ジェイムス・ベイ 待望の初来日東京公演レポート 全身で奏でるパフォーマンスに拍手喝采

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ジェイムス・ベイ 待望の初来日東京公演レポート 全身で奏でるパフォーマンスに拍手喝采

 2016年3月3日にEX THEATER ROPPONGIで初来日公演を行ったジェイムス・ベイ。来日前の【グラミー賞】授賞式や【ブリット・アワード】で披露したパフォーマンスがここ日本で話題を呼んだ彼の初来日は、まさにベストタイミングと言える。いま最も勢いのある新人アーティストとあって、大阪と東京で行われた初来日公演は両日ソールドアウトした。

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 会場が熱気と期待であふれる中、パッと暗転し、トレードマークの黒のハットをかぶった全身黒ずくめのジェイムスが颯爽と現れると、点滅する照明と共に「Collide」からショーはスタート。初っ端から彼が愛用する赤色のギター、Epiphone Century 1966を掻き鳴らすジェイムスに割れんばかりの声援が響いた。続く「Craving」でも、そのギターサウンドを会場に響き渡らせ、ファンを熱くさせる。アコースティックギターにチェンジ中、いたるところから「I love you!」の声援。歌声に加え、ルックスも良い彼のファン層は女性が多かったが、男性も少なからずいて、年齢層は幅広かった。

 シンプルなステージセットだったが、曲に合わせて鮮やかに照らされる照明がとても印象的だった。「When We Were On Fire」では燃えるような赤色、「I Need The Sun To Break」では優しく包み込むようなオレンジ色の照明がステージを彩った。その後、「Running」、「Let It Go」と立て続けにスローナンバーを披露。あまりトークをしないジェイムスだったが、彼の歌声に引き込まれている会場の雰囲気には不要と思える。琴線に触れるような切ないメロディと、優しくもあり力強くもある歌声が魅力的な彼の歌声が特に強く表れたのは、本公演のハイライトの一つとも言える「Scars」だろう。スポットライトが照らされる中、消えそうな声で語りかけるように歌うジェイムスに、息をすることも忘れてしまうほど魅了された。曲の終盤にかけてバンドも加わると、体を半分に折りながら全身で奏でるギター演奏が炸裂。これまでのインタビューで「最もパーソナルな曲」と話すジェイムスの言葉通り、陰と陽が強く表れたこの曲で、彼の切なる想いを、力強く響くストンプやギター、そして表情から感じた圧巻のパフォーマンスだった。

 「スローソングはこれまで」と、ロックナンバーの「Best Fake Smile」で再び会場をヒートアップ。新人とはいえ、デビューまで長い道のりを歩んできたジェイムスが、歌の道に進むと決心し、地元を出た時の心情を歌った「Get Out While You Can」をラストに本編は終了した。笑顔でステージを後にしたジェイムスは、「もう一回」というアンコールが鳴りやまない中、満面の笑みで再び登場すると、ブルース調にカバーしたクリーデンス・クリアウォーター・リバイバルの名曲「Proud Mary」を披露。イギリス出身の彼の中にアメリカン・ロック魂が垣間見られた。そして最後、大ヒット曲「Hold Back The River」のイントロが流れると一段と会場がヒートアップ。自然とシングアロングが起き、ジェイムスも楽しそうにギターを奏で、大合唱の中、ライブを締めくくった。

 来日中に発表された【SUMMER SONIC 2016】の出演のため、また日本に帰ってくることを約束したジェイムス・ベイ。野外フェスで大音量で奏でられるステージは、今回とはまた少し違った雰囲気が味わえるはずだ。

Photography by 後藤壮太郎

◎公演情報
【JAMES BAY JAPAN TOUR 2016】
2016年3月2日(水)大阪・梅田CLUB QUATTRO
2016年3月3日(木)東京・EX THEATER ROPPONGI

◎セットリスト
1. Collide
2. Craving
3. When We Were On Fire
4. If You Ever Want To Be In Love
5. Need The Sun To Break
6. Running
7. Let It Go
8. Scars
9. Move Together
10. Best Fake Smile
11. Get Out While You Can
12. Proud Mary(Creedence Water Revivalのカバー)
13. Hold Back The River

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