当確石原氏、福島原発「本当の思いやりは、政府の責任で正確に報道すること」

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 東京都知事選で4選が確実となった石原慎太郎氏は、都民が福島第1原発の事故による放射能汚染とどう向き合うべきと考えるのか。2011年4月10日、ニコニコ動画七尾功記者の質問に、石原氏は「本当の思いやりというのは、政府の責任で正確に報道することだと思う」と答えた。

 このインタビューは、10日に投開票が行われた東京都知事選で石原氏の当選が確実になったのち、同氏の事務所で行われたもの。NHKの取り仕切りによる共同インタビューだったが、代表質問後にニコニコ動画以外、マスコミ各社からの質問はなかった。

 七尾記者から「今後福島第1原発を廃炉にするためには、東芝の工程表では最短10年かかると示されております。その間、国民、都民は生き方や意識も大きく変わらざるを得ないと思います。放射能汚染に関して、今後10数年間に渡りつきまとう都民の将来設計の不安感に対し、知事はどう向き合っていかれるお考えでしょうか」と問われると、石原氏は「それは非常に大事な専門的な質問でして、東京は東京なりに何度か原発に関する専門家を呼んでヒアリングをしました」と述べたうえで、

「私はひとつの目安を立てておりますが、これはあくまでも国策の問題ですので。政府の権威・責任で専門家の意見を聴取してスリーマイル島の(原発事故という)事件を勘案し、相関的に比べながら…あれも段階で解決したわけです」

と延べ、さらに

「スリーマイルが福島よりマシなのは、あれは人災だった。ハンドリングが悪いから放射能が漏れて水をかけて冷却した。今度は天災というか、ある意味想定外のとんでもない地震・津波が来て、炉そのものが壊れた。だから水をかけてもかけても収まらない節があるんだけども、いろんな技術が進んでいると思う。スリーマイルと並べて比べても、本当に人が炉に入って点検するまで3年間かかった。福島の場合は、もっと時間がかかるかもしれない。しかし他の技術が進んでいれば、放射能をプロテクトしながら中に入れるかも知れない。スリーマイルのときは3年の間に人が戻っている」

「専門家を政府の権威で集めているわけだから、政府は政府の責任で判断して、ある目処を立ててもらいたい。『どれくらい経ったら帰れますよ』と。スリーマイル(の原発は)は、完全にカバーするのに16年かかってるわけですから。福島の炉は、東芝がスケベ根性を起こして廃炉にすまいと最初から塩水をかけなかったからああいうことになっちゃった。そんなことも含めて、責任の所在というのは皆さんが問うことでしょうけど、政府は政府のオーソリティ、責任で『どういう段階で、何年を目処に人々が戻れますよ』と『石棺化する、石をかぶせるという作業にかかる』ということを言ってもらわないと、東京も避難している人たちも生活の目処が立たないんです。本当の思いやりというのは、政府の責任で正確に報道することだと思う」

と、語った。

※なお、NHKの取り仕切りによる代表質問は、以下の通り。
・有権者は、どんなことを期待していると受け止めているか
・選挙活動より公務を優先した選挙戦だったが、その上で多くの支持を得られたことについて、どう思うか
・4期目、まず何から取り組むか
・挨拶のなかで防災を第1に挙げたが、今後どう取り組むか
・被災地の支援については、今後どう取り組む考えか
・原発事故の影響で電力不足が懸念されるが、原発への依存についてどう考えているか
・原発を否定しないなかで、知事としてはどうリーダーシップをとっていこうと考えているか

ニコ生特番! 統一地方選挙 ​2011!
NHKによる共同インタビュー部分から再生
http://live.nicovideo.jp/watch/lv45690388#-0:03:35
(番組はタイムシフト機能でいつでも視聴できる)

七尾記者の質問部分から再生
http://live.nicovideo.jp/watch/lv45690388#1:39:30
(番組はタイムシフト機能でいつでも視聴できる)

(土井大輔)

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