評価は賛否!? 謎の巨大迷路サバイバル映画『メイズ・ランナー』 スピード感ある物語の序章を見届けよ!
5月22日から全国公開となる映画『メイズ・ランナー』。海外では公開済みの作品で、すでに試写や飛行機の中で観たという人たちの反応では、賛否両論。TVCMにはHIKAKINさんを起用し、どんなテンションの作品なのかが微妙にわかりにくくなっていますが、実際のところどうなのか。一足先に観てきた筆者としては、そこそこ楽しめたので、ネタバレしない程度に紹介します。
誰が何の目的で少年たちを迷路に集めたのか。理由もわからないまま、日々形を変える巨大な迷路(メイズ)の中を極限の知力・体力を使い命がけで駆け抜け、脱出を図る少年たち。何者かに殺されるかもしれない恐怖と目の前に立ちふさがる巨大な迷路の圧倒的威圧感。果たして生き残って脱出する方法はあるのか……。
この設定だけ見ると、少し面白そうじゃないですか? でも期待してはダメです。しかし、まったく期待しないで観に行って欲しい。これは劇場で観て欲しい作品です。
上映時間は2時間弱ですが、ハラハラするスリリングな場面、巨大迷路に取り囲まれた空間に閉じ込められた少年たちの心の葛藤、仲間内での駆け引きなど、2時間という時間を感じさせないほどの展開に、引き込まれる仕上がりとなっています。
全体的に説明が少ない
少年たちが生活する巨大迷路に囲まれた空間を“グレード”と呼び、そこに集まり生活する仲間たちを“グレーダー”と呼ぶなど、この物語だけの専門用語が出てくるのですが、あまり説明がありません。
そして公式サイトやおそらくパンフレットにも「ランナーのおきて(掟)」というものが掲載されていますが、劇中ではまったく説明されない。しかし、みんな「掟が~」「掟をやぶった!」とか言ってくる。だからその掟って何なの!? と、こちらの疑問をかきたててくるのに、ストーリーはそれを無視。
それでも、掟がわからずとも内容はわかるし、むしろ掟と異なる部分もあったりするので、知らないほうがモヤモヤせず楽しめるかもしれません。なので、掟は頭に入れる必要なし。出来れば予告映像なども見ずに、その場で様々な情報に素直に思いを巡らせて欲しいです。
大スクリーン&音響設備の整った劇場またはシアター環境で観るべし!
グイグイと引き込まれる展開ですが、実際に撮影場所に建設されたという巨大迷路の迫力、謎の敵との手に汗握る壮絶な戦いなどは、大スクリーンと音響設備の整った中だからこそ、その良さが伝わるというもの。飛行機内のような小さい画面で観ていたら、面白さは半減してしまいそうです。
これは3部作
原作の小説も3部作なのですが、こちらの映画も3部作。そして今回はその第1作めとなっています。そこで問題となるのがラスト。
確かにTVドラマ的で、絶対に“次に続く終わり方”をするのが、やはり受け付けない人もいるようですが、個人的には2作目が気になる、ワクワクさせられるラストでした。また、1作目から結構展開があるのも好印象。そんなことしてないで早く旅に出なよ、と思わせる作品とかもあるじゃないですか……。
3部作の1作目、ということを必ず念頭に置いて見れば、謎が多いことやラストについても、まったく問題ないはず。『CUBE』のように凝った謎解き要素はありませんが、巨大迷路から脱出しなければならない緊迫感と、そこに『エイリアン』のような恐怖が加わるので、中だるみする場面もありません。あと、主人公の勇気と行動力がすごい。
ただ、説明が少ないあたり、原作から省かれている場面が多そうに感じたので、原作を読んだ人には物足りなく感じるかも。
第2作目、3作目が気になった時のために、観ておいてもいいのではないでしょうか? 何も考えず、期待せずに観に行くのがオススメの楽しみ方です。
『メイズ・ランナー』2015年5月22日全国公開
オフィシャルサイト:
http://www.foxmovies-jp.com/mazerunner
(C)2014 Twentieth Century Fox Film.
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