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「出世に響くのが怖い」という現実も? 勤め先に介護の事実を伝えない「隠れ介護」1300万人

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10月27日朝放送の「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日)で、「隠れ介護」を特集していた。総務省のデータによると家族の介護をしている人は557万人とされているが、これは氷山の一角ということらしい。

東レ経営研究所の調査によると、家族が要介護者であっても勤め先にその事実を伝えていない「隠れ介護」の数は、実は1300万人にものぼると推計されているという。なぜそのような現象が起こるのか。番組コメンテーターの青木理氏は、会社に言えない理由について「働く男の立場」でこう推察した。

「プライドもあるけれど、例えば転勤がしにくくなる、あるいは勤務時間をそれなりに制限するということになると、やっぱり言いにくいし、場合によっては、出世もにくくなるんじゃないかとか、同期に遅れを取るんじゃないかとかがあると、なかなか言いにくくなることがある」

佐川啓介さんも「認めたくない気持ちあった」

青木氏はさらに、そのような社員の懸念に対し、会社が「いやいやそういうことはないよ。みんなで助け合いなんだ」と言えるかどうかが問われるという。しかし規模の小さい会社では、1人が抜けただけで回らないこともある。

とすると、会社だけにその負担を押し付けるのは困難だし、だからといって支援者がいなければ介護離職が避けられなくなる。したがって青木氏は「社会全体で考えないとなかなか解決できない」と指摘した。

隠れ介護の危険性は、介護者が問題を一人で抱え込んでしまうことにある。今年7月、声優で妻である大山のぶ代さんの認知症を公表した佐川啓介さん(78歳)も、3年ものあいだその事実を隠していた。「イメージもあって言いたくない。認めたくない気持ちもあった」と1人で抱えてしまったのだ。

追いつめられて体を壊してから、公表を決意。その後は「(自身が)優しくなり、とても楽になった」と語る。のぶ代さんにも笑顔が多くなった。介護コンサルタントの和氣美枝さんも、7年間母親を隠れ介護していた経験を語った上で「この仕事をしている私ですら殺意を覚える瞬間がありました」と、抱え込む危険性を説いた。
若い学生にしわ寄せが及ぶ「ヤングケアラー」問題も

このように、介護については「プライドもあって言いたくない」「相談したくてもどこに言えばいいか分からない」という人がとても多いと和氣さんは語る。そして、介護者を直接守る制度がないとしたうえで「まずは自分の人生は自分で守ると決める。全国には(介護者の)支援団体がたくさんありますので、まず足を運んでください」と話していた。

よく介護特集を組むという「アエラ」編集長の浜田敬子氏は、隠れ介護問題が子ども世代の若い人たちに負担を強いることにもなりかねないと指摘していた。

「学生が介護者になる『ヤングケアラー』も増加。進学も就活も諦めるという人が20万人もいるという。介護職の減少をどうするかという問題もあり、やはりトータルで考えなくてはならない」

介護職の待遇を改善し、人が集まるようにすることで家族の負担を軽減することも考えられるが、財政負担を考えるとあまり大きな期待はできない。高齢化が進む中、介護問題は誰にでも起こることであり、「職場の人が介護をしているのは当たり前」くらいの認識が、これから必要になってくるかもしれない。(ライター:okei)

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