京都・左京区でいただく信州、山の恵み! ジビエ料理店「お狩り場」で気分はマタギ!?

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京都にある信州!

京都市左京区は東天王町という、平安神宮や動物園などもある岡崎エリアからほど近い場所ながら、意外と知られていない場所にそのお店はあります。

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京都にあって信州料理専門店とは、これいかに! マンションの1階、少々古めかしい雰囲気もありますが、看板はちゃんと出ています。

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元気が出そうなビジュアル。猪が肉を食うというシュールなビジュアルですが……。

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なんとも懐かしさも漂う写真メニュー。これはいい感じ! さっそく入店してみます。

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丸太などを使って組んである、ログハウス調で暖かみがある店内。薄暗いです。

「いらっしゃい、こちらへどうぞ」

すっと現れたご主人が、優しく声をかけてくれるので、早速撮影させてもらいました。

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「今日は雨で暇そうだし、ごゆっくり」と、店主の青木隆昭さん。すかさずおしぼりが出てきました。洗剤の香り、家庭の匂いがする気さくなおしぼり。このお店の気取らなさを表しています。

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「うちは信州の猪ぶたが看板メニューですよ。とりあえず、適当に出しましょうか」と青木さん。お願いします! と返事をしつつ、猪ぶたって……? という疑問が。

猪♂ × ぶた♀ = 猪ぶた

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「はい、これが猪ぶたの肉ね」、どどんと無造作にお肉がやってくる。

見た目はぶた肉に近い雰囲気ですが……あまり耳にしたことがないですね。というか、これで1人前ですか。ボリューム満点だなぁ。

聞くと猪ぶたは、メスのぶたと猪を交配させた動物で、基本的にはあまり流通するものではなく、養豚業の方々が自分たちで食べたりして楽しむものなのだとか。

それが、ここでは青木さんの長野県下高井郡のご実家で育てている猪ぶたを直接仕入れているので、貴重なお肉を京都の街なかでいただけるというわけです。

「味は、ぶたと猪の美味しいとこばっかり持って生まれてくるんだよね」とのこと。早速、店内にて炭火で焼いてくれます。

f:id:mesitsu_la:20160428171847j:plainジュージューと香ばしい香りがただよってきました。 f:id:mesitsu_la:20160428171848j:plain

焼けたら、味噌だれをかけて完成。この調理場の風合い! アウトドア感!

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▲猪ぶたブツギリバーベキュー 1,450円

「はい、どうぞ!」と渡された大皿から立ち上る、信州味噌のいい香り! 部位は様々に炭で焼いてくれます。

さっそくいただくと、ジューシーなお肉で、猪の旨みというのか、ジビエらしいコクがありますが、脂は全くしつこくなく、ぶた肉のような甘さもあります。ちょっと懸念していたようなクセも全然ないし、とても美味しいお肉!

ご飯3杯はいける!

さらに信州の味覚をいろいろお願いしたところ……

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▲イナゴ 340円、蜂の子 910円

出ました! どちらも甘辛く炊いた佃煮です。京都ではなかなか食べられない珍味。見た目は確かにウッ……と躊躇してしまいますが、大丈夫!

甘辛い醤油で炊かれていますし、イナゴは殻が揚げ物みたい、蜂の子はクリーミーな食感なので、一匹食べれば「これは美味しい食べ物!」と認識しちゃうはず。

お酒も進みます!

「イナゴというのは、“稲子”とも書くそうで、稲の汁だけを食べるから、雑味がなく美味しい」と聞いて、なるほどー! (昆虫食は筆者の好物であるため、ここはすんなり流します)

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▲馬刺し 1,135円

はい、信州といえば、馬刺しも有名ですね。さっぱりとした赤身の肉肉しさと、独特の脂肪分の旨みとコクが合わさってこれはたまりません!

その他にもメニューには、キノコや野沢菜、くるみ、信州五平餅など信州の味覚がたくさん。そして、山の幸として、夏は渓流魚のイワナやアマゴ、冬になると猪ぶた鍋やボタン鍋、熊鍋なんかもあるそうで。

ジビエが気軽に食べられるっていいですね〜

私が獲った鹿や猪なんかも出しますよ

!!!

聞くと、青木さんのご実家は農家と林業を営んでおり、父親の影響から青木さん自身も18歳のときに狩猟免許を取得した、50年のキャリアを持つ現役バリバリの猟師さん!

そもそも、ご実家で農家と林業を営んでいた青木さんは、京都出身の奥様と長野で結婚されたことを機に、35歳で京都へ来られ、お店を開業しました。当時は、もう少し北のエリアにお店があったのだとか。1992年にこちらの場所に移転し、今年でお店は35年目になるそうです。

山の人ゆえ「海のものは使わずにやってやる」という思いで、信州の幸を中心に、山の恵みをいただけるお店になったのだとか。料理の腕も、山の中で猟師さんたちが自分たちの食事のために磨いたのみという自己流オンリー! まさに猟師メシが食べられるお店なのです。

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冬になると各テーブルに炭が入って囲炉裏になるそう。

「お狩り場」という名前も借りをする場所という意味の「狩り場」が元になっていて、もともとは「お」が付いてなかったのが、自然に「お狩り場」と呼ぶようになったそう。確かに看板には「お」はついていませんね。

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最初に戻って看板を再確認。「お」がついたのは語感の良さからか、はたまた信州の恵みへの畏敬か。

猟師さんとしても現役である青木さんは、狩猟の季節である冬になり、大原や朽木などの京都滋賀の山々で猪や鹿が出たという話をもらうと、狩りに出かけ、その肉をお店で出したりするのだそう。

「捕りたてが旨いとも限らないけどね。冷蔵庫で寝かした方がうまかったりするから」

そのため、お客さんも林業や狩猟関係のお客さん(最近は女子も多いらしい!)も多く、山小屋のような雰囲気になることもしばしば。「ワナの仕掛けかたを教えて」とか、そんな会話が出ることもあるとか。

「猪肉だとほっぺたが絶品やね。煮ても焼いても全然硬くならないのよ。あと、熊のタン(舌)をスモークにして食べると旨い」とうれしそうに話す青木さん。

猟師さんたちは、狩りのために山へ数日入った際、食事をしたり、拠点にするための小屋を建てているそうですが、まさにこのお店は、狩り場の山小屋! 京都の街にあって、タイミングが良ければ、フレッシュなジビエに出くわすことがあるかもしれない貴重なお店です。

※ 金額はすべて消費税込です。

店舗情報

お狩り場

住所:京都府京都市左京区岡崎東天王町 43-4 レジデンス岡崎1F

電話番号:075-751-7790

営業時間:17:00~23:00

定休日:月曜日

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書いた人:

松永大地

1981年、静岡県生まれ。大学から京都に住み、早17年。出版社、大学勤務を経てフリー。唐揚げとミルクが好物です。お酒は極めて弱く、チューハイ2杯が限界ですが、酒場とアテは好き。

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