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“早い・安い・簡単” 自分でつくる家「ベニヤハウス」とは

ベニヤ合板を組み立てて自分でつくる家「ベニヤハウス」って?

「安い、早い、簡単」。といっても料理の話ではない。早くて、安くて、簡単につくれるセルフビルドの家「ベニヤハウス」の研究・設計・施工に取り組んでいる人がいる。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科の教授で小林・槇デザインワークショップ代表の小林博人氏だ。「ベニヤハウス」について話を聞いた。
震災をきっかけに誕生した、特別な知識がない素人でもつくれる家

ベニヤの合板を使って自分で建てられる家・ベニヤハウスの第一号は、2012年、宮城県南三陸町に建てられた、地域の交流施設『南三陸ベニヤハウス』だ。「大震災後の職人不足、資材不足の非常時に、職人の手を借りずに低コストで簡単に建てられる家はできないかと考えたのがきっかけです。宮城県石巻市にはもともと多くの合板工場があり、地域産業の振興にも役立つことができればと、津波で水に浸った被災べニヤを安く譲ってもらい利用することにしました」と小林教授は話す。

【画像1】作業中の『南三陸ベニヤハウス』。ベニヤ合板のパーツを組み合わせて柱・梁をつくる(画像提供:小林・槇デザインワークショップ/写真撮影:土井亘)

【画像1】作業中の『南三陸ベニヤハウス』。ベニヤ合板のパーツを組み合わせて柱・梁をつくる(画像提供:小林・槇デザインワークショップ/写真撮影:土井亘)

ベニヤ合板とは間伐材を桂むきにしたベニヤをシート状に重ねたもので、(1)山の木を育てるために間引きする間伐材を使うため、地球環境にやさしくエコ(2)低コスト(3)反りや狂いがなく品質が安定している(4)市場に多く出回り世界中どこでも手に入りやすい、といった利点がある。

特別な技術や知識がなくても誰でもつくれるように、455mm(合板の規格の短辺の半分)単位としてカットしたベニヤ合板のパーツに、あらかじめ切り込みを入れておき、パーツの切り込みを相互に差し込みながら柱や梁をつくり組み立てていく工法を開発した。そうすることで特殊な工具や釘などを使わなくても組み立て・解体・移築が簡単にでき、傷んだ箇所を部分的に交換することも可能だ。

【画像2】『南三陸ベニヤハウス』内部にある集会室。明るく清々しい(画像提供:小林・槇デザインワークショップ/写真撮影:小林博人)

【画像2】『南三陸ベニヤハウス』内部にある集会室。明るく清々しい(画像提供:小林・槇デザインワークショップ/写真撮影:小林博人)利用者自らが建設することで『自分の家』に

第二号は、宮城県石巻市前網浜の地元漁師のための集会所兼倉庫として漁師自身が自分の手で建設した『前網浜ベニヤハウス』だ。『南三陸ベニヤハウス』の工法をベースに、デジタル加工機を使って切り出し、より正確なプレカットを行ったこと、分かりやすい図で表現した組み立てマニュアルを作成することで作業効率が向上したという。漁師が自分自身で建設する過程を経て、『自分の家』となった。

【画像3】地元の漁師たちが漁に出ていない時間をつかって建設した『前網浜ベニヤハウス』(画像提供:小林・槇デザインワークショップ/写真撮影:小林博人)

【画像3】地元の漁師たちが漁に出ていない時間をつかって建設した『前網浜ベニヤハウス』(画像提供:小林・槇デザインワークショップ/写真撮影:小林博人)

【画像4】『前網浜ベニヤハウス』内部。職人がつくったように美しい。畳は避難所で使用した畳を無償で提供してもらった(画像提供:小林・槇デザインワークショップ/写真撮影:Manuel Oka)
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