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オタク社会人の恥ずかしがること【オタク社会人ノススメ】

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こんにちは、中年オタク社会人の富士野一徳です。

今回は、恥ずかしいと思っている趣味についてどうふるまうべきか?ということについて考えてみます。


「恥ずかしいこと」を口にする時、人はどうするか

以前、会社で後輩から言われて愕然というか、唖然というか、開いた口がふさがらなかった言葉がありました。

「富士野さんは、いわゆる日曜朝にPで始まるモノを見たりする方なのですか」

ちなみにこの後輩はオタクである。細かい好みや守備範囲について突っ込んだ話をしたことはないが、「オタクである」ことはお互い一応知っている、その程度の間柄である。

Pで始まるモノとは毎週日曜朝にテレビ朝日系列で放映している「プリキュア」シリーズのことであろう。今年で十二作目を数える、女児向けアニメの一大ブランドだ。ちなみに私は第7作目『ハートキャッチプリキュア』でハマり、過去作もマラソンして全作見ている。

しかるに、「Pで始まるモノ」とは一体何か。プリキュアとは公の場で口にするのがそんなにはばかられる単語なのか。いやまあそれはそうかもしれないが、「アニメ」を「モノ」と言い換える必要はないだろう。「見たりする方」という言い方もいやらしい。とどめに「いわゆる日曜朝」とは何だ。いわゆらない日曜朝などあるものか。

要するにこの後輩は、恥ずかしいのですね。オタクである自分を恥ずかしく思っている。だから「プリキュア」という言葉を、たとえ同好の士に向かってでもそのまんま口に出すことができない。

しかしまた一方で、オタク趣味というものを一種の秘密的な、いわば「知る人ぞ知る」というようなものだと思っている。だから、「ぼかして言う」のがスマートな対処だと思っている。

いやね、偉そうなことを言っていますが、実際にこれを言われた時はどっと脂汗が出ました。

(この子は俺だ。二十五年前の俺なんだ。人との距離感を測れず、誰にどのくらいぶっちゃけた口をきいていいのかもわからず、どこへ行っても卑屈な笑いとキモい自分語りだけを繰り返していた、あの頃の俺と同じなんだ……そうだあの時もアカシアの枝に、刺すような冷たい雨が降っていた……)

と、軽く回想シーンに入りかけました。だからこそ、放っておけないのですね。

要するに、恥ずかしがるのはいいが、恥ずかしがり方が間違っている、ということです。

オタクであることは恥ずかしい

「オタクであることは恥ずかしくなんかない」

「オタクよ自分を誇れ」

などという言説を近年たまーに目にしますが、これは真っ赤な嘘です。オタクであることは恥ずかしいに決まっている。

本来子供のものである漫画やアニメやゲームから卒業できず、いい年してその世界に耽溺しているのだ。これが恥ずかしくないわけがない。(もちろん「大きなお友達向けアニメ」というのは昔からあるので、現状を一概にこう言い切ってしまうと問題もあるが、しかし根本的には間違っていないはずだ)

まともな人間は小学校高学年にもなればアニメや特撮への興味が薄れ、中学に上がればアニソンなど忘れてポップスや洋楽を聴くようになり、高校生になったら本棚からは『スラムダンク』とかそういう超のつくメジャー級作品以外は漫画という漫画が姿を消し、ラノベなどというもののことはそもそも聞いたこともなく、大学以降はオタク文化のことなど綺麗に忘れて、以後結婚して子供ができるまでそういうものに触れることはないのである。

自分で書いていてもちょっと理解できない人生だが、とにかくそういうものなのである。

そういうまっとうな成長の道から外れ、幼稚な精神を持ったまま体だけ大人になってしまったことを、オタク社会人はまず自覚しなくてはいけない。もちろん、件の後輩も恥ずかしかったのだろう。だから冒頭のような発言につながるわけで、ここまでは何も問題はない。

しかし、自分自身は恥ずかしくない

問題はここからです。

では、オタク社会人は己を恥じるべきかというと、それは決してそんなことはない。

前にも書いたが、なにしろ社会人というのは就職して、仕事をしている一人前の人間である。精神に幼稚な部分を抱えていてなお、総体としてのあなたは立派な一人前の人間なのだ。

一人前の人間が、多少恥ずかしい部分を持っていたところで、それはその人の一つの個性にすぎない。例えば未だに逆上がりができないとか、焼き魚を食べるのが下手だとか、靴下は毎朝右から履かないと我慢できないとかいうのと同じことだ。時には恥ずかしがったり、時には克服しようと努力したり、時には受け入れて楽しんだりしてしまえばいい。

要は、「恥ずかしい趣味を持っている人」と「恥ずかしい人」は別、ということです。

そしてここから、もう一つの結論も出てくる。オタク趣味のことを口にする際、「はっきり言う」より「ぼかして言う」方がスマートだなんていうことは、決してない。それは単に、「恥ずかしさをごまかそうとしている人」という印象を与えるだけです。

もちろん、どこでも大声で言っていいというものではない。「恥ずかしい趣味」には違いないのだから、時と場所はよく選ぶ。これは当然です。箇条書きにするなら、注意するポイントはこんな感じ。

相手を選ぶ。同じ話題に関心を持っていそうか?または、関心を持たないまでも許容してくれそうか?

時と場所を選ぶ。人に聞かれず、仕事外の雑談をしても大丈夫な場所とタイミングで。

切り出す時は物怖じせずはっきりと。

これもまた、デリケートな話題を扱う際のビジネスマナーとしては基本といえる事柄です。個人的な経験からのコツを言うなら、尾籠な例えで恐縮ですが、「検便」について話すつもりで心構えをすると、だいたいピントを外さない気がします。

「恥ずかしい趣味を持っている、恥ずかしくない人」になることは、社会人であれば、そう難しいことではないはずなのです。

富士野一徳

中小企業勤務の40代会社員。

独身。

好きなプリキュアはキュアハッピー。

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