イライラ、怒り、不安…すぐ感情的になる人が踏むべき4ステップ

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イライラ、怒り、不安…すぐ感情的になる人が踏むべき4ステップ

仕事で、理不尽なことで怒られたり、あるいは家庭内でいざこざがあったり、怒りや不安、苛立ちといったマイナスの感情によって、平常心でいられないことは誰にでもあるはずだ。

こんな時、感情に流されてしまうと、目の前の物事に集中できず、時に大きな失敗につながる。感情的になりそうな時に自分の心を自分で立て直すことができるか。「メンタルコントロール」は私たちの人生に直接かかわってくると言っていい。

この分野で最近注目を浴びているのが「マインドフルネス」という考え方。日本語に直訳すると「注意深さ」という意味になるのだが、この言葉の持つ意味はより大きい。
今回は『心を整えるマインドフルネスCDブック』(あさ出版刊)の著者、人見ルミさんにお話をうかがい、「マインドフルネス」とは何か、どんな取り組みをするものなのかを聞いた。

――まず、本書で取り上げられている「マインドフルネス」とは何かについて教えていただけますか。

人見:マインドフルを日本語で直訳すると、「注意深い」という意味になります。
マインドフルネスは、注意深く、それでいて穏やかで集中した心の状態をいいます。

現代人は、多忙で人間関係も難しく、常に心がざわついたストレスの多い状態です。
そんな心の状態のままで仕事をしていればパフォーマンスは下がりますし、集中力を欠けているとミスが起こりやすくなります。また、職場や家庭での人間関係が良くないと、当然幸せを感じることができず、イライラや孤独感が募り、身体への影響を及ぼしかねません。

マインドフルネスな状態とは、それらのネガティブで苛立った状態から、より健全で幸せな心持ちへと引き戻す・・いわば心が穏やかに整った状態をいいます。

――実際、何かにつけて感情的になってしまい、気分が落ち着くまで何も手につかない、といった状態では何をやるにしても損をしてしまいます。こうした人に対して「マインドフルネス」の考え方ではどんな指導をしていくのでしょうか。

人見:1つ目には、脳科学の視点から、集中できていない雑念の多い状況の時、脳内ではどうなっているのか?脳内スキャン画像などを見ていただきながら、集中できてストレスが少ない時はどうなっているのかを理論的に解説し、自分の脳の状態を認知していただきます。

2つ目には、脳内でおきた現象(例えばイライラするなど情動に動かされているとき扁桃体という部位が活動をしているなど)を認知してもらいます。

3つ目に、呼吸法をしていただくトレーニングをして、心の穏やかさを確認していただきます。

4つ目に、瞑想のやり方を知っていただき、実際に体験してもらいます。

――たとえば怒りについて。「怒りに支配されてしまう人」もいますが、「怒りを力に変えることができる人」もいます。両者の違いはどんな点にありますか?

人見:感情をそのまま注意深く俯瞰できるか、できないかの違いです。

怒りに支配されているとき、それは、あたかも川の上を流れているたらい桶の中に自分自身が丸ごと入っていることをイメージしてください。たらい桶に入っている間は、自分自身を見失って、暴言を吐いたり、思わず反射的な行動に出たりすることで、感情と自分が一体化して冷静さを欠いた状態となり、結果は川の先にある滝壺に落ちていきます。

そのときは、正しいと思い込んでいても、冷静になれば間違った判断であったと後悔することが多いでしょう。(例えば国家同士であれば戦争に発展し多くの犠牲を払います)

怒りを力に変える人は、自身の感情を俯瞰して、その事実をありのままに観ることができます。したがって、「自分は怒っている」「けれど、これは必ず時間がたてば落ち着いてくる」ことも冷静に観ることができるようになるので、その怒りの根源はどこから来ているのか?自分の奥深くを観察することができ、表現の仕方や対処の仕方(怒りの矛先)をプラスに変えていくことができるのです。例えば、マザーテレサはインドの路上で亡くなってゆく人を見て、インド政府や国民に激しく訴えるということはしませんでした。結果、自身で一つひとつの行動をとり、人を救うこと、祈ることで怒りや悲しみをプラスに変えてゆくことができたのです。

――自分の精神状態をコントロールすることの大切さは、スポーツの世界などでは古くから知られていましたが、一般の社会人にまでメンタルコントロールが普及しはじめたのは最近のことのように思います。この背景にはどんなことがあるとお考えですか?

人見:インドでは4000年も前から、「バガバットギータ」などの古典叙事詩に「人の心をいかにコントロールすべきか」が書かれていました。その方法としてヨガや瞑想の考え方や実践法が著されていたのですが、現代まではその手法について、体系立てられた文献は少なく科学的根拠に基づいて教える人は少なかったのです。しかし、一部アスリートの方たちにおいては、コーチ自らが学び根拠を導き出すことで、競技の結果が出ていたということで実践され続けていました。

そして、近年になり、脳科学の発達から脳画像スキャンなどの研究が盛んに行われ、メンタルコントロールにおける臨床実験やエビデンスが多いに蓄積されるようになりました。

ここ数年で、脳神経学者たちが公の場でメンタルコントロールの必要性やマインドフルネスを通していかにストレス軽減が確立できているかがレポートされ、マスコミや一流雑誌(たとえば、アメリカでは TIME誌や日本では日経サイエンスなど)で取り上げられたことから、一般の方々に普及され始めているという経緯があると考えられます。
(後編につづく)

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