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「私は好奇心に動かされて生きている」いよいよ公開! 『マッドマックス 怒りのデス・ロード』ジョージ・ミラー監督インタビュー

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マッドなお前ら、待たせたな! いよいよ6月20日より公開となる映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード』。

5月15日に全米および世界各国で公開を迎え、40か国で興行成績1位、週末全世界興行成績1位、R指定アクション映画史上1位とものすごい勢いでヒットを記録している本作。「ガジェット通信」では特集ページで色々な記事をご紹介してきましたが、今回はついに“マッドマックス”の唯一無二の世界観を作り出した張本人、ジョージ・ミラー監督のインタビューを公開します!

先日来日し、ジャパン・プレミアでもファンからの声援に快く応じていた、心優しきジョージ・ミラー監督。30年以上の月日を経て新作を撮ったワケ、本作はどんな事から構想を得たの!? などなど、色々とお話を伺ってきました。

マッドマックス 怒りのデス・ロード特集!
http://getnews.jp/madmaxfuryroad


―いよいよ「マッドマックス」最新作が日本でも公開となります。「マッドマックス」の世界観は、日本の漫画家や様々なクリエイターに影響を与えていますが、暴走族が暴れまくる近未来の世界、という設定はどういった事から思いついたのですか?

ジョージ・ミラー監督:「マッドマックス」の主人公マックスは、家族や仲間を道路の上で亡くすけれど、当時は予算の関係で大通りで撮影する事は出来なかった。なので、車のあまり通らない寂れた道を選んだ。そうすると建物も崩壊寸前だったりして、その背景をそのまま活かして“近未来の崩壊した世界”という事にしたんだ。

『マッドマックス2』では設定を世紀末後という事に消えて、マックスは車に載った侍として描いた。『マッドマックス』は予算や撮影の関係があって、この世界観につながったのだけど、『マッドマックス2』では意識的に設定を活かしているよ。

―本作、本当に素晴らしくて、大興奮で、酸欠になりました(笑)。公開を今か今かと待っている日本のファンはたくさんいるんですよ。

ジョージ・ミラー監督:35年前に『マッドマックス』を一番最初に受け止めてくれたのは日本のファンなんだ。この世界観は寓話であり、神話でもある。それはファンタジーという意味での神話では無くて、普遍的だという事。映画を通じて未来に行って、現在を知る事も出来るし、色々な教訓を得る事も出来る。古い西部劇というのは、誰にでも通じる寓話であり、黒澤明監督の『七人の侍』も、形は違くてもそうかもしれない。「マッドマックス」もそういう意味ではとても分かりやすい作品だと思うだ。だから、多くの方に受け入れられているんだろうね。

―監督は、「マッドマックス」の1から3を撮ったあと、『ベイブ』や『ハッピー フィート』という全く毛色の異なる作品を撮っていますが、以前と以後で何か意識は代わりましたか?

ジョージ・ミラー監督:私はつねに好奇心に動かされて生きている。『ベイブ』や『ハッピー フィート』では色々な技術を好奇心を持って学ぶ事が出来た。『マッドマックス』ではフィルムで撮影をしていたから、一週間経たないとラッシュを観る事が出来なかった。今は12台のカメラを同時にリアルタイムでチェックする事が出来る! すごい事だよね。

―『マッドマックス 怒りのデス・ロード』でも凄まじい世界観が継承されていますが、これにはどんな“好奇心”が影響しているのでしょうか?

ジョージ・ミラー監督:2006年にインドに行きました。そこで、湖に立つ「タージ レイク パレス」という美しいホテルに泊まった。でも湖は完全に枯竭していて、象が歩いたり、子供がサッカーをしていた。そこで「ウォーター・ウォー(水の戦争)」という事を初めて聞いたんだ。「オイル・ウォー(油の戦争)」というのはよく聞くけどね。だから、映画を撮っていない自分の時間というのも、経験は全て映画につながってくるんだ。

―水の戦争……。まさに本作の世界観ですね。また、女戦士・フュリオサなど、女性の描き方がとても格好良かったのですが、こちらについてはいかがですか?

