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保育士不足は「幼稚園や小学校の先生」の活用で解消できる? 「福祉と教育は違うのに」との声も

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深刻化する保育士不足に「幼稚園や小学校の先生」を活用するアイデアが飛び出した。幼稚園教諭は3~5歳児、小学校教諭は5歳児を担当し、「配置する保育士の3分の1を超えない範囲に限る」という条件を設けるというものだ。

これにより人手不足のほか、保育の効果もあがるという意見もある。幼稚園と保育園を「縦割り行政」で運営している非効率が解消するとして、歓迎する向きも。しかし現場からは「そううまくいかないのでは」という声もある。
「子どもへの接し方は異なる。現場でうまくいくのか」

保育士の人手不足は深刻だ。2015年9月時点の有効求人倍率は、全国平均で1.85倍。東京都は5.44倍にものぼる。前年同月では全国平均が1.44倍、東京都は4.07倍であり、この1年で状況は悪化しているといえる。

そんな中、11月16日に厚労省で開催された「第2回保育士等確保対策検討会」で、前述のアイデアが提出された。この方法を取り入れることで、人手不足の解消とともに「多様な者が加わることにより、保育所にとって効果的なものとなる」「事業者の採用及び人員配置の選択肢を増やすことにつながる」といった効果も見込まれている。

資料の中には「幼稚園教諭として学級担任を3年ぐらい経験した方であれば、3歳以上の保育は十分可能ではないか」と賛同する意見があるが、その一方で不安視する声もある。

「小学校と保育所等での子どもへの接し方は異なるものであり、現場でうまくいくのか懸念している」

大学や短大のカリキュラムでは、幼稚園教諭と保育士の両方の資格を取得できるところが多い。しかし小学校教諭免許は、幼稚園教諭の資格と同時に取得可能な学校は少なくないものの、保育士資格を取るためには別途保育士試験を受けなければならない。育成過程もそれだけ異なっているということだ。
親からは「保育は保育士に」との要望もあがる

そもそも保育園は厚労省管轄の「福祉」の場、対して幼稚園は文科省管轄の「教育」の場であり、目的の違うものだとたびたび強調されてきた経緯もある。

女性向けコミュニティサイトのガールズちゃんねるにも、保育園勤務経験者や教員免許取得者から疑問の声があがっている。

「福祉と教育の違いは?って教員採用試験で聞かれたのに」
「小、中、高の免許持ってるけど、幼児に対する知識はほとんどないです…」

幼稚園教諭が受け持つのは3~5歳児とはなっているものの、同じ保育園にいれば触れ合う機会も出てくる。幼稚園教諭の免許を持っている女性は「保育士の勉強したことないから、正直0~2歳児さんのことは、ほっとんど分からない」とつぶやいている。

親の立場から、生活習慣や人間関係など「性格形成の大事な時期にいろんな事を学ばせてくれる」保育園への期待から、「小さい子どもに対しての知識をもっていて何より小さい子どもが好き!」という保育士に子どもを見てもらいたいという声もあった。
「待遇低すぎ」解消しなければ効果はあがらないのでは

また、保育士不足の根本的な原因は、なり手が不足しているのではなく「待遇が低すぎて、なりたがる人が少ないだけ」という指摘も根強い。資格を持ちながらも保育士として働いていない「潜在保育士」は70万人以上いるとされている。ガールズちゃんねるにも、

「重労働にしては(給与が)安いし、だったら普通に命預かるとかじゃない気楽なパートするわ」
「保育士と幼稚園教諭免許持っているけど、復帰する予定はありません。疲れるし給料安いし…割にあわないわ」

という声がある。中には「給料あと(月)10万上げてくれたら復帰しますよ」と具体的な金額を上げ、「今のままだとバカらしくて正規では働きたくないです」という人までいる。もしも根本的な人手不足の要因がここにあるのだとすれば、対象拡大だけでは効果が上がらないということにもなりかねない。

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