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ブラック企業を見ぬく為の たった5つの方法

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ブラック企業を見ぬく為の たった5つの方法

今回はだいちゃんさんのブログ『1級身体障害者が法律家を目指すブログ』からご寄稿いただきました。

ブラック企業を見ぬく為の たった5つの方法

最近受けた法律相談の中で、これは恐ろしい契約書だ! と思ったものが色々とありましたので、その項目を幾つか抜粋して紹介していきたいと思います。

【1】契約書ではなく、誓約書だった。

一般の人は、契約書に関してもよく分からず適当にサインしてしまう方が多いと思います。誓約書と契約書の違いも違いも、分からない人多いですよね。そこを悪用して、“契約書”ではなく“誓約書”を書かされた、という事例がありました。

■契約書

契約書」とは本来、双方が同意して契約を行い、それを証拠として残しておくものです。

例えば、企業側は時給1000円払います。労働者側は真面目に仕事をします、などが契約ですよね。そして、どちらかがその約束(契約)を破った場合には、損害賠償請求の対象となる(話し合いで解決できない場合は、裁判になる)その時の証拠として、契約書が必要になります。

双方が同意、納得して契約を行うことを“双務契約”といいます。
では、“誓約書”とは一体何なのか。

■誓約書

誓約書とは、一方的に約束をさせる、縛り付けるものです。例えば、浮気をした旦那に対して、
「今後二度と浮気をしません。した場合には、離婚に応じます」
と書かせること、などです。

一方的な契約内容なので、これを“片務契約”と言います。

会社に就職する場合などに交わす書面は普通、契約書です。それとは別に誓約書を書かせることはあります。

しかし、その誓約書の内容は、就業規則を守ること、などの一般的な内容なのが普通です。なので、例えば罰金規定など、明らかにおかしな内容のものは無効となります。また、そのような内容の誓約書を書かせる会社は、おかしな会社だと疑ったほうが良いでしょう。

もちろん、最初に書いた通り、契約書は存在しないのに誓約書を書かせるような会社もです。

【2】契約書の内容に、遅刻に対する罰金規定があった。

労働基準法 第16条 (賠償予定の禁止)

使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。

以上のような条文があります。なので、罰金規定というもの事態が違法であり、無効で

しかし、就業規則で定めることは可能です。でも、その場合には、

労働基準法 第91条 (制裁規定の制限)

就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が1賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えてはならない。

という法律を守らないといけません。

例えば、月収20万。月20日勤務の場合、日当1万円という計算ですよね。

10000÷2=5000円

これが1回当たりに許される罰金の金額です。そして、

200000÷10=20000円

これが、1月当たり、最大で請求出来る罰金の金額です。なので5000円×4回までは就業規則に記載してあった時のみ請求できます。それ以上請求するのは違法です。

しかし、まともな企業は罰金規定など就業規則に記載しません。そのような記載がある時点で、その会社についておかしな会社だと疑ったほうが良いでしょう。
(元々、罰金規定は水商売などで多いのです。水商売なんて無法地帯ですからね……)

【3】勤務地は福岡なのに訴訟時の裁判所の指定が東京

例えば、本社は東京だけど自分は福岡の支店で勤務をしているとします。

この場合、訴訟を行う時は、“管轄の裁判所の合意がなければ”福岡地方裁判所などで行われます。

しかし、恐ろしいことに、契約にこの「管轄の裁判所の合意」の記載があり、サイン&押印してしまった、という事例があります。

「訴訟時の管轄の裁判所は東京地方裁判所とする。」

インターネット上のサイトの利用規約などはこのように書いてあることが多いですよね。まぁ、日本のIT企業なんてろくな会社がないのと、訴訟を起こされることが多いので少しでも負担を減らすために仕方がないのでしょうが。

こう書かれていた場合、こちらが訴訟を起こすにも、訴訟を起こされた場合にも、東京まで行かないといけなくなります。行かないとどうなるのか。

「負け」
が確定します。損害賠償金を払わないといけなくなります。

例えば日本のIT企業なんかは、一般人に訴訟をふっかけたりしていてはマスコミなどの報道により会社のブランドイメージが傷つくので、一般人に対しては簡単に訴訟は起こさない。主に自分の会社が訴えられた時のためにこのような規定があるのでしょうけど、私が見た事例は、上記に書いた

【1】【2】【3】

全てが入った状態(他にも罰金や損害賠償規定、具体的な金額が書かれたものが幾つもあった)でこのような管轄の裁判所の合意の記載があったので、正直、本社はヤクザの事務所なんじゃないかと思いました。

極めつけに、

【4】契約書の枚数がやたら多い

まともな企業と契約を行う場合、契約書の枚数は1~2枚ほどで済みます。派遣など法律の多く絡む仕事ならもう少し多くてもおかしくないでしょう。

私が見たものは、
“5枚”
です。明らかに、やましいことがある、過去に訴訟を何度も起こされたから防衛のために契約内容をガチガチに固めたのでしょう。逆に企業イメージを悪くする原因になるというのに……。

そういう企業に限って、契約内容が、

【5】一方的に労働者に不利な内容

なのです。

だいたい、企業側は損害賠償請求には応じません。労働者側は~という場合には損害賠償金を支払うことを命じられてもこれを拒みません。

ということが、幾重にも重なって書かれています。

さいごに

労働契約を含め、契約とは、
“双方が気持ちよく・問題なく仕事をできるように”
行われるものです
。どちらかが、どちらかを縛るようなものであってはなりません。しかし、資本主義の日本ではどうしてもお金を払う側(特に企業)が強くなりがちで、労働者側は自分に不利な契約内容であると分かっていても、仕事を得るために契約を結ばなくてはならないことが多々あります。

しかし、それでもほんの少し、例えば上記に掲げた5つのことに気を付けるだけでも少しは違ってくる。無駄な争いを避けることができます。

この不景気で不当解雇がどんどん増えていっています。自分を守ることができるのは自分だけです。
普段から、自分でも労働基準法・契約法・労働者派遣法などを学び、しっかりと自己防衛して欲しいと思います。

そして、自分では手に負えそうにない場合には、法テラス、労働弁護団、その他法律の専門家(認定司法書士・特定社会保険労務士 など)に迷わず相談することをお勧めします。初回無料で相談に乗ってくれるところも多いです。

(※認定司法書士と司法書士 社会保険労務士と特定社会保険労務士は違うでの注意。あと、行政書士や司法書士は労働法が試験科目にないので苦手な方が多い)

尚、労働関係の訴訟の代理(代わりに裁判してもらう)のは、弁護士にしかできません。

・日本労働弁護団ホームページ
http://roudou-bengodan.org/
・法テラス
http://www.houterasu.or.jp/index.html
・厚生労働省 労働基準監督署の全国所在地
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/location.html
・ジャストアンサー 雇用・労働  (雇用労働の専門家がネットで質問に答えてくれるサイト)
http://www.justanswer.jp/
・日本人材派遣教会 法律・苦情相談/キャリアカウンセリング
http://www.jassa.jp/association/advice/

(労働基準監督署は、明らかな法律違反でない限り、なかなか動かないのであまりあてにしないほうが良いかもしれません)

執筆: この記事はだいちゃんさんのブログ『1級身体障害者が法律家を目指すブログ』からご寄稿いただきました。

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記者:

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