体験を伝える―『ガジェット通信』の考え方

面白いものを探しにいこう 本物を体験し体感しよう 会いたい人に会いに行こう 見たことのないものを見に行こう そしてそれをやわらかくみんなに伝えよう [→ガジェ通についてもっと詳しく] [→ガジェット通信フロアについて]

映画「シン・ゴジラ」に学ぶ、非常時におけるベストなチーム編成とは

f:id:atsushimatsuoka:20160816165317j:plain

(C)2016 TOHO CO.,LTD.

たった一本の映画が人生を変えてしまうことがあります。そんな「運命の映画」には、必ず「刺さるセリフ」があるものです。

映像、音楽、衣装など、総合芸術と呼ばれる映画にはたくさんの見どころがあります。中でも私たちの胸を強く打つのが、登場人物たちが語るセリフ。悩んだとき、落ち込んだとき、人生に足踏みしてるとき。たった一本の映画の、たった一言が、その後の自分を大きく揺さぶることがあるのです。そんな「運命的な映画のセリフ」を、筆者の独断と偏見でお届けするこのコーナー

今回ご紹介するセリフは、この夏、大きな話題となっている『シン・ゴジラ』(2016)から。1954年公開の初代『ゴジラ』以来、何作もシリーズ化され、ハリウッドでもリメイクされた作品の本家日本最新作。アニメ『エヴァンゲリオン』で有名な庵野秀明が脚本・総監督を務めたことでも知られ、その期待感を大きく上回る反響が寄せられています。

『ゴジラ』は一度も観たことがない、という理由から敬遠されるかもしれない本作品。その強烈なビジュアルから怪獣が大暴れするだけのシンプルな映画に思われがちですが、実は私たち日本人がいま考えるべき骨太な社会派ドラマでもありました。劇中で大きな役割を果たす場所、東京は立川の映画館で鑑賞し、びしびしリアリティを感じてきた筆者がお届けします。

※このあと、ややネタバレを含みます。まったくの事前情報なしに作品を楽しまれたい方は、鑑賞後にお読みください。

東京湾上に巨大生物が出現

時は現代。東京湾アクアトンネルが巨大な轟音とともに浸水し、崩落する原因不明の事故が発生。不測の緊急事態に内閣総理大臣はじめ閣僚級のメンバーが首相官邸に集められ、原因の究明と対策を打ち立てるべく話し合いの場がもたれます。

総理に対して各省庁のトップがそれぞれの見解を述べ、原因は地震や海底火山という意見が大勢を占めるなか、内閣官房副長官の矢口蘭堂だけは「何者かが海底にいる可能性があります。巨大な生物と推測します」と指摘。ところが会議では「まさか」と一笑に付されてしまい、内閣総理大臣補佐官の赤坂には「総理レクは先に結論ありきの既定路線だ」とたしなめられる始末。矢口が指摘する通り、実際は「生物」であるというのに。

意思決定の手順を何より優先し、どこか楽観的に事態を見守る閣僚たちの対応が後手後手にまわる一方、のちにゴジラと名づけられることになる巨大生物は東京湾から上陸。圧倒的な破壊力とスピードで蒲田や鎌倉周辺を蹂躙していきます。そうして被害規模が拡大するなか、予測のつかない巨大生物の動きを食い止めるべく、矢口をリーダーとする巨大不明生物特設災害対策本部、略して「巨災対」が急きょ設置されます。

f:id:atsushimatsuoka:20160816165407j:plain

(C)2016 TOHO CO.,LTD.

チームの指針は「査定なし」

役職や手順が重視される閣僚会議とは対照的に、さまざまな肩書きの、さまざまな個性をもつ「くせ者」たちが集められた巨災対。矢口事務局長は開口一番、メンバーたちに対策室の指針を語り始めます。

「本対策室の中では、どう動いても人事査定に影響はない。なので役職・年次・省庁間の縦割りを気にせず、ここでは自由に発言してほしい」

1 2次のページ
リクナビNEXTジャーナルの記事一覧をみる
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。