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井戸実社長「ブラックバイトなんか辞めればいい」発言に、杉村太蔵が「強者の理論」と反論

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仙台市国分町のバーでアルバイトをしていた男子大学生が11月17日、未払いの賃金や慰謝料など計210万円の支払いを求める労働審判を仙台地裁に申し立てました。

このニュースは22日放送の「サンデー・ジャポン」(TBS系)でも取り上げられましたが、ゲスト出演した現役社長が「経営者側の論理」を展開し、他の出演者から批判の声があがる一幕がありました。(ライター:篠原みつき)
「正直現場はそんなこと言ってられないよねって話」

学生は去年9月ごろから今年2月に辞めるまで賃金が支払われず、経営赤字の補填などの名目で店に約10万円を払わされたと訴えています。経営者から繰り返し顔を殴られるなどの暴行も受けていたそうです。

番組では、アルバイト経験のある大学生を対象にした厚労省の調査結果を紹介。約6割がトラブルを経験しており、「準備や片付けの時間に賃金が支払われなかった」「1日6時間以上働いても休憩時間がなかった」「採用時に合意した以上のシフト勤務を入れられた」といったケースがあったようです。

これに対し、飲食チェーンの「ステーキハンバーグ&サラダバー けん」などを展開するエムグラントフードサービスの井戸実社長は、仙台のケースについて「そもそも、そんなんなら辞めちゃえばいいじゃんって話」と切り捨てた上で、「採用時に合意した以上のシフトを入れられた」というケースに疑問を示しました。

「こんなの、どの現場にもある。何でもかんでも『ブラックだブラックだ』って言われちゃうと、正直現場はそんなこと言ってられないよねって話」

これには杉村太蔵さんが「辞めたければ辞めればいいとおしゃってますが、これは強者の理論なんですよ」と反論し、学生は社会人経験がなく適切に対応できないことや、労働監督署の怠慢もあると力説しました。
「着替えの時間も時給くれ」は司法も認めた権利だ

橋本マナミさんも「学生が店側に辞めるとは言いづらいと思う」「裏で脅されりとか身の危険を感じることもあるんじゃないか」と、立場が弱いアルバイトの擁護に回りました。

これに井戸氏は、苦笑いして「流石にないですよね」「そこまで悪質なところだったら本当、働かないとか行かなければいいだけの話」との主張を繰り返し、さらに最近の学生の変化について、こうボヤきました。

「僕らの時代はユニフォームに着替えて『これから働けるぞ』っていう状態で、初めてタイムカードを押してよかった。今は『着替えの時間も時給くれ』っていうアルバイトさんが増えている」

しかし、言うまでもなく「作業服への着替え等の時間は労働時間」と裁判所も認めており、きちんと守っている現場も当然あります。

そもそも経営者が「違法行為だと文句言うようなやつは辞めてくれ」と解される発言をすることは、会社が都合のよいように法律を曲げて学生を使い捨てしていると告白していることになり、若者から搾取して儲けているのかと批判されても仕方がありません。
「かとく」に目をつけられるのでは?

この点について井戸氏は、11月25日の午後2時すぎにブログで言及。自身に批判が集まっていることについて「恐らくテレビを観て居なくて、ネットで切り取られたところだけを受けて執拗に非難されてる訳ですが」と反論しています。

しかし録画された番組をすべて見た筆者からすると、言い逃れのような気がしてなりません。ウェブサイトには正社員65名にアルバイトスタッフ420名、企業理念を「利他主義」と掲げていますが、理念と発言が乖離しすぎてはいませんか。

ところで最近、厚労省は「かとく」(過重労働撲滅特別対策班)という組織を編成し、労基法違反の悪質企業を狙い撃ちしています。ここ最近で書類送検の「実績」があがっているのは、全国にチェーン展開する小売店や飲食店です。

もし井戸社長が「かとく」に対して上記のようなことを漏らしたら、即座に「それは違法です」と返されて処分されることでしょう。厚労省もブラックバイトを問題視し始めているのですから、あまり甘く見ない方がよさそうですよ。

あわせてよみたい:学生の6割がブラックバイトを経験
 

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