大物芸能人の見せしめ逮捕はあるのか? 「暴力団排除条例」と警察の狙い

ニコ生ナックルズ「ヤクザとは何か?Part2」

 芸能界に衝撃を与えた島田紳助氏の電撃引退。暴力団との関わりが理由ということだが、もともと芸能界と暴力団は歴史的に関係が深いとされる。そのためか、週刊誌上では「次は誰か」という予想合戦が盛んに繰り広げられている――。2011年9月14日放送のニコ生ナックルズ「ヤクザとは何か?Part2」に出演したノンフィクションライターの森功氏は、「世の中の関心が高いので、警察はかなりやる気を出して、各方面から捜査を進めていると思います」と、芸能界に第二、第三の衝撃が走る可能性を示唆した。

 引退騒動の背景には、全国的な暴力団追放の機運がある。警察庁の安藤隆春長官は、1月6日の年頭記者会見で、「今年の最重要課題は暴力団対策」と明言。紳助氏引退後の定例記者会見でも、「芸能界は暴力団との関係遮断を実現すべきだし、警察としても必要な支援をする」と述べ、暴力団対策に強い態度で臨んでいる。

 さらに10月1日からは東京と沖縄で「暴力団排除条例」が施行され、全都道府県で条例の施行が完了する。これは、ゴルフや会食といった直接・間接的に暴力団の利益となる行為を繰り返す者を「密接交際者」として認めるなどといった内容で、「密接交際者」と認定されると、社会的に受けられるサービスが制限されることもあるという。

「従来から、さらにもう一枠広げて、仲が良い人まで認定して行こうというのが今回。密接交際者になって酷い場合は公表。芸能人が公表されたらそれでアウトですから」(森氏)

■芸能人の見せしめ逮捕の可能性は?

ニコニコテレビちゃんもヤクザ仕様

 紳助氏の引退以後、テレビ各局は暴力団排除を強化するために、規約の見直しを進めている。ここからも関係の深い有名芸能人の名前を公表できれば、暴力団に対する強力な牽制になることが分かる。逮捕ともなれば、効果はさらに大きくなるだろう。芸能人の「見せしめ逮捕」はあるのだろうか。森氏は、

「警察は芸能界のことに疎いんですよね。どういう資金の流れがあるか掴めていないので、何か(きっかけとなる)事件があればやりたいと考えていると思う。交際だけだったらキリがないが、ビジネスに絡むことだったり、クスリ絡みの話だったり、違法性が強いものからピックアップしていくんじゃないですかね」

と予想する。さらにフリーライターの藤吉雅春氏は、

「『年内に大物をやるんじゃないか』とマスコミ、週刊誌の記者たちが散々取材をしているわけですよね。それで、『何もなかった』ということはあるんでしょうか。(芸能界に疎い)警察がマスコミを使っている可能性もあるわけじゃないですか」

と述べ、今回の騒動によって警察がマスコミから情報を引き出そうとしている側面もあるのではないかと推理する。

 「暴力団と関係の深い芸能人がいる」――誰もが一度は目に、あるいは耳にしていたことだろう。しかし、それを週刊誌が書くのと、警察が発表するのとでは、意味合いも真実味もまったく異なる。果たして芸能界はこれからどうなるのだろうか。

◇関連サイト
・[ニコニコ生放送]「黒い交際」部分から視聴 – 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv63323684?po=news&ref=news#29:26

(野吟りん)

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