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バック・トゥ90年代!マンガ『岡崎に捧ぐ』に登場する”聖ゲーム”巡りをしてみよう

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“聖地”を巡るのが面倒なら”聖ゲーム”を巡ればいいじゃない!

マンガやアニメに登場するロケーションを“聖地”と称して訪れる“聖地巡礼”はコンテンツの新しい楽しみ方として認知されるようになってきたが、実際にやろうとすると、手間やコストのハードルは、ちょっと高い。

全国のどこに住んでいる人でも手軽に作品の内部を旅できないか……ということで、なつかしのゲームがたっぷり登場する話題のマンガ『岡崎に捧ぐ』に登場する“聖ゲーム”巡りをやってみることにした。家に居ながらお気軽に、90年代のノスタルジーに浸れること請け合いだ。

そもそも岡崎って誰なのよ?

『岡崎に捧ぐ』は、作者で語り部の“山本さん”が実在する親友“岡崎さん”のために、子供の頃の実際の思い出をつづった友情とノスタルジーのエッセイ系マンガだ。

『ファイナルファンタジー4』『たまごっち』『ビーダマン』などなど90年代を小中学生として過ごした読者なら思わず懐かしくなってしまうゲームやおもちゃがてんこ盛りで登場してくる。

乱暴な例えだが、巷では「ちびまるこちゃんの90年代版」との呼び声も高い注目の新作である。

カセットがなくてもスーファミで遊べる『バーチャルコンソール』

作中に多数登場する『スーパーファミコン』(以下スーファミ)のゲームは、現在は『バーチャルコンソール』(以下VC)でダウンロード販売されている。

スーファミならばwiiwiiUで配信タイトルを遊ぶことができる。それも1本1,000円足らずで!中古品を買わずして、ゲーム会社へ経済的に貢献もできる。いい時代になったものだ。(ゲーム業界にとって)

いざ!画面の中の90年代へ!

聖剣伝説2
1993年 スクウェア 
ジャンル:アクションRPG
スーパーファミコン 価格:9,800円+税
バーチャルコンソール Wii/WiiU 価格:823円(税込)

まずは“聖ゲーム”の名に相応しいこの作品。スクウェア(現・スクウェアエニックス)を代表するアクションRPGだ。

90年代のスクウェアはRPGを作らせたら敵がいないほどの天下無双ぶりを発揮していた。『ファイナルファンタジー』『聖剣伝説』『サ・ガ』のRPGシリーズの3本柱は、紆余曲折を経て今現在も多大なリスペクトを集めるフランチャイズとして存続中だ。

FF15はホスト臭いけど体験版の時点で約束された大作神ゲーだし、聖剣は初作のリメイクも決まったし、サ・ガは25周年で新作ゲームや景品くじが発表され好評を博している。

『岡崎に捧ぐ』作中では山本さんが十八番のモノマネとして障害物に引っ掛かるコンピューター(NPC)を披露している。きっと、お店で踊りまくっている“モティさん”や、肩を震わせる“大砲屋”の真似もしたに違いない。(かわいい……)

MOTHER2
1994年 任天堂 
ジャンル:RPG
スーパーファミコン 価格:10,290円+税
バーチャルコンソール WiiU 価格:926円(税込)

“おとなも こどもも おねーさんも”のキャッチコピーや、キムタクが不思議な歌を唄うCMが印象的だった、赤い箱のRPG


アメリカンテイストな某国を舞台にした現代劇に、コピーライター糸井重里の独特な言語センスが光るハートフルな一作だ。フィールドマップが存在せず、どこまでも地続きに散策できるマップデザインも印象的だった。

先日、55歳でこの世を去った岩田聡 任天堂元社長当時プログラマーとして参加していたことでも知られており、多くのファンがMOTHER2にちなんだ追悼メッセージやイラストをネット上で寄せる現象が起こった。今は亡き巨匠の珠玉の一作を、改めて味わってみてはどうだろうか。

バハムートラグーン
1996年 スクウェア 
ジャンル:シミュレーションRPG
スーパーファミコン 価格:11,400円+税
バーチャルコンソール Wii/WiiU 価格:823円(税込)

スーファミ円熟期のスクウェアが放った、シミュレーションRPG

根なしの浮島をドラゴンが飛び交う世界“オレルス”を舞台に、個性的なキャラクターが数々のドラマを繰り広げる群像劇。ゲーム冒頭で主人公の他、ヒロインの姫様と戦いのパートナーとなるドラゴンに好きな名前を付けることができる。

仲間からはドラゴンに”好きな女の子”の名前をつけることをオススメされるが、やっぱり王道的に姫の方に好きな女の子の名前をつけてみると……?

