飲食店で原則禁煙、紙巻たばこと加熱式たばこの違いは? 4月から全面施行された改正健康増進法で知っておくべきこと

外出自粛要請によるステイホーム明けに行きつけの飲食店を訪れたら、店内でたばこが吸えなくなっていた……。そんな経験をした成人喫煙者も少なくないはず。

実際にネット上でも、久々に外食したら「4月から禁煙になってたのか」「コロナ禍で忘れてた」といった声を見かける。

新型コロナウイルスの影響で影が薄くなっていたものの、この春に本来であればもっと社会的な関心事になっていたはずなのが、2020年4月1日から全面施行された改正健康増進法だ。

マイナビが成人喫煙者495人にアンケート調査(※)を実施したところ、「4月から施行された、受動喫煙防止法に関する法律(改正健康増進法)について、ご存知ですか?」という質問に対しては、47.1%の人が「具体的に知っている」と回答。

「名前だけ知っている(29.5%)」、「なんとなく見聞きしたことがある(19.4%)」、「知らない(4.0%)」と答えた人の合計が52.9%で過半数となり、法改正の内容を十分に理解している人はまだまだ多くない。

そこで今回は、改正健康増進法により喫煙環境がどのように変化したのか、紙巻たばこと加熱式たばこでは条件がどう違うのか、主に飲食店のルールに関して法改正の要点をまとめてみた。

※調査概要
調査内容:喫煙ルールについてのアンケート
調査対象:20歳以上の男女限定(回答数1008人のうち、喫煙者495人)
調査期間:2020年6月25日~7月1日
調査方法:「マイナビニュース」インターネット調査

健康増進法の改正で喫煙環境はどう変わった?

改正健康増進法は、望まない受動喫煙(たばこの煙を非喫煙者が吸い込むこと)を防止する目的で、2018年7月に健康増進法の一部を改正する法律が成立。2020年4月1日より全面施行された。

4月1日以降、多くの施設において屋内が原則禁煙となり、屋内での喫煙には喫煙室の設置が必須に。飲食店においても喫煙するには施設の一部に「喫煙専用室」を設ける必要があり、喫煙専用室内での飲食は禁止となっている。

例外となるのは、「喫煙可能室」を設置できる小規模店(資本金5000万以下、客席面積100㎡以下)や、「喫煙目的室」が設置可能な喫煙と主目的としたバーなどごく一部の条件に限られる。

受動喫煙防止対策解説動画 飲食店について(東京都YouTube公式チャンネル)
https://youtu.be/pSjfkFfonT4

都道府県や市区町村が独自の喫煙ルールを定めている場合もあり、東京都条例(2020年4月1日施行)では従業員を雇っている飲食店が原則禁煙とさらに厳しい。

大半の飲食店で紙巻たばこを喫煙しながらの飲食が不可となっている一方で、改正健康増進法、東京都条例ともに、加熱式たばこについては飲食も可能な「加熱式たばこ専用室」を経過措置として認めている。

紙巻たばこ喫煙者は飲食の合間に席を立ち喫煙専用室に足を運ぶ必要があるが、加熱式たばこの利用者であれば、店内に設けられた専用室で加熱式たばこと共に飲食を楽しむことが可能なわけだ。

例えば、喫茶店チェーンの「喫茶室ルノアール」では、4月1日より全店舗で紙巻たばこの利用を禁止した。現在は全面禁煙か、加熱式たばこ専用室を設けた完全分煙の2タイプに分かれている。

法改正によるこうした店側の対応は、喫煙者のたばこを吸う頻度や本数、さらには紙巻たばこから加熱式たばこへの切替えといった動きにも影響を与えるかもしれない。

加熱式たばこが利用できるスポットを探す方法は?

改正健康増進法ではさらに、「20歳未満の喫煙エリアへの立入禁止」、「喫煙室への標識掲示義務付け」といったルールが定められ、違反すると施設の管理権原者等に罰則(過料)が課せられることもある。

利用者は各種喫煙室の有無を店頭の標識で確認することができるが、加熱式たばこ専用室を設置しているレストランやカフェはまだ多いとは言えず、ふらっと見つけて立ち寄るのは難しいかもしれない。

そんなときに便利なのが、フィリップ モリス ジャパンの喫煙対策ウェブサイトだ。

上島珈琲店、エクセルシオールカフェ、カフェ・ド・クリエ、喫茶室ルノアール、ドトールコーヒーショップ、ビッグエコー、プロントなどPMJが喫煙環境の整備を推進してきた飲食チェーンが並び、それぞれ加熱式たばこ専用室、または加熱式専用フロアを導入している店舗のリストをチェックすることができる。

フィリップ モリス ジャパン 加熱式たばこ専用室がある飲食店:
https://www.pmweb.jp/supporters

<参照元>
・「なくそう!望まない受動喫煙」Webサイト(厚生労働省)
https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/

・東京都受動喫煙防止条例(東京都福祉保健局)
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kensui/tokyo/kangaekata_public.html