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玄人向けの庭園でうなるのだ! 『アンディ&ウイリアムス ボタニックガーデン』

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暑さ寒さも彼岸までとはいうが、ファッション界はすでに秋物が主流に。
であれば、お出かけ情報も秋物を先行紹介しても良いではないか。
ということで、「秋物移動」の情報。

ちょうど群馬に所用で出かけるので、せっかくだから何か面白い珍しい場所はないだろうかとスマホをフル稼働。
東武鉄道の特急りょうもう号で浅草を出発した。
目指すは群馬県太田市。

やってきたのは、『アンディ&ウイリアムス ボタニックガーデン』という長い長い名称の庭園。
どう見ても欧州っぽい。

日本有数の暑さを誇る埼玉県の熊谷、群馬県の館林、高崎、前橋。そんな都市に囲まれた太田市。やはり暑いものは暑い。
同ガーデンでは土日祝日はガーデンツアーという専門の係員が園内を案内してくれるツアーがある。
今回案内してくれたのはガーデナーの太田勲さん。

「このガーデンは英国の様々な時代の庭園を再現しています。施設の名前にもなっているのですが、アンディさんとウイリアムスさんという英国のガーデナーが伝統的な庭園を設計しました。正面の入口の周辺は門を含めてヴィクトリア朝のスタイルです」

おっと、のっけからすごいものが飛び出してきた。ヴィクトリア朝と言えば19世紀の産業革命期、まさに大英帝国全盛の黄金期だ。

実はこのガーデンは、ジョイフル本田という関東一円に展開するホームセンターの付属施設なのだ。太田さんは続ける。

「ここにあるものは植物を含めて英国から輸入したものはほとんどなく、ほぼここでそろうもので造られています」

--ということは、庭園の一部を自分の家の庭に再現したいと思った場合は、ホームセンターで売っているものでできてしまうということですか?

「そういうことになります。もちろん、個人で施工するのは難しい面もありますから、そこは専門の造園業者に依頼することになりますが、実際にこの庭園を見てご自宅に”移植”されたお客様もいらっしゃいます。」

これは驚いた。ということは、鑑賞するだけではなくガーデニングを趣味とする人が実際に造園する際の設計図にもなりうる、「玄人向き」の本格的なガーデンということになる。

ここはダヴコートガーデン。
ダヴコートとはハト小屋のこと。実際にハトはいないが、花壇を背の低い木で囲い路地を作ることによって整然としたスペースになっている。ちなみに当時のハトは食用だったとか。ニワトリと似たようなものだったとは。

今の季節は真夏で花はあまり咲いていないが、秋にはこのようにダリアがきれいに咲く。

産業革命以降に庶民も豊かな暮らしができるようになり、一般の邸宅にも庭園を持つことが流行になったという。玄関前のコテージに新郎新婦が立ち、芝生が広がる庭で祝福を受けたことからホワイトガーデンと呼ばれる。
写真は記者がコテージに立って庭全体を撮影したもの。

春に庭側からコテージを望むとこの写真のようになる。

中央の一直線に伸びるロードから撮影したものをパノラマ合成。
暑いのだけれども、立ち止まって見ていたい風景だ。

ここはハーブガーデン。枕木で区切った区画にハーブを植えて、他の種と混ざらないようになっている。
もともとは修道院等で薬草を栽培していたのが始まりだという。薬草であれば他と混ざってしまうと非常にまずいことになるので、このような工夫がとられたとか。

ジョイフルガーデン。長い池からは噴水が流れ、両脇の木々はらせん状にせん定されている。フォーマルでバランスの取れた気持ちの良い区画だ。

春には周囲に花が咲きこのようになるそうだ。

同ガーデンには供食施設はないし、喫煙スペースもない。園内の芝生やベンチでの飲食もできない。もちろん、ガーデンを出て敷地内のジョイフル本田にはあるが、庭園内で飲食ができるのは持ち込み可能なこの「ピクニックエリア」のみ。清涼飲料水の自動販売機だけはある。