ジョージ・ミラー監督:私は男兄弟が3人にいて、男子校に通っていたし、ラグビーもやっていたし、大学でも医学を学んでいたから、女性が少ない環境で暮らしてきたんだ。そして結婚して、素晴らしい妻と素晴らしい娘が出来た。私の母親もすごく強い人なんだけど、本当に僕は素晴らしい女性に囲まれているんだよ。でも、そういう事は実は関係無い(笑)。

今回の映画では、ずーっと追われ続ける映画にしようと思った。追われ続ける目的は、物ではなくて人。でも、男が美しい妻5人を逃がすというと、ちょっと意味が変わってしまう。だから、「フュリオサ」という女戦士のキャラクターを作ったんだ。

―すごく格好良いキャラクターで、観た人は必ず彼女を好きになると思います。本作は、観ても聴いても楽しめる作品だと思うのですが、視覚と音楽の演出についてはいかがですか?

ジョージ・ミラー監督:この映画は観る、というよりも聴く映画にしたかった。言葉が何にも無くても分かる内容にね。だから視覚的にもとてもこだわっている。部屋に3,500枚以上の絵コンテを貼って、シーンを考えたりね。

音楽に関しては、昔の部族って音楽を使って意志を伝えたりしていたから、本作でも効果的に使いたかった。でも、他の車があまりにも大きくて爆音が鳴るので、ギターが乗った車もあの大きさに鳴らざるを得なかった(笑)。それで、ただ楽器として使うだけでは無くて、それ自体が火炎放射器になっていて武器になるようにして。使っている音だけれど、19歳の息子がギタリストなので、彼の意見がかなり取り入れられているよ。

―こうしたパワフルな作品を作る事の出来る、監督の映画へのモチベーションはどんな事にあるのでしょうか?

ジョージ・ミラー監督:私は映画について学校で学んだ事は無いんだ。言語としての映画に興味がある。まだ言葉の話せない小さな子供でも映画を観て楽しむ事は出来るんだから。“映画言語”というのはまだ誕生して120年くらいしか経っていない。私はまず無声映画を観て、古いウエスタン映画をたくさん観た。映画とは常に進化、変化していくもので1,000年経っても完全に習得する事は出来ないと思う。

―次回作もすぐ観れると期待してしまって良いですよね……?

ジョージ・ミラー監督:ストーリーはもう決まっているんだけど、今はもっと小さな映画を作りたいね(笑)。

―少し休んでから、という事で(笑)。ファンがグッとくる「マッドマックス」シリーズの小ネタもあり、これまでシリーズを観ていなくても楽しめるパワフルさもあり、そのバランスも素晴らしかったです。

ジョージ・ミラー監督:あまり意識していたつもりでは無かったのだけど、細かい演出を色々な場所に入れているね。『マッドマックス』の目玉の演出は、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』にも出てくるのだけど、私自身一番好きな部分の一つで。世界中で本作に関する取材をたくさん受けたけれど、その事について聞かれたのは日本が初めてだった!(※) 本当に嬉しいね!

―出来るだけ多くの皆に観ていただきたい映画です。最高でした! 今日は本当にどうもありがとうございました!

※実は、「ガジェット通信」のインタビューの前に、『映画秘宝』アートディレクターであり、ライターの高橋ヨシキさんがジョージ・ミラー監督に“目玉”の質問をしていたのだ! しかもヨシキさんは『Mad Max: Fury Road』の全米公開前に胸に本作に登場するマークのタトゥーを掘るという気合いの入れっぷりで、監督も「世界で一番素晴らしいインタビュアー」と太鼓判をおしたそう。

この時のヨシキさんのインタビューは、TBSラジオ「ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル」6月27日にて放送予定。詳細や時間は公式サイトをチェック。
http://www.tbsradio.jp/utamaru/ [リンク]

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記者:

映画・アニメ・美容に興味津々な女ライター。猫と男性声優が好きです。

ウェブサイト: https://twitter.com/ZOKU_F

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