学校を休んで、このゲームをやっていた小学生の山本さんは、その後の衝撃的な展開をどう受け止めたのだろう?非常に気になる。


スーパーマリオRPG
1996年 任天堂/スクウェア 
ジャンル:RPG
スーパーファミコン 価格:7,500円+税
バーチャルコンソール Wii 価格:926円(税込)

任天堂スクウェアという当時最強のタッグで制作された、スーパーマリオシリーズ初のRPG

アクションとターン制RPGの要素の合わさったゲームシステムと明るいシュールな世界観をスーファミのクオリティーを圧倒的に超えた3DCGで盛り上げた90年代屈指の名作といえる。

しかしながら制作中に、ゲーム性の任天堂ドラマ性のスクウェアと方針の違いから生じた確執で両社が長い冬の時代を迎えることになってしまったのは何とも皮肉な出来事であった。

当時、ソニーコンピュータエンタテイメント(SCE)から発売された新ハード『プレイステーション』(以下PS)が急速に人気を伸ばしており、“スーファミを4000円引きで買えるクーポン”が封入されていたことも印象的である。ゲームの発売された当時後の時代も踏まえた上でプレイするのもまた風情がある。


ときめきメモリアル Forever with you
1995年 コナミ 
ジャンル:恋愛シミュレーション
プレイステーション 価格:5,800円+税
アーカイブス 価格:617円(税込)

コンシューマーに恋愛シミュレーションゲームの一大ムーブメントを巻き起こした伝説の一作。通称“ときメモ”

オリジナルは94年発売のPCエンジン版だが、『岡崎に捧ぐ』作中では、PS版が登場した。現在、PSのゲームはPlayStaion Store『ゲームアーカイブス』にてダウンロード販売されている。こちらもVCに負けず劣らずの品ぞろえで価格もお手頃だ。

完全無欠のラスボス系ヒロイン”藤崎詩織”が放った「一緒に帰って、友達に噂とかされると恥ずかしいし……」の断り文句はゲーム史に残る名言であり未だに背筋が凍る思いのするプレイヤーも多いことだろう。

当時高校生だった詩織嬢や他のヒロインたちも今年2015年では満37歳になる。もはやアラサーではなくアラフォーだ。もう小学生くらいのお子さんがいてもおかしくないし、同窓会でオトナの恋に落ちているかもしれない。そう思うと、何だかすごく切ない。嗚呼、年……とったなぁ。

余談だが、メニュー画面の壁紙を斜め方向にスクロールさせる手法“ときメモスクロール”と業界内で称される。あの“ゼルダスクロール”の次に有名なので覚えておいて損はない。が、得もしないだろう。

忘れちゃいけない”実機”オンリータイトル!

ここまでは、VCやアーカイブスなど現行のゲーム機でダウンロードして遊べるものを紹介してきたが、当然移植されていないゲームもある。ダウンロードで買えないからといって諦めてはいけない。

ポケットモンスター 赤・緑
1996年 任天堂 
ジャンル:RPG
ゲームボーイ 価格:3,900円+税

その筆頭が、この『ポケットモンスター』である。『岡崎に捧ぐ』では、山本さんがバグ技(チート)でゲームに勝っても面白くないという真理を学んだ一本だ。

任天堂の看板シリーズであるポケモンが移植されていないことは意外かもしれないが通信ケーブルでの交換や対戦がゲームの肝であったことを踏まえると、対応していないVCに移植されないのは自然なことなのである。オリジナルのポケモン 赤・緑をプレイできるのは、今でもゲームボーイと名のつくハードだけなのだ。


というわけで、筆者自宅にあったゲームボーイBros。『岡崎に捧ぐ』でも登場したスケルトンタイプである。状態は良好で本体底には筆者の名前を印字したテプラシールがまだ綺麗に貼られていた(笑)年季の入った90年代ハードに2000年代の利器エネループを装填しているミスマッチが何とも趣深いことだろうか。

では、スイッチオン!

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懐かしの赤ランプが灯る。ピコーン!