美しいイングリッシュガーデンとくれば、ケーキと紅茶と相場は決まっている。ローストビーフという突っ込みはご遠慮願いたい。

本来であれば、格調高く食器やティーポットをそろえて、ティータイムとシャレ込みたいところだ。
しかし、現実的にそこまで持ち込むのは面倒極まりない。

結果的にこういう画になる。
しかし、暑い夏にペットボトルの冷たいアップルティーを飲みながら、ケーキをほおばるのも悪くはない。

ピクニックスペースは一段高いところにあるので、そこから見た風景をパノラマ合成。

格調高いアップルティーとケーキをほおばったところで次に進もう。
サンカンガーデン。一段低いところに池があり、そこから花壇を見上げるという画になるのだが、実際には降雨時の調整池の役割も果たしていたようだ。

続くレンガ積みの壁に囲まれたキッチンガーデン。
ここも修道院で作られていたのが元だそうで、自給自足の生活をしていた教会では本当に食物を栽培していたとか。
現在でも野菜や果物が栽培されているが、どちらかというと鑑賞用が主目的のようだ。

真夏とはいえ、暑さに強い花も少なからず咲いている。

正面玄関から一番奥に見える庭園から玄関側を見たパノラマ合成写真。
ここは何もない芝生が広がるテンプルガーデン。何もないのが美しさの秘密だ。
一体ここで何をするのだろうか。ラグビーにしては狭い。前出の太田さんに聞いてみた。

「クリケットですかね。実際にアンディさんとウイリアムスさんは造園時にやってました」

なお、あくまでも設計者の造園中の遊びなので、くれぐれもクリケットはやらないように。

芝生を反対側から見た画。
中央手前に立つのは日時計。庭園の中心位置にこのように日時計を置くのは英国の伝統だそうだ。

春には周辺の花壇にも花が咲き乱れ、このようになる。

シールズパレードという回廊。バラの季節になると美しいバラのトンネルになるのだが、今はユリのとても良い香りが漂い自然の癒しを得ることができる。

トピアリーガーデン。非常に整然とした、古典的なイングリッシュスタイルの造り。
最初は当たり前だが、丸く茂っていたものを少しずつ刈り込んで四角にしたそうだ。

この森のような庭園は自然をそのまま生かした造りで、日本の影響をかなり受けたという。

日本風に言うと東屋があり、非常に東洋的でもあり、芝生は西洋的でもある。

この風景は説明されなければ日本の片田舎の風景だが、これもイングリッシュガーデン。

同ガーデンは、2002年に開園し10年を超える歳月と苦労を重ねて、英国とは違う気候の日本で栽培できる植物を使ってイングリッシュガーデンを再現しようとした数少ない庭園だ。

ガーデニングの専門家が選ぶ行ってみたいガーデンで3位に入る等、玄人には名の知れた庭園だ。
しかし、記者のような素人が見ても癒しは感じるし、目にも心にもやさしい。
専門的な知識はなくても、ガーデンの造りは知らなくても、玄人が認めるのだからいいものを見たのだろう。
そんな情操を少しでも養えただけでも良かったと思う。

同ガーデンの入場料金は通年550円、子供300円。開園時間は9月末までは9時から18時、10月からは17時までとなる。
ペットは専用のカートがあるので、それに乗せて入場する。

交通は、基本的に自家用車で行った方が都合がよいが、公共交通機関の場合は、東武伊勢崎線太田駅からタクシーで約20分。平日に限り太田市営バスが本数は少ないものの、太田駅北口から所要約30分でジョイフルホンダ西停留所下車。
または、特急りょうもう号は停車しないが太田駅で普通電車に乗り換えて、東武伊勢崎線木崎駅からはタクシーで約10分。タクシーは常駐していないので電話で呼ぶことになる。

秋になるとさらに美しくなる玄人仕様のガーデンで、素人なりにうなってみてはいかがだろうか。

※写真は記者撮影
 秋・春写真は同ガーデン提供のオフィシャルスチールを許諾を得て使用

―― 見たことのないものを見に行こう 『ガジェット通信』
(執筆者: 古川 智規) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか

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