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映画『ルーム』レニー・アブラハムソン監督インタビュー 「“子どもと親の絆”が掘り下げられている物語なんだ」

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第88回アカデミー賞で、作品賞、監督賞(レニー・アブラハムソン)、主演女優賞(ブリー・ラーソン)、脚色賞(エマ・ドナヒュー)の4部門にノミネートされている映画『ルーム』(4月8日公開)。エマ・ドナヒューによるベストセラー小説を映画化した本作では、ある“部屋”の中に監禁された母と息子の秘密、そして、そこから脱出した2人の壮絶な人生が描かれる。

本作を手掛けたのは、かぶり物をしたミュージシャンを主人公に、前作『FRANK-フランク-』でも世間からシャットアウトされた人物の物語を描いたレニー・アブラハムソン監督だ。特異な状況に置かれた主人公を通じて、果たして今作では何を描き出そうとしたのだろうか。

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――親子の体験を通じて“精神の複雑さ”を見事に描いている作品だと感じました。原作のどのような点に魅力を感じて映画化を決意しましたか?

アブラハムソン監督:小説では極端なカタチで書かれていたけど、私も幼い子どもの父親だから、“子育て”という観点でとても感情移入できる部分があった。また、このダークな状況を気持ちが上がるような物語に作りあげた、ということを非常に素晴らしく思った。そしてひとりの監督として、幼い子役と仕事をするということ、さらに子どもの視点から映画を描くということが、すごく面白いチャレンジだと感じたんだ。

――原作者のエマ・ドナヒューが映画の脚本も手掛けていますが、脚本について何か監督からリクエストしたことがあれば教えてください。

アブラハムソン監督:初めてエマと会ったときに、実はエマの方から「脚本を書いてみたから、可能性があるか読んでみてくれる?」と言われたんだ。すごく良かったけど、2年ほどかけて2人でさらに練り上げていった。このシーン、このセリフをこういう風にしたらいいんじゃないかという私の提案も、エマは原作を壊したくない、守りたいというような感じではなく、とても柔軟に聞いてくれた。だから私も素直に話をすることができたし、最高の脚本を作るために2人で努力することができた。いつもずっと話し合いながら作り上げていったので、具体的なリクエストをしたという感じではなかったよ。

――ある意味で極端とも言える本作の設定は、物語が持つテーマを描く上でどのように機能したと思いますか?

アブラハムソン監督:今作で描かれているのは、普段は目にはしないような極端な状況ではあるものの、普遍的な話でもある。実は子育てという“子どもと親の絆”が掘り下げられている物語なんだ。とても純粋な親子の絆の話だから、それが一体どういうものなのか、まるで顕微鏡で見るかのような物語になっている、とエマも言っていたよ。

通常であればパートナーや子どもの友達といった周りの人間、学校などの機関があって子育てをするものだけど、この極端な物語の中では母親がその負荷を全部担っている。教育やメンタル面のサポートなど、子どもの世界の全てを母親ひとりが提供しなければいけない、一緒に作っていかなければいけないという状況に置かれている。こういった極端な設定によって、子育ての大変な部分と素晴らしい部分の全てを掘り下げて模索するドラマを描こうとしたんだ。

――映画の前半と後半、つまり部屋の内側と外側のバランスをどのように描こうとしましたか?

アブラハムソン監督:この作品をつくる中でも最大の挑戦であって、一番難しかった点が部屋の内と外とのバランスをとることだった。部屋から逃げ出せたことで観客の興味が失われてしまったならば、後半はオマケみたいなものになってしまうと感じていた。後半に必要なものを考えたとき、それはやはり前半部分で、いかに観客がこの親子とつながりを持てるかということだった。その上で後半に入ったときに、少し不穏な、全てが解決されたわけではないというニュアンスを出せれば、この先はいったいどうなってしまうのだろうと最後まで観客がついてきてくれる。前半で非常に深いつながりを持った2人のキャラクターを最後までうまく見守ってくれると考えたよ。

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よしだたつき

記者:

PR会社出身のゆとり第一世代。 目標は「象を一撃で倒す文章の書き方」を習得することです。

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