およそ15年ぶりの電源INでも何の問題もなく一発で起動。ゲームボーイはとにかく丈夫なことが有名で様々な逸話がある。

・完成したての試作機を当時の任天堂社長が床に叩きつけた。
(都市伝説)

・開発者である横井軍平氏が亡くなった交通事故でも無傷だった。
(都市伝説)

・湾岸戦争で黒焦げになったが中身は無事でゲームを起動できた。
(これは本当)

・9mm経口の銃弾を跳ね返せるほどの硬度を持つ。
(それはXBOX)

ランプの光の明るさというアナログ表示で電池残量を判断していたあの頃。電池交換をしないまま、どこまでプレイできるか粘り続けた緊張感を思い出せば、今よりもちょっとワイルドだった少年時代に戻れるだろう。

プレミアムになった”聖ゲーム”『ごきんじょ冒険隊』

『岡崎に捧ぐ』に登場する“聖ゲーム”をごく一部ながらを紹介してきたが、今ではちょっと手に入れにくいプレミアムな作品を最後に紹介する。

ごきんじょ冒険隊
1996年 パイオニアLDC 
ジャンル:RPG
スーパーファミコン 価格:7,980円+税

漫画家・須藤真澄の同名のマンガ作品の連載と同時期に開発されたスーファミRPG。『岡崎に捧ぐ』の作中では、「隠れた名作」というコメントで1コマだけ紹介されただけである。

ポケモンと同じようにVCでの配信は行われておらず、“きちんと”遊ぶためにはレトロゲームショップやネットでカセットを買う必要があるのだ。一般的にゲームが移植がされない理由と言えば、採算性、音楽やキャラクターの権利関係、ゲーム内の表現が何らかの知的財産を侵している、現在の倫理的に問題がある……など色々な想像をできるが、ここは実際にプレイすることでお察しいただきたい。

Amazonでの相場を見たところ中古が7,616円~ 新品はなんと37,480円!
さすがに高いし、ちょっと気軽には……

……持ってるよ!!
ということで、もっと突っ込んで紹介する。


何の変哲もない田舎町で幼稚園児たちが天真爛漫に「ごきんじょ」を冒険するゲームで、マンガ版と共通の世界観や設定を持ちながらも、マンガとは異なる物語がパラレルに展開する。

主人公の“まな”通園帽スモックかぼちゃパンツTHE・幼稚園児であるため月曜日から金曜日の平日は“幼稚園”に通ってお勉強をしなくてはならない。

選んだお勉強と結果によってまなやお友達(仲間)のパラメーターが成長する。科目を選んで結果を見るだけのパートだが、これがまた大事なのだ。(ちなみにかぼちゃパンツはマンガ版の方で確認できる)

幼稚園のパートが終わると週末となり冒険パートになる。どんな冒険(イベント)が起こるかは、まなのパラメータで分岐して決まる。そしてRPGなので、いじめっ子から謎の生物まで、何かしら敵が現れてバトルになる。

しかしながら、『ごきんじょ冒険隊』のバトルは普通のRPGとは一味もふた味も違う。

・経験値はない。戦っても見返りはほぼない。
・MPがない。必殺技はHPを削って発動。(回復技さえも)
・猫が毎ターン好き勝手する(踊ったり、おしっこしたり、逃げたり)

以上の大胆で理不尽なルールで幼稚園児たちが、異様なくらいにクールなジャズBGMで戦いまくるのだ!何だか解らないかもしれないが、楽しそうだという雰囲気が伝わったなら幸いだ。

こういった存在感あるゲームデザイン子供の日常の中に拡がる冒険が山本さんや岡崎さんたち少年少女の心をつかんだのだろうし、この“ごきんじょ”で色々な友達に出会って、色んな冒険(遊び)を繰り広げるという営みこそが『ごきんじょ冒険隊』でも『岡崎に捧ぐ』においても大きな肝であり、作品に触れた我々は、それぞれ自分の”ごきんじょ”や”友達”や”冒険”を思い起こし“あの頃の思い出”の追体験ができることだろう。

2つの作品がたった1コマでつながったことは必然として成り立ったことなのかも知れない。

以上、マンガ『岡崎に捧ぐ』に登場する”聖ゲーム”巡りの模様をお送りした。

本稿で取り上げたゲームは、登場した中でもごく一部だし、マンガの方も、まだ1巻が刊行されたばかりでこれから先の物語が期待される。2人の物語に注目しながらも、自分自身の思い出から”聖ゲーム”を探してみるのはどうだろうか。

3枚目:任天堂ホームページ
http://www.nintendo.co.jp/wiiu/software/vc.html
13枚目:PlayStaion Store ホームページ
https://store.playstation.com/
その他の写真・スクリーンショット・動画は全て筆者撮影
(c)山本さほ (c)任天堂 (c)スクウェア・エニックス (c)KONAMI (c)GAME FREAK (c)NBCユニバーサル・エンターテインメントジャパン合同会社

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