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マンション理事会のお悩み[2]漏水が発生…保険で補償される?

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ある保険会社の調査では、築20年を超えるマンションで発生する保険事故のうち「漏水」が約7割を占めており、当然ながらダントツの1位です。

ただ、一口に「漏水」と言っても、その原因や被害が生じた場所や状況はさまざまです。実際の事例をもとに、トラブルを早期に解決するために役立つ知識をご紹介します。【連載】マンション理事会のお悩み相談

マンションは、いろんな価値観をもった人たちが住む集合住宅。直面する問題もさまざまです。でも理事会では経験豊富な人が少なく、解決が難しいこともあります。

今回は、日々、理事会から多くの悩み相談を受けているマンション管理士が、そのなかでもよくある問題をご紹介し、解決方法を提案します。

事故の当事者の保険がなくとも、管理組合の保険で補償される!

管理組合では、共用部を対象とする火災保険に加入しているのが普通です。火災保険とはいっても、実際には破裂・爆発などの事故、自然災害(落雷、風災、雹(ひょう)災、雪災)、物体の飛来・落下などによって建物や設備に「突発的な損害」をこうむった場合も補償の対象に含まれます。

この火災保険をベースに、「特約」として共用部分が原因で他人の身体や財産を毀損(きそん)した場合の補償【施設賠償責任補償特約】、専有住戸に起因する事故で他人の身体や財産に損害を与えた場合の補償【個人賠償責任補償特約】の2つを加えるのが一般的です。

さらに「地震保険」を付ける場合もありますが、加入率は全国平均で2割強にとどまっています。これらを総称して「マンション総合保険」と呼びます。

【表1】「マンション総合保険」の補償について(資料提供/村上智史)

本記事では、管理組合として最も標準的な加入パターン(火災保険・施設賠償責任補償特約、個人賠償責任補償特約の3点セット)を前提として、実際に起きた漏水事故での対応事例を検証してみましょう。

上階浴室内のシャワーヘッドが落下して止水ボタンが解除されたために、階下に漏水したケース

専有住戸の事故で頻発するのが、浴室や洗濯パンからの漏水です。原因は居住者による不慮の事故であることが多く、本来は加害者・被害者の当事者間で解決すべき問題とも言え、管理組合が関与する余地はなさそうだと考えがちです。

しかし、そんなことはありません。このようなケースでは、「個人賠償責任補償特約」が活用できます。下階の被害者から賠償請求された場合、上階の加害者が管理組合(理事長)に事故の報告をして保険適用を申請すれば保険金が支払われます。つまり、加害者が個人的に賠償責任保険に加入していなくとも、被害者は管理組合の保険で救済される、というわけです。

なお、この場合加害者が区分所有者でなく、管理組合とは関係のない「賃借人」だったらどうなのでしょう?この場合もやはり保険金は支払われます。

というのも、この保険は「専有住戸の使用等に起因する事故」であることが要件となっているため、「加害者が誰か」までは問われないからです。もちろん、区分所有者の家族でも大丈夫ですから、念のため。

老朽化した給水管など共用部分から漏水して住戸内が被害を受けたケース

このような場合、事故が起こった時点ではその原因がよく分からないことが多いのが実際です。そのため、まずは「水濡れ原因調査」を行う必要があります。この調査に要する費用は補償の特約に含まれているので、実費相当は補償されます。管理組合の役員さんは、ぜひ覚えておいてください。

そして調査によって、共用設備の老朽化が原因と判明した場合、今度は「施設賠償責任補償特約」の適用を受けて補償されます。ただし、原因となった共用設備自体の修繕費用は、単なる老朽化であり、突発的な事故ではないため保険金では賄えません。あしからず……。

「雨漏り」などによる補償は対象外!

最後に、漏水事故について覚えておいてほしい注意点が1つあります。

風雨、雪、雹(ひょう)に類するものの、吹き込みや漏入による損害は「保険会社の免責事項」に含まれています。そのため、例えば屋上防水シートの劣化が進んだ結果、最上階の部屋で雨漏りが発生したとしても補償はされません。管理組合は計画的な修繕を怠らないようにしてください!

いかがでしたか? 万が一の事故やトラブルに備えて加入しているのが保険なのですが、特に「マンション総合保険」については補償範囲が広いので意外に役立つことをご理解いただけたのではないでしょうか。

まさに、知っているか、知らないかでその後の対応も大きく変わってきます。まずは、ご自身の管理組合が加入中の保険をチェックしておきましょう。●株式会社マンション管理見直し本舗
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