体験を伝える―『ガジェット通信』の考え方

面白いものを探しにいこう 本物を体験し体感しよう 会いたい人に会いに行こう 見たことのないものを見に行こう そしてそれをやわらかくみんなに伝えよう [→ガジェ通についてもっと詳しく] [→ガジェット通信フロアについて]

映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー2」に学ぶ、事件のトリガーになるセリフ――人生を変えた映画の言葉

f:id:atsushimatsuoka:20160324232811j:plain

(C) 1989 Universal Studios. All Rights Reserved.

たった一本の映画が人生を変えてしまうことがあります。そんな「運命の映画」には、必ず「刺さるセリフ」があるものです。

映像、音楽、衣装など、総合芸術と呼ばれる映画にはたくさんの見どころがあります。中でも私たちの胸を強く打つのが、登場人物たちが語るセリフ。悩んだとき、落ち込んだとき、人生に足踏みしてるとき。たった一本の映画の、たった一言が、その後の自分を大きく揺さぶることがあるのです。そんな「運命的な映画のセリフ」を、筆者の独断と偏見でお届けするこのコーナー

今回ご紹介するセリフは、タイムマシン「デロリアン」で過去や未来を駆け巡るSF映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』(1989年)から。第一作で無事に1985年に帰ってきた登場人物たちが次に向かった未来は2015年という設定で、私たちはすでに「それより先の未来」を迎えているわけですが、それでも劇中に登場する「空飛ぶクルマ」や「ホバーボード」「自動乾燥機つきの服」といった、まだ実現していない、でも実現するかもしれない近未来にワクワクが止まりません。

そして個人的にも続編『2』の方が好きな理由がもうひとつ。それは主人公のマーティーが放つ「とあるセリフ」が、いや性格が、時代を変えるトリガーになってしまう面白さがあるからです。

マーティーの憎めない弱点

ちょっぴり背は低いけれど、爽やかなベビーフェイスの持ち主であるマーティー。悪い奴らにひるまない勇敢さと、彼らを手玉にとる抜群の運動神経があり、女心を鷲づかみにしてしまう男です。ジェニファーという美人の彼女がいるのも納得。しかし魅力的な登場人物には、必ずと言っていいほど「弱点」があるものです。むしろ弱点があるからこそ魅力的に映るのかもしれません。

その兆候は第一作からありました。とある場面でギターをかき鳴らす機会が訪れるのですが、初めこそ自慢のテクで客をノリノリにするものの、自分自身も客そっちのけでノリノリになってしまい、ステージ上でひんしゅくを買ってしまいます。マーティーにはふと我を見失ってしまう、少々抜けたところがあり、だからこそ私たちは彼に魅せられてしまうのでしょう。

ところが続編では、そんな性格が災いします。

チキンにカチン

f:id:atsushimatsuoka:20160324232548j:plain

頭のネジが外れたニードルス。頭がショートしているクリフ。現代でも未来でも、彼らは事あるごとに優等生のマーティーを挑発してきます。「このチキン(腰ぬけ)が」と。このチキンという言葉にマーティーはめっぽう弱い。心の奥底にひそむ臆病さをズバリ指摘されてしまった裏返しなのか、あるいはただの負けず嫌いなのか、マーティーはチキン呼ばわりされると怒りのスイッチが入り、いつも我を見失ってしまいます。そしてこう言い放つのです。

Nobody calls me chicken!(おれを腰ぬけと呼ぶな)

実はマーティー、「チキン~」よりもひどい侮辱をされることもあります。一番の悪役ビフに頭をコツコツ叩かれ、「Hello! Anybody home?(おーい、誰かいるか=お前の頭は空っぽなのか)」と馬鹿にされるシーンがあるのですが、これについてはマーティーの怒りスイッチは入りません。こちらもなかなかの挑発行為だと思うのですが、なぜか「チキン~」ほどではないようです。よほど言われたくない言葉なのでしょう。

1 2次のページ
リクナビNEXTジャーナルの記事一覧をみる
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。