音楽業界にも影響するTPP、米レコード協会が歓迎を表明
アメリカレコード協会(RIAA)は先月出されたTPP(環太平洋パートナーシップ)協定案について、国際的な著作権侵害に対する闘いと市場開放において正しい方向に一歩踏み出したものだと評価した。
米国、オーストラリア、カナダ、日本、チリ、メキシコ、ブルネイ、マレーシア、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、ベトナムの12か国は、5年間かけた協議の末、10月5日に大筋合意した。
オバマ政権の米通商代表は11月5日、30章/2,000ページ以上にわたる協定案の全文を公開。主に加盟国間の環境、医療、国際貿易に関する規則を扱っているなか、RIAAは著作権と商標の保護に関する提案に反応を示した。
協定案の環太平洋地域における著作権保護の標準化や、著作権保護期間を作者の死後70年へ延長する計画がRIAAの目に留まった。米国がこれまで書籍に適用している保護期間は50年だ。これらの保護は、曲やパフォーマンスなど知的財産のデジタル著作権侵害に対する民事、刑事の対応を法制化することに重点を置いている。
RIAAの国際部副社長は、「市場のゆがみは法律の不備が引き起こしたものであり、施行することで好況なデジタル市場の発展を妨げてきた」と述べ、TPPは“アメリカのクリエイティブな分野を支えるために不可欠だ”としている。
その一方、デジタル社会での言論の自由を主張するElectronic Frontier Foundation(電子フロンティア財団)は、同協定がインターネット上の表現の自由とプライバシーにとって脅威だと懸念するなど、中傷する声もみられる。
同協会はしばらくの間、協定を見守ってきたと話すRIAAの代理人は、全世界の著作権保護強化を支持していることを付け加えた。
なお、TPPの成立には、参加12か国それぞれが議会で審議を通過させ、国の代表が署名し法制化するといったまだまだ長い道のりがある。
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