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勝新太郎が晩年、病室に招いた作家・田崎健太に残したある言葉とは

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「俺としゃぶしゃぶか? 一つ”シャブ”が多いんじゃないか?」

 俳優・勝新太郎さんが『週刊ポスト』の企画で脚本家・内館牧子さんと対談した際、若い担当編集者に向かってそう話したといいます。「しゃぶしゃぶ」というのは対談場所がしゃぶしゃぶ屋であったからですが、このときの勝さんは麻薬・大麻取締法違反で有罪判決を受け、執行猶予中。豪放磊落で知られる俳優・勝新太郎ならではのブラックジョークといえるでしょう。

 そして、勝さんがジョークを飛ばした相手の若手編集者は、現在、作家として活動する田崎健太さん。田崎さんといえば今年、『真説・長州力』を上梓し、プロレスファンのみならず多くのスポーツファン、ノンフィクションファンの心を掴みましたが、その一方で2011年に刊行された『偶然完全 勝新太郎伝』が今年10月に文庫化。「しゃぶしゃぶ」のエピソードも、同書に収められているものです。

 勝さんは内館さんとの対談の翌週から、週刊ポストで人生相談コーナー「何処で果てよと」を連載。その編集を通じ、田崎さんは勝さんと親交を深め、編集者さらには作家として大切なことを学んだといいます。

 田崎さんはBookstand編集部のインタビューにこう答えます。

「勝新太郎さんからは、さまざまな影響を受けました。特に、印象に残っているのが『お前は親兄弟が殺されても、真実を書くんだろう?』という言葉。勝さんの晩年、病室に入れたマスコミの人間はぼくだけ。普通、そういう状況だと書くのに躊躇してしまいますよね。そんな中で、勝さんは『親兄弟が殺されても〜』という言葉を使って『書けよ』と暗に示した。自分が正しいと思うこと、書きたいと思うことはきちんと書かなければならないと、学びました」

 破天荒な生き方ばかりが取り上げられることの多い勝さんですが、俳優業、映画製作に対しては実直で、しかも人に対する強い優しさがあったからこそ、出た言葉だといえるのではないでしょうか。

 なお、タイトルにある「偶然完全」も勝さんの言葉から採られたもの。それが、どういった形で発せられたのかは、ぜひ本書をご覧ください。

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