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Billboardは何故「共感性」の高いチャートを追求するのか Billboard Hot100 リニューアル&チャート解析サービスローンチ — Billboard Japan 礒崎誠二氏

Billboardは何故「共感性」の高いチャートを追求するのか Billboard Hot100 リニューアル&チャート解析サービスローンチ — Billboard Japan 礒崎誠二氏

Billboardは何故「共感性」の高いチャートを追求するのか
— Billboard Hot100 リニューアル&チャート解析サービス「CHART insight」ローンチ —

Billboard JAPAN チャート・ディレクター
株式会社阪神コンテンツリンク ミュージックエンタテインメント部 東京クラブ 統括マネージャー
礒崎誠二
 Billboard JAPANがチャートのリニューアルを実施、あわせて新しいチャート解析サービス「CHART insight」をローンチした。Billboard JAPANでチャート・ディレクターを務める礒崎誠二氏は「ユーザー動向とフィジカルチャートの乖離は無視できない」と、シングルセールスに対する共感性が下降している昨今の現状に警鐘を鳴らす。グローバルチャートの老舗が「共感性」に拘る理由とは、その真意に迫った。
(取材:Takuya Yashiro、取材・文:Jiro Honda)
2015年6月4日掲載

PROFILE
礒崎誠二(いそざき・せいじ)
1992年、キティ・エンタープライズ入社。1996年、同社退社後、原盤制作、著作権管理、商品流通管理等、多岐の業務に携わる。2006年、阪神コンテンツリンク入社。Billboardの国内ブランディング、マーケティング等を手がける。
Billboard JAPAN
CHART insight
阪神コンテンツリンク

YouTubeデータ合算 自然な流れ

—— リニューアルした新しいHot100では、YouTubeのデータが合算されることがトピックになっていますね。

礒崎:このグラフ(下図)からも分かるように、ユーザーがどういう音楽を聴いているか、シングルチャートから把握するのが難しい時代になりました。音楽への接触経路が変化し、楽しみ方も多様になりました。なので、そういった状況を反映する「総合ヒットチャート」を作りたいと考えました。

 現在、YouTubeは音楽に接触する主な方法の一つになっていますので、日本でも合算を目指して各社と交渉と検討を進めてきました。アメリカでは3年前、カナダでは2年前から、それぞれのHot100に合算しています。

—— 海外では既にYouTubeは合算されているんですね。

礒崎:アメリカのBillboardが蓄積してきたノウハウを活かしてリニューアルに取り組みました。そもそもBillboardでは、「Hot100」という名前をチャートに冠するには複合データでなければならないという決まりがあります。従って、我々が複数の指標を扱うのは自然なことでした。

—— YouTubeからはどのようにデータが提供されているんですか?

礒崎:YouTube Japanが調査したISRC付きの再生回数をアメリカに送り、次にニールセンが日本のデータだけを切り出してISRCに紐付けて楽曲をマッチングします。そのプロセスを経たデータを扱います。

 なお、ISRC前提で、公式動画と権利者の許諾を受けたユーザー動画がカウントの対象となります。なので、動画をアップロードする際はぜひISRCを付けていただきたいです。アップロードした後、追記入することもできますし。

違和感の無いチャート作り意識

Billboardは何故「共感性」の高いチャートを追求するのか Billboard Hot100 リニューアル&チャート解析サービスローンチ — Billboard Japan 礒崎誠二氏(2/4)

Billboardは何故「共感性」の高いチャートを追求するのか
— Billboard Hot100 リニューアル&チャート解析サービス「CHART insight」ローンチ —

違和感の無いチャート作り意識

—— YouTubeをはじめ、音楽に対する「接触と所有のバランス」は随分変わりました。

礒崎:その変化が進む一方、フィジカルセールスをメインとする日本のチャート構造は昔のままです。フィジカル全盛時は、そういうチャートで良かったのかもしれませんが、今日のユーザー動向とフィジカルチャートの乖離はもはや無視できないと思います。

—— 最近はチャート自体が持つ宣伝力も弱まったと感じていますか?

礒崎:今回のリニューアルにあたり、多くの方に「いつから、ヒットチャートとその時代の音楽がかみ合わないと感じ始めましたか?」という質問をしました。すると、だいたいみなさん2000年代後半ぐらいからと世代問わずおっしゃいます。つまり、その時期からシングルセールスの共感性が落ちているんですね。そして、ヒットチャートが共感性を失えば失うほど、ファンとのエンゲージメントが高いアーティスト名に紐づくパッケージしか売れなくなってしまう。

—— トップ10には入っているけど、聴いたことがないという?

礒崎:そうです。一昔前は、TOP10の楽曲であれば耳にしたことがあるし、口ずさめたじゃないですか。共感性が高ければ、ヒットチャートがもっと楽しめると思います。

—— リニューアルのテーマは?

礒崎:やはり「共感性」や「納得性」ですね。みなさんに「あれ?」と思われないような、違和感の無いチャート作りを強く意識しています。生意気な言い方ですが、色々調べれば調べるほど、共感性の高いヒットチャートを作ることは、音楽文化を未来に残す上で重要な意味があると考えるようになりました。

—— 昨年末実施のBillboard Japan Music Awards 2014(BJMA2014)は、共感性の高いヒットチャートを作っていくというスタンスの第一歩だった?

礒崎:昨年TwitterとLook Upを合算したことで、独自路線の複合チャートを運用していくという方向性を示しました。アメリカとも違う、日本のユーザー動向にフォーカスした、本当にBillboard Japan独自のスタンスです。

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