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歯石で考古学のナゾがわかる? 骨や歯の25倍のDNA情報が

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歯周病の原因となる「歯石」。食事のたべかすや細菌が、歯の表面や歯根部分に被膜をつくったものを「歯垢(しこう)」といいますが、実は抗生物質でも死なないくらい強力な被膜を作るのだそうです。

最近の研究では、歯垢や歯石が糖尿病などの間接的な原因になっていることも指摘されています。
ですから、丁寧に歯を磨いて歯垢を落とすのは、健康を守る上でとても重要です。きちんと歯みがきをしないと、唾液の中のリン酸カルシウムによって、歯垢は石灰化し、歯石となります。

で、頭に響くほど激しい音がする歯科医院の超音波歯石除去装置のお世話になるわけですが、歯科医にとってはにっくき存在である歯石は、考古学者にとって貴重な研究材料であることがわかったそうです。

遺跡を発掘した際に、見つかる骨や歯は、様々な遺伝情報を含んでいます。
それらを解析することによって、遺骨がどのような人で、生前どのような生活をしていたのか、また、進化の過程、どのような場所から移動してきたのかなどを知るために、極めて貴重な情報を得ることができます。

ところが、研究を進める上で大きな問題が。
遺伝子を抽出する際には、骨や歯を粉砕しなければなりませんが、多くの国では、宗教上の理由や思想心情によって、骨や歯を粉砕するのは嫌がられることが多いそうです。

考古学者の悩みの種なのだそうですが、『アメリカン・ジャーナル・オブ・フィジカル・アンスロボロジー』に公開された研究結果によると、遺骨の歯石は、骨や歯よりも遺伝情報を25倍も含んでいるとのこと。

しかも、食べかすや、生前に存在した菌を閉じこめていますから、遺跡から発掘された方が、生前どのようなものを食べていたかが非常にわかりやすいことを、北米イリノイ州のノリスファームズ遺跡に埋葬されていた遺体から歯石を採取。

歯石に含まれているものは、大半が細菌で、その人のDNAは1%ほどしか含まれていません。しかしながら分析に必要なものは、わずか20mgの歯石だったといいます。

このことから、北米の先住民族がどのような移動をしたのかといったことの分析が大きく進歩しそうですが、ひょっとしたら、歯垢や歯石が犯罪捜査に使うなど、別の分野でも応用がききそうですね。

写真はイメージ 写真AC http://www.photo-ac.com/main/detail/50864?title=%E7%99%BD%E4%BA%BA%E5%A5%B3%E6%80%A7%E3%80%80%E9%A1%94%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%84%E5%8F%A3%E5%85%8310 より

―― 見たことのないものを見に行こう 『ガジェット通信』
(執筆者: 松沢直樹) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか

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