんですよ」

ハマ「僕が『やってほしい!』ってとにかく言い回ってみようかな(笑)」

杏子「言って! 言って!(笑)。バンドって続けていくことがシンプルだけどすごく難しいから。OKAMOTO’Sもこれからいろんなことがあるだろうけど、絶対に解散というピリオドを打たないでほしい」

ハマ「はい。今はバンドが分裂することは考えられませんが、キャリアを重ねるほどバンドを続けていく難しさを理解できるようにもなってきている気がします」

杏子「私はOKAMOTO’Sの作品を聴いていて、つねにチャレンジしているところがいいなと思う。『OPERA』も新曲の『BROTHER』も新しいチャレンジをしてるよね」

ハマ「そうですね。新しいことにトライしてますね」

杏子「そういう姿勢がすごくカッコいいし、ひとつのスタイルに凝り固まってないところがバンドっていいなって思う。OKAMOTO’Sは幼なじみの少年たちが自分たちで作った基地でいろんな実験をしながらおもしろい曲が生まれてるという感じに映るんですよね」

——杏子さんもつねに若々しいですよね。それは先ほどのハマくんとのフォトセッションでも感じましたけど。

杏子「柔らかくありたいなと思っていて。ジェーン・バーキンさんや桃井かおりさんみたいないい女たちに会うとみんなすごく物腰が柔らかいんだよね。キャリアを積んで確固たるスタイルを持ってるんだけど、いろんな物事を柔軟に受け入れてる。ラジオでジェーン・バーキンさんがゲストにいらしてくださったときに彼女が四つ折りにしたA4の紙を持っていて。『それはなんですか?』って訊いたら、おもむろに紙を広げて『これは私の大事なアドレス帳なの』って言って、そこにいろんな人の連絡先が書いてあったの(笑)」

ハマ「なんでもノートですね(笑)。本当に杏子さんはつねにエネルギッシュですよね」

杏子「柔らかく、かつヤンチャでいたいなって思う。それで落ち着きがないってよく言われるんだけど(笑)」

ハマ「この前もレコーディングのときにスタジオでメロディの確認をしていて、僕は杏子さんの横に立っていたんですけど。杏子さん、目の前に鉄の骨組みがあるのにそれが見えてなくておもいっきり頭をぶつけていて(笑)」

杏子「そういうのがしょっちゅうある(笑)」

ハマ「そこが最高なんですよ、杏子さんは(笑)」

 

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後日当選された方にはいただいたメールアドレス宛にNeoL編集部よりご連絡させていただきます。

撮影 倭田宏樹/photo  Hiroki Wada(TRON)

取材・文 三宅正一/interview & text  Shoichi Miyake

企画・編集 桑原亮子/direction & edit  Ryoko Kuwahara

 

 

杏子

9月28日発売

『イカサマ美男子 feat. リンダ/Magenta Butterfly』

 

 

OKAMOTO’S

オカモトショウ(Vo)、オカモトコウキ(G)、ハマ・オカモト(B)、オカモトレイジ(Dr)。2010年5月にアルバム 『10’S』、11月に『オカモトズに夢中』、2011年9月に『欲望』を発売。2013年1月に4thアルバム『OKAMOTO’S』を発売し、7月に は両A面シングル“JOY JOY JOY/告白”を、11月6日にニューシングル“SEXY BODY”をリリース。2014年1月15日に岸田繁(くるり)を迎えた5th アルバム『Let It V』を、8月27日にはRIP SLYME、奥田民生、黒猫チェルシー、東京スカパラダイスオーケストラ、ROY(THE BAWDIES)らとコラボを果たした5.5 thアルバム『VXV』を発売。2015年9月30日、6thアルバム『OPERA』をリリース。2016年6月1日にNetflixドラマ「火花」の主題歌となる「BROTHER」を表題曲にしたシングルをリリース。また、同年6月3日から全国47都道府県を巡る「OKAMOTO’S FORTY SEVEN LIVE TOUR 2016」を敢行中。

http://www.okamotos.net

杏子

1960年長野県生まれ。1984年、BARBEE BOYSのボーカルとしてメジャーデビュー。1992年、バンド解散を機にソロデビュー。オーガスタ所属のアーティストで構成されるユニット「福耳」としての活動も注目を集める。ミュージシャンとしての活動のほか、ラジオパーソナリティや、舞台・映画に出演するなど、アーティストとして幅広いジャンルで活動中。

http://www.office-augusta.com/kyoko/